2009年3月22日
後ろ向きな現代「イエス」と答えれば…
「イエスマン」(米)
タイトルを見て「偉大なるイエスマン」と小泉元首相に忠誠を誓った自民党の武部勤元幹事長を思い出した。会社組織でも出世のために上司には逆らわず「イエスマン人生」を送る人もいるだろう。そんな彼らでも自分に都合の悪いことにはさすがに「ノー」と言うに違いない。
ジム・キャリー演じる主人公のカールは、もともとは面倒くさい相手からの電話には一切出ず、友達の誘いにも何かと口実をつけて断る。勤め先の銀行ではローン申し込みのほとんどを却下する「ノーマン」。ところが、そんな彼を見かねた友人に連れていかれたセミナーで「どんなことでもイエスと答える」と強引に約束させられたことから、事態は一変する。
人生は毎日がイエスかノーかの選択。確かにカールのように興味ないことや絶対に無理なことにはノーというのが賢明だろう。私も年齢を重ねるごとにおっくうになるし、そう思うようになってきている。
だが、もし、それらのすべてにイエスと答えたら? そんな無謀なルールを自分に課して本当に実践した人物が実在する。英ユーモア作家ダニー・ウォーレスがその人。彼があらゆることにイエスと言い続けた7カ月間、一体何が起きたのか、悲劇あり喜劇ありの思いがけない日々の顛(てん)末をつづった回顧録をもとにこの作品ができあがった。
ネガティブ男がイエスということによって引き起こす騒動が愉快。芸達者なジム・キャリーが観客を爆笑の渦に巻き込む。何ごとにも後ろ向きになりがちな現代、イエスといわなければ何も進まないですゾ。【荒平清志】
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