2008年4月14日
大人への階段上っています/蒼乃夕妃
バウホールで上演中の「ANNA KARENINA」(15日まで)でタイトルロールを演じる星組・蒼乃夕妃は、作品との不思議な縁を感じながら熱演を続けている。
ロシアの文豪トルストイ原作の「ANNA-」は世界中で何度も映画や舞台になり、宝塚でも朝海ひかる主演で上演され話題となった。当時、タカラヅカファンとして客席で見ていたという蒼乃は「ツボにはまったというか、前からすごい好きな作品だったんです。高校生の時、映画でも偶然これを見ていたこともありますし。世界中の人が知っているような作品なので心してかかっています。でも、見るとやるのとでは大違いで」と謙遜するが、舞台では堂々としたヒロインっぷりである。
まだあどけなさいっぱいの研1だった05年、バウ公演「それでも船は行く」のヒロインを体当たりをこなした。「本当にガムシャラでしたよね。あの頃に比べれば落ち着いて取り組める自分がいる。1日1個、半個でも課題を克服しながらけいこしました。今のところ? 目標は達成しているかな」。手ごたえを自信に変え、着実に階段を上っている。
この春で入団5年目を迎えた。娘役としては伸び盛り。「自分でもやりたい事が明確になってきましたね。以前は得意なものに苦手なものを近づけて平均点を取ろうとしていたけれど、今は苦手なものも頑張るけれど、得意なものをさらに引き上げて、舞台人としての個性を出したいと思うようになってきました」と、まっすぐ前を見据える。
中学時代、何気なく見たテレビに、宝塚歌劇の中継が映っていた。それまで陸上競技に夢中だった少女が突然「ここに入りたい」と思い、バレエを習い始めたという熱血派。「最初は“習いたい”って親に言い出すのも恥ずかしかった。でもやらずに後悔するより、やってから後悔しよう、と思って」と一歩を踏みだし、ラストチャンスで夢を叶えた。「昔から大人っぽい娘役になりたかったんです。今回はそういう意味でも挑戦ですね」。にっこり笑いながら今、再び大きく新たな一歩を踏み出した。【土谷美樹】
◆ANNA KARENINA 19世紀末の帝政ロシア。青年将校ヴィロンスキー(夢乃聖夏)は将来を約束されたエリートで貴族の令嬢たちの羨望の的だった。
ある日、母を出迎えるためモスクワ駅にやってきたヴィロンスキーは、列車から降り立った貴婦人、アンナ・カレーニナ(蒼乃)に心を奪われる。アンナは高級官僚カレーニン(紅ゆずる)の妻で、貞淑で賢明な女性として通っていた。しかし、ヴィロンスキーの真剣な求愛に、自分の中にいたもう一人の自分に目覚める。許されない愛に走る2人、貴族社会の体裁の中でしか生きられないアンナとカレーニン。それぞれの運命の歯車は大きく崩れていく。
☆蒼乃夕妃(あおの・ゆき)9月12日生まれ、岡山市出身。山陽女子高を経て04年「スサノオ」で初舞台。翌年3月「それでも船は行く」でバウ初ヒロイン。身長164センチ。愛称「まりも」。
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