2008年7月27日
空前スケールの「くだらねえ~」ぶり
「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(日)
「くだらねえ~」。エンドロールが流れた瞬間、笑ってしまった。パロディー映画「日本以外全部沈没」(06年)を手掛けた河崎実監督が「2年前『日本沈没』の公開にぶつけて当たったので、今度は北海道洞爺湖サミットに便乗しました」という意欲作。地球存亡の危に手に汗握る1時間38分は、主演の加藤夏希をして「くだらない台本です」と言わしめた。
サミット会場の洞爺湖に近い札幌に宇宙怪獣ギララが出現し、各国の首脳を脅かす。東宝のゴジラ、大映のガメラが火をつけた怪獣ブームに乗って、松竹が1度だけ製作した67年の映画「宇宙大怪獣ギララ」を41年ぶりにリメーク。日活のガッパに並ぶ悲運の怪獣が当時の姿形で復活する。製作費が2時間ドラマの約半額ともいわれる中、チープ感たっぷりの特撮に仕上がった。
当初9月予定だった公開を、G8北海道洞爺湖サミットを狙って繰り上げた。世界経済からギララ退治に議題を移した各国指導者は地球を守れるのか? 日本の伊部首相(福本ヒデ)は職務の途中放棄というお約束。イタリアのピエトロ首相は「ローマ帝国の威信をかけた」という落とし穴作戦で大失敗する。フランスのソルコジ大統領(新婚)にいたっては、通訳の女性を口説いて会議を抜け、関係を持つ始末…。
河崎監督が皮肉り放題のラストは、ビートたけしをモチーフにした神様「タケ魔人」とギララが対決。「日本映画史上空前のスケール」(製作側)でバトルを繰り広げる。「くだらねえ~」は良い意味で。今夏の話題作で胃がもたれた人にお勧めです。【木下淳】
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