2008年4月06日
大パニックの最後に残る消化不良感
「クローバーフィールド HAKAISHA」(米)
すきっ腹、満腹での観賞は厳禁です。程よい具合で劇場に行きましょう。全編手持ちカメラなので揺れ通しです。大音量で座席もビリビリ、目線も胃袋もぐらんぐらん。「いやあ、酔ったな」と見終えると、もらったチラシにも「特殊な手法での映像なので、車酔いに似た症状を起こすかも」って警告が。最初に読んどけばよかった。
始まりは、ある青年(マイケル・スタール・デビッド)が日本へ転勤になるため、友人たちに開いてもらった送別会。パーティーの様子を撮る映像は、何の前触れもなく、唐突に、怒とうのように、謎の巨大生物に破壊されるマンハッタンの惨状に突入していくのです。
で、その巨大生物は何、ってことになるのですが、そこが素人さんのカメラ(あくまでも作品上ね)。視線はあっちこっち、定まらなくて大変。「そこ写して~」ってなもどかしさが募ります。でも、こんなパニックが起こったら、実際の視界はこのカメラの視界と同じくとても狭くて、情報も限られるのだろうと想像すると、恐怖も倍増といったところでしょうか。
感心したのは、カメラを持ち続けた執念。偶然「みんなのメッセージを撮って」と託された人物が、楽しさに目覚めてしまったのか、手離さないことといったら。ただ、興味本位なのぞき見趣味を発揮した時に、この人物への感情移入は微妙に。その後も「そこはカメラは置くだろう」と思う場面が多々。ジェットコースターみたいにあっという間にすべてが終わるんだけど、何だか消化不良な感じも否定できない、そんな作品でした。【小林千穂】
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