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2008年5月26日

未知の世界も…やるしかない/朝夏まなと

27日、大劇場で行われる花組公演「愛と死のアラビア」の新人公演で、若手期待のホープ朝夏まなとが主演を務めることになった。これが4度目の新公主役。最近では多くの可能性を発掘するため、新公主役を複数回こなす生徒も少なく、本人も「まさか自分にくると思ってなかったので」とびっくりの大役だ。

 今回は花組自体、トップスターが春野寿美礼から真飛聖に変わり彼女にとっても“お手本”が変わった。「そうですね。やはり、新公の主役をやらせていただく身にとってもトップさんが変わったことが一番大きいです。春野さんには春野さんの、真飛さんには真飛さんのいい部分がたくさんありますから、そのお2人から学ばせていただけるのは大きい」としみじみ語った。
 172センチという長身に長い手足を存分に使ったダンス力、こぼれんばかりの大きな瞳は、ライトが当たるとキラキラ光る。抜群の舞台映えは下級生のころから話題で、初めての新公主役は研4になったばかりの春。すべてが無我夢中だった。2年のブランクを経た2度目の抜てきは、初回以上にプレッシャーを感じ緊張していた。学年が上がったことで周囲の期待を感じていたからだ。すべてをかけた3度目は「自分でも“やり遂げた”って思えた」納得の舞台。これ以上はないだろう、と思っていたところでの今回の指名に「もう未知の世界過ぎて分かりません」と今は戸惑いを隠せない。
 しかし、3月にはバウホールでの初主演公演「蒼いくちづけ ドラキュラ伯爵の恋」を成功させた。これを乗り越えたことは大きい。「瞬時に判断する能力が出てきたかな。例えばお客さまの笑い声ひとつでも、日によって違うから、その空気を読んでセリフを言い出すタイミングをはかるとか…。難しかったけど、舞台を楽しめるようになりました」と力強い。
 入団7年目。新公に出演できるのも今年が最後だ。舞台での責任も重くなり「今が一番、悩んでいる時期かもしれないですね。以前はがむしゃらさだけだったから。今はむしろ迷ってばかりかも。でも、もうやるしかないって思うようにしています」。バウ主演で得た自信を胸に、迷いを抱えながらも熱演を誓った。【土谷美樹】

 ◆愛と死のアラビア 1807年、イギリス兵のトマス・キース(朝夏、本役・真飛聖)は負傷してエジプト軍に捕らわれた。トマスは敵のエジプト人でさえ一目置くほど、正確な狙撃の腕前だった。エジプトのイブラヒム(望海風斗、本役・大空祐飛)から、訓練将校としてエジプト南部に送られたトマス。砂漠のベドウィンの騎馬隊にライフル銃を扱えるよう訓練するためだった。捕虜の身であったが次第にエジプト軍と心を通わせた彼は、エジプト軍がスーダンへ遠征する際にも従軍を願い出た。しかし、イスラム教徒の中にはイギリス兵で異教徒のトマスの参加を拒否する者がいた。イスラム教に改宗し、砂漠の民となる決意をしたトマスだったが、その身の行方は危険にさらされていた。
 本公演はショー「Red Hot Sea」と2本立てで6月16日まで。

 ☆朝夏(あさか)まなと 9月15日生まれ、佐賀市出身。佐賀大文化教育学部付属中を経て02年「プラハの春」で初舞台。05年4月「マラケシュ・紅の墓標」で新人公演初主役。07年2月「明智小五郎の事件簿 黒蜥蜴」、同年10月「アデュー・マルセイユ」と連続して新公主役を務め今年3月「蒼いくちづけ ドラキュラ伯爵の恋」でバウ初主役。身長172センチ。愛称「まぁ」。


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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「GO!GO!宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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