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2008年12月14日

大人向けアニメなんです

ウォーリー(米)

 冒頭から約30分、いや、もっとかな。セリフが一切ないことに驚きながら見ました。ここを「チャプリン映画のよう」と感じる方も多いとか。地球で、たった1台動くゴミ集積ロボットのウォーリーの日々の生活と、宇宙のどこからか来たらしい最新型ロボットのイヴとの出会い。機械とは思えないウォーリーの表情の豊かさ、孤独感、もどかしさを見ると、確かにチャプリン映画のような味わいもある。

 チャプリンが映画に、政治や社会への皮肉や風刺を織り込んだように、この作品では未来への警鐘が鳴らされています。大気汚染でもうもうとした空、ゴミでいっぱいになった地球を捨てた人間。人間が生きるのは、ノアの箱舟を思わせる宇宙船。正直言って、宇宙船での人間の姿は、見ようによってはおぞましいです。ショックです。アニメだから許される、というか。まあ、見てみてください。

 ということで、これは大人向けのアニメです、きっと。大人だから理解できるという部分も多いかも。でも! つくづく感心したのは、愛とか孤独とか、環境とか未来とか、そんな小難しいことが分かんないちっちゃな子どもにも分かりやすいアイコン、つまり目でみてパッと分かるものを登場させていること。そのアイコンを追っかけてるだけで、ドキドキ、ハラハラできるというわけです。これで全世代カバー完了。よく考えられています。

 つらつら書きましたが、こんな理屈抜きで泣きました。ウォーリーの泣き顔見て、また泣きそうになっちゃいます。【小林千穂】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)


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