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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


20周年回顧

第5回
1992年

勝新から花束、玉緒が泣いた

助演女優賞の中村玉緒に勝新太郎が花束を持って登場
助演女優賞の中村玉緒に勝新太郎が花束を持って登場

 花束を抱えた勝新太郎さんが登壇すると会場からどよめきが上がった。妻で女優の中村玉緒が助演女優賞を受賞。壇上で絶句する玉緒に「はい、これ」とぶっきらぼうに花束を渡した。涙ぐむ玉緒に大きな拍手が送られた。

 「玉緒、つらい思いをさせたな。それにもかかわらず、よく賞をとった」とねぎらった。玉緒は受賞対象作「橋のない川」の奈良ロケに向かう新幹線の車中で、勝さんがホノルル空港でマリフアナとコカイン所持の容疑で逮捕されたことを知った。撮影現場に押しかけるマスコミを前に外出もままならない日々が続いた。

 授賞式前夜、勝さんは「花束持って行くから」とボソッと言った。玉緒は聞き流した。何度も同じ言葉を聞いてきたが、来場したことなど1度もなかったからだ。驚く玉緒に「苦労したおかげで、いい演技ができたんだ」。勝新節に場内は温かな笑いに包まれた。「照れ屋の人がよく来ました」と言う玉緒は「あんさん(勝)の苦しみを映画が助けてくれました」と切り返した。

 勝さんは裕次郎さんの大親友だった。授賞式で「裕次郎の名が付いた賞をオレがとりたい」と宣言したが4年半後に他界。勝さんの夢が実現することはなかったが、玉緒は公開中の「椿三十郎」に出演するなど映画界で活躍を続けている。

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