2008年4月28日
女らしく艶やかに/妃咲せあら
バウホールで上演中の星組ミュージカル「ANNA KARENINA」(5月4日まで)でタイトルロールを演じる妃咲せあら。早くから新人公演でヒロインを務めるなど注目の娘役だったが、グッと女らしい大人のヒロイン像で演技の幅を大きく広げた。
「この作品にすごくあこがれていて、自分から積極的にオーディションに挑戦したので本当にうれしくて、うれしくて」。タカラヅカでは「役は与えられるもの」と思われがちだが、ワークショップでもある今回は、組内のオーディションで勝ち取っただけに充実感もひとしおだ。「バウでヒロインというと、確かに心のどこかで『自分で大丈夫なのかな?』って思った部分もあったけれど、それ以上にこの芝居をできる喜びの方が大きい」と力説した。
主役の麻尋しゅんとは同期生。気心が知れているのは大きな強みだが、けいこ当初は照れくささが残ったという。「キスシーンが多かったりするんで、最初は照れちゃって。自主げいこって、誰も見てなくて2人きりじゃないですか。『この絵柄、冷静におかしいよなあ』みたいな…」とケラケラ笑った。
同作はこれまで何度も映画化され、ミュージカルとしても世界中で上演。タカラヅカでは元雪組トップスター朝海ひかる主演で2001年(平13)にヒットした名作で妃咲もビデオで見て感動したという。「でも実は、母もこの作品大好きで、役が決まった時も私以上に母が喜んでくれて…。それがうれしい」。公演前はのんびり屋の本人以上に母親の方が焦っていたらしく「家で顔を合わせたら『カツラはどうするの?』とか『ホントに大丈夫なの?』って。『お母さんが出たら?』って感じでした」と笑いを織り交ぜ振り返る。
その母とともに平成版「ベルサイユのばら」をテレビで見てタカラヅカにあこがれた。バレエを習ってはいたが「受けたい」と親に言い出すことすらできないほどの恥ずかしがり屋だった。そんな照れ屋が最初から演技なんてできるワケがない。「音楽学校時代は演技の成績もすごい悪くて、めちゃくちゃ怒られたこともあります。でも、ここ最近、本当に楽しくなってきた。自分のペースでのんびり積み上げるのが好きなので」。ゆっくりながら、カラを破ったのか大きな瞳には自信さえ漂っていた。
◆ANNA KARENINA 舞台は19世紀末の帝政ロシア。極めて不安定な社会情勢の中、青年将校ヴィロンスキー(麻尋しゅん)は将来を約束されたエリートで、貴族の令嬢たちの羨望の的だった。ある日、彼はモスクワ駅で見かけた貴婦人、アンナ・カレーニナ(妃咲)に心を奪われた。アンナは高級官僚カレーニン(美弥るりか)の妻で、貞淑で賢明な女性として通っていた。しかし、ヴィロンスキーの真剣な求愛に、自分の中にいたもう一人の自分に目覚める。許されない愛に走る2人、貴族社会の体裁の中でしか生きられないアンナとカレーニン。それぞれの運命の歯車は大きく崩れていく。
☆妃咲(ひさき)せあら 2月1日生まれ、兵庫県三田市出身。園田学園を経て02年「プラハの春」で初舞台。05年2月「それでも船は行く」でバウホール初ヒロイン。同年5月「長崎しぐれ坂」で新人公演初ヒロイン。身長161センチ。愛称「せあら」「ともちん」。
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