2009年5月03日
裸のチワワこそ美しい
「ビバリーヒルズ・チワワ」(米)
個人的にチワワにはいい印象を持っていない。ペットショップでの相場は15~35万円と高額。チワワとの散歩は、シャネルやヴィトンのバッグを持って歩くのと同じで「私はお金持ちよ。オホホホ」ってアピールしているように感じる。貧乏人のひがみでしょうか。
この映画の主人公は、米国ビバリーヒルズの大豪邸に暮らすそんなチワワ。1億円のダイヤのネックレス、シャネル風ドレスを身に着け、香水はシャネルの5番を使用。食事はコース料理。「犬のくせに生意気な! ウチの嫁より何十倍もぜいたくだ!」と腹が立ってくる。雑種犬から贈られたバッタを拒否する態度にまたムカついた。ただ、人間も犬も同じで、セレブの環境に生まれれば、金のかかる生き方をするのが当たり前。庶民の自分とは違う世界があるのさ…と妙に納得しながらも、チワワへの嫌悪感を増幅させた。
そんなネガティブなイメージは、映画の終盤に吹っ飛んだ。チワワが大型犬や肉食獣と対決し、仲間の犬の助けを借りながら間一髪逃れる。そして自らも“闘犬”としての本能に気付き、驚きの「必殺技」で難敵を退ける。気が付けば、ぜいたくな装飾品はなくなり、普通の犬の姿になっていた。もともと毛皮があるのだから、服はいらない。裸のチワワこそ美しく、格好いい。
高級ペットとして着飾ることを強制されるチワワこそ、人間の虚栄心の犠牲かもしれない。チワワの闘争本能を評価し、将来は番犬として飼ってみたいと思った。【柴田寛人】
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