2009年6月07日
シブメンたちの演技だけでも楽しめる
「ハゲタカ」(日)
イケメン映画、今が全盛でしょうか。でも、野球やケンカに明け暮れ、恋愛にまっしぐら…という若くて熱すぎるエネルギーは、まぶしすぎて、しんどいなーと思っていたところでした。
今作はメンツもテーマもかなり硬派。「イケメン」という軽い言葉を使うのがはばかられるような大森南朋、柴田恭兵、遠藤憲一、玉山鉄二、中尾彬、松田龍平といった面々に加えて、テーマは企業買収。ドラマ→映画のお決まりパターンも、元ドラマはNHKという、異例中の異例です。
敏腕ファンドマネジャー鷲津政彦(大森)が企業、金、人の攻防戦を繰り広げるのはドラマと同様。昨年のリーマンショックや、派遣切り問題などを、すでにでき上がっていた脚本を大幅に変えて織り込んだところなどは、ドラマ以上のフットワークの良さかもしれません。
当初の脚本は、中国政府がバックについたファンド代表の劉(玉山)がメディアを駆使する…という部分が強調されていたそう。確かに鷲津と劉、戦いの最後までかなり変わっていることが分かります。ドラマを見ていなくても、経済問題に詳しくなくても、大まかなニュースを知っていれば大丈夫です。
途中で難しくてついていけなくなったら、シブメン俳優たちの目配せやカメラワーク、音楽、ドキュメンタリーのような緊迫感を楽しみましょう。それだけでも十分。
企業買収を描きつつ、幸せ、お金、仕事、悲哀、希望…そんな言葉をいっぱい考えさせてくれる、貴重な作品です。【小林千穂】
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