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2009年8月16日

青春時代の性のモヤモヤが甦る

「色即ぜねれいしょん」(日)

 題名の「色即」は「しきそく」と読みます。原作を04年に発表したみうらじゅん(51)は、京都の仏教系男子高の卒業生。仏教語の「色即是空(しきそくぜくう)」を授業で教わり、高校時代の自伝的小説のタイトルに加えた。言葉の意味は「世の中の物事に執着するのはむなしいこと。人間は皆、最後には空になってしまうのだから」ということ。しかし、今作は仏教の教えを説くものではありません。

 何かに反攻する勇気もなく、優しい両親にかわいがられる高校生が主人公。平凡な毎日に欲求不満を感じ「フリーセックス主義者が集まる島がある」という話を聞き、友人2人と旅に出る。気持ちは分かるなあ。私が高校生のころは、女性とお付き合いする状態になかなかなれず、セックスなんて夢のまた夢。高校時代に初体験を済ませたという投稿を雑誌で読んで、妙に焦ったりして。青春時代に抱いていたモヤモヤが、よみがえりました。

 俳優田口トモロヲ(51)が6年ぶりに映画監督を務めた。前作「アイデン&ティティ」も原作はみうらじゅん。2人は音楽ユニットを組み、活動を続ける仲で、この作品でも多くのミュージシャンを俳優として起用。高校生が音楽と出会い、新しい世界を知り、成長していく様子を描いた。主演の渡辺大知(19)はロックバンド、黒猫チェルシーのボーカル。劇中でワンマンライブを開き、熱唱する様子は、演技の域を越える迫力があった。挿入曲や楽器の音色など、70年代の雰囲気を楽しんで下さい。【柴田寛人】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)


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