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企画特集


2009年5月17日

人間の心の怖さタップリ

「天使と悪魔」(米)

 ハーバードで宗教象徴学を教えるロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)が、歴史の謎に挑むシリーズの新作です。

 3年前に公開された「ダ・ヴィンチ・コード」は、期待を最高潮にさせてくれたはいいものの、難解な専門用語の連続と、もっさりした展開で、2時間30分がどんなに長く感じたことか。中途半端なラブロマンスもどっちらけ…だったことを覚えています。

 バチカンを舞台にした続編の今作はあまり期待しないでおこうと見たわけですが、王道のエンターテインメント作品に仕上がってました。謎解きあり、アクションあり、どんでん返しあり。スピード感もぐっと増して、2時間18分はあっという間。

 ベストセラーの映画化はとかく「原作のイメージと違う」と批判されがちですが、エッセンスをうまいこと抽出しています。ラブの部分も取り去っているのが潔い。原作では、ラングドン教授が、相棒のように行動を共にする研究者ヴィットリアに、しつこい目線を送っているんですよね、「詩を読む彼女のアルトに聞き入った」…って、こらこら。

 それにしても、常々、何が怖いって人間の心が一番怖いと思っていますが、今作でもそれをたっぷり見せてもらいました。天使と悪魔、善と悪…表裏一体というより、混ざっているもんだな、と。

 前作を見ていなくても、予備知識があまりなくてももちろん、原作を読んでなくても、楽しめる作品です。【小林千穂】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)


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