2009年5月24日
記者室の乱雑ぶりに現実味
「消されたヘッドライン」(米)
5月といえば、大学4年生の就職活動も大詰めの時期だろうか。新聞記者を志す学生が、この映画を参考に見ることがあると思う。安心してください。この映画で描かれるほど、新聞記者は危険な仕事ではありません。劇中で新聞記者が、狙撃現場で命懸けの取材をしています。弾丸が当たりそうで、見ている方も怖くなります。このような生死にかかわる極度の緊張感が続いたら、取材どころではないです。手が震えて、メモなんか取れません。
それほどのリスクを冒す必要があるほど、作品中の新聞記者は“高い壁”に挑みます。ワシントン・グローブ紙の記者たちが、無関係に見えた2つの殺人事件のつながりを発見。ある国会議員と激しく対立する民間軍事企業が、数百億ドル規模の利権を守るために、一連の殺人事件に関与したという図式をつかんだ。この巨大な陰謀を暴くために、ベテラン記者が殺人犯と1対1になる場面も。「ペンは剣よりも強し」は有名なことわざですが、相当の勇気と信念と責任感が必要です。
昨年7月公開の邦画「クライマーズ・ハイ」(原田真人監督)は、劇中の新聞社編集局が本物そっくりの臨場感を出し、好評だった。今回の作品も、実在のワシントン・ポスト紙をモデルにし、新聞社の巨大スタジオセットを製作。記者室の乱雑ぶりは、現実味があった。編集局長役の女優が叫んだ。「本当に重要なのは、この新聞がヤバいってことよ ! 」。新聞社の経営不振まで描かれていて、記者志望の大学生はどう思うかな…。【柴田寛人】
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