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2009年10月25日

オヤジ赤面シーンが満載

「僕の初恋をキミに捧ぐ」(日)

 余命の短さをストーリーに盛り込む映画は多い。今年公開の作品では「ヘブンズドア」や「余命1ケ月の花嫁」「ちゃんと伝える」など。あと数カ月か数日で終わってしまうかもしれない人生をどう生きるか。瀬戸際に追い込まれた人々が放つ気迫やエネルギーは、線香花火が落ちる直前の輝きと美しさを帯びている。人間ドラマのエッセンスとして、これからもさまざまな表現で描かれていくだろう。

 今作で余命が短いのは、岡田将生演じる心臓病の少年。8歳の時に、20歳まで生きられないことを知ってしまう。時々起こる発作と闘いながら高校生になり、突然、心臓移植を受けられるチャンスが訪れる。それを知った時のセリフが、あまりにも素朴で、逆に私の心に響いた。「これで好きなものを食べられる! 大学にも行ける! 結婚もできる!」。42歳の私は、この3つの要素をすべてかなえている。健康で長生きしているからこそ、できることだ。生きられることに感謝せねばならない。

 この少年と、彼を献身的に支えようとする少女(井上真央)の純愛ストーリーは、中年男性が見ると「うわ、そこでキスしちゃうの? 抱き合っちゃうの?」と恥ずかしくなるシーンの連続。岡田ファンの女子中高生を中心に、若者向きの映画であることは間違いない。しかし、心臓病の子どもを持つ親の立場も丁寧に描かれ、臓器移植の問題点を提示するようなシーンもあり、幅広い世代の共感を得られそうだ。【柴田寛人】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)


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