2009年8月23日
スリリングな描写に暑さ忘れる
「30デイズ・ナイト」(米)
7月22日。日本では46年ぶりとなる皆既日食が、ちょっとしたブームを巻き起こした。太陽が姿を消し、一帯が暗闇に包まれる瞬間の神秘。だが、闇が30日も続いたとしたら、かなりコワイはずだ。
舞台はアラスカ州にある小さな町バロウ。北極に近く、町から外へ通じる道路も、鉄道もない。隣町までは100キロ以上と、まさに陸の孤島。氷点下30度という寒さのもと、太陽が30日も姿を消す極夜(きょくや)が始まった。
町に残る人たちを突然の恐怖が襲う。太陽の光だけが弱点というバンパイアの仕業だった。この辺りの描写はスリリングで、映画を見る者をドキッとさせてくれる。
なかでも、人の生き血をすする彼らの顔の不気味なこと! 特殊効果ではあるが、微妙に生身の人間らしさがのぞき迫力は抜群。今の季節の暑さを忘れるにはちょうどいいかも。
生き残った住民らは団結して、反撃を試みる。極限の状況で、サバイバルのため人知を尽くすのだが、そこに家族のきずなや男女の情愛がからんでくるのも感情移入しやすくていい。クライマックスで、吸血鬼との最後の勝負に出た主人公の秘策は、なかなかショッキングだ。
出演はジョシュ・ハーネット、メリッサ・ジョージら。「スパイダーマン」のサム・ライミ監督がプロデュース。R15指定作品。【三宅敏】
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