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2008年12月21日

格差社会で戦う名探偵と大泥棒

K-20 怪人二十面相・伝(日)

 今年も残すところあと少し。だが、新年への景気のいい話はどこからも聞こえてこない。サブプライム不況の直撃で、格差はさらに広がりそう。各企業のリストラのニュースが連日報じられ、経済的弱者がさらに痛手を負いそうだ。トランプの「大貧民」なら、大富豪になるのは運しだいだが、現実的にはい上がるのはなかなか大変だ。

 今作の舞台は、現在とは全く違う発展を遂げた日本の架空都市・帝都。19世紀から続く華族制度は極端な格差社会を生み、帝都の富の9割は一部の特権階級が握っていた。そんな中、富裕層のみをターゲットにした世紀の大泥棒、怪人二十面相(=K-20)が世間を騒がせ、このK-20を追い詰めるのがご存じ名探偵の明智小五郎だ。

 そもそも映画はエンターテインメント。観客を楽しませてなんぼだが、そんな条件の中でも、作り手側には描きたい、伝えたいメッセージがあるものだと思う。この作品も、ど派手なアクション・エンタメでありながら、どこかで、前向きで頑張っていこうという気にさせてくれる。とにかく、観賞後感がめちゃくちゃいいこと請け合いだ。

 格差とか不況とか、映画には関係が浅い言葉ばかり並んでしまったが、作品のエンタメ度は高い。映像は「ALWAYS 三丁目の夕日」などを生み出した製作会社・ROBOTならではの保証付き。小学生の時にポプラ社刊の江戸川乱歩作品を読破し、怪人二十面相とその時代のイメージには一家言をもっていたが、それは納得せざるをえないものでした。もちろん、製作側だけではなく、俳優陣も奮闘。金城武のアクションシーンだけでも見ものだ。【竹村章】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)


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