2009年11月04日
早乙女太一の“兄貴分”
早乙女太一を弟のようにかわいがる。橘菊太郎劇団若座長・橘大五郎。早乙女が天才女形なら、大五郎は大衆演劇の若きカリスマ。「イメージを覆してくれた」と、大五郎は早乙女の活躍に目を細める。
「何年かに1度は松井誠さん、梅沢富美男さんらのように大衆演劇をぐっと持ち上げてくれる起爆剤のような役者が出るんでしょうね。太一くんもその1人だと思います」。そういう大五郎も、北野武監督の映画「座頭市」(2003年)に出演、昨年のNHK紅白歌合戦では女形早乙女、立役大五郎で、「赤い糸」を熱唱する藤あや子のバックを飾った。
大五郎は、曽祖父の代から続く旅役者の家系をしっかり守っている。「お母さんは舞台のそでで生まれたっていうくらい。僕もそのお母さんに産んでもらってるんで、役者やってるのは成り行き的なところがあるんですが、この仕事が大好き」と胸を張る。
大五郎が生まれたころ、劇団の座員はまだ5、6人だった。舞台そでで大五郎は揺りかごに寝かされていた。幕が開き座員が揺りかごを一押ししては舞台に上がっていく。文字通り舞台で育った役者だ。そして首が据わってくると抱き子で出演。
自分から踊り始めたのは2歳の時だった。合言葉があった。「待て待て、待てー」とマイクを持つ役者が追いかけるように言えば、小さな役者大五郎は逃げるように走り出す。「はい、お月さん」と言われれば空を指したり、まん丸お月さんを指で描いたり。「とんからりー」と来れば、足をトーンと床に突いて見得を切る。観客に「大ちゃん、上手になったねぇ」とほめてもらうたびに大五郎は役者として成長していくのだった。そして、専門の師匠について稽古を重ね今の大五郎がある。叔父で座長の菊太郎は言う。「踊りも三味線も、タップダンスも、フラメンコもすべて一流の先生の下で勉強させています。座員みんなそうなんですから」。【H】
(橘大五郎)
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- ニッカン座・人生劇場
- 笑いあり、涙あり、感動あり。毎日、日本のどこかで繰り広げられる人情舞台。その一瞬、一瞬に人生をかけて、全国巡業を続ける大衆演劇のヒーローを追います。
- 松井誠
- (まつい・まこと)1960年4月8日、福岡県大牟田生まれ。大衆演劇一座に生まれ育ち、85年に「劇団・誠」を結成。商業演劇の座長公演をはじめ、大河ドラマ「風林火山」などに出演。若手劇団「下町かぶき組」の育成のほか、舞踊「誠心流」家元、着物デザインなど幅広く活躍。
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- (りゅう・こたろう)1974年8月2日、東京生まれ。父は大衆演劇役者、母はダンサーで4歳の時に日舞を習い始め、森川長次郎劇団に入団。関西を中心に活躍して7歳の時に「初代・浪花のチビ玉」と呼ばれる人気者に。85年には「必殺・ブラウン館の怪物たち」で映画デビュー。舞台、映像と幅広く活動している。アイエス電話03・3355・3561。
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- (おおかわ・りょうたろう)1978年(昭53)3月6日、静岡県生まれ。大阪府育ち。劇団九州男(げきだんくすお)座長。輝く役者だけのユニット「シリウス(天狼組)」でも活動中。
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- 橘大五郎
- (たちばな・だいごろう)1987年(昭62)1月27日、大分県生まれ。橘菊太郎劇団若座長。大衆演劇の若きカリスマ。2003年、北野武監督の映画「座頭市」に出演。2007年には早乙女太一らとのハワイ公演を成功させた。趣味はタップダンス、映画・舞台鑑賞。
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