2008年9月07日
小泉今日子の私生活をのぞき見るような
「グーグーだって猫である」(日)
最近はソフトバンク犬に押され気味の猫が、本作で勢いを盛り返すかもしれない。天才漫画家の麻子(小泉今日子)の飼い猫グーグーが、とにかくかわいい。食う、寝る、遊ぶという猫の日常を切り取った序盤は映画というよりグーグーのプロモーションビデオ。見ていて肩の力が抜ける。現場では小泉よりも厚遇されたとか。演出が利かない存在とあって、必然的に撮影の中心になってしまう。人の顔をなめる数秒のシーンに5時間も費やす熱演だ。
もちろん、単なる動物映画に収まらない。徐々にテーマは人間再生に移行する。原作は人気漫画家大島弓子さんが手掛けた同名エッセー漫画。愛猫のサバを失って作品を描けなくなった麻子が、グーグーとの新たな生活で仕事や恋の情熱を取り戻す姿を描く。グーグーのおかげでアシスタントのナオミ(上野樹里)や恋心を寄せる青自(加瀬亮)との結び付きを強めていく麻子。それが、終盤の事件に立ち向かう力になる。
大島さんは映画化に当たって、小泉以外の候補をすべて拒絶したという。その期待に応えるように40歳を過ぎた独身女性の不安や臆病(おくびょう)さを小泉がうまく醸し出している。「女1人で生きていく気楽さや寂しさを知っているので麻子の役にすんなり入っていけました」という彼女の私生活をのぞき見た気にもなれる。
ちなみに主題歌も小泉の「good good」。細野晴臣とのデュエットで約5年ぶりの新曲。これもまた、ほんわかしていて映画の柔らかさを増幅している。【木下淳】
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