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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


20周年回顧

第9回
1996年

さくらが涙で「お兄ちゃん」

96年、故渥美清さんにかわり特別賞の表彰盾を受け取った倍賞千恵子
96年、故渥美清さんにかわり特別賞の表彰盾を受け取った倍賞千恵子

 この年の8月4日に転移性肺がんで死去した渥美清さん(享年68)に特別賞が贈られた。表彰盾は渥美さんの代理として「男はつらいよ」シリーズで26年間、寅さんの妹さくらを演じた倍賞千恵子が受け取った。ステージに飾られた遺影に向かって、倍賞は「お兄ちゃん、ご褒美をもらったよ」。

 渥美さんが亡くなってから、倍賞は公の場に出ることを慎んできた。悲しみは深く、死去から4カ月を経て、初めて晴れやかな場所に出ることができたが、遺影を見た瞬間、涙があふれた。

 倍賞の語り掛けは続いた。「8月13日、渥美ちゃんのお別れの会で、大船駅から続く行列を見て、私たちはこんなに愛されていたと思い知らされました。渥美ちゃんが、死という悲しい終わり方で、それを教えてくれました」。

 途中、呼び掛けが「渥美ちゃん」から「お兄ちゃん」に変わった。「お兄ちゃんは(受賞を)『晴れがましくていらないよ』って言ってるかもしれないけど、『褒美をもらうのもいいね』って思っていると思います」。涙で途切れ途切れになったあいさつに、出席者も泣いた。

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