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<title>コラム_シネマ：この一本</title>
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<title>怪物より怖い人間の行動</title>
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<summary type="text/plain">「ミスト」（米） 　えたいの知れない恐怖が、ハリウッドの今の最大テーマと実感でき...</summary>
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<![CDATA[<h4>「ミスト」（米）</h4>

<p>　えたいの知れない恐怖が、ハリウッドの今の最大テーマと実感できるスリラーだ。恐怖の正体は霧。田舎町を突然深い霧が覆ってしまうのも怖いが、その中にもっと恐ろしい何者かが潜んでいて人間に襲いかかる。一見Ｂ級風だが、異常事態に直面した人間のパニック心理と不可解な行動にぐいぐい引かれていく。</p>]]>
<![CDATA[<p>　それもそのはず、原作はスリラーの第一人者スティーブン・キング。監督はフランク・ダラボン。このコンビの「ショーシャンクの空に」（９４年）「グリーンマイル」（９９年）は心温まる“非スリラー”でヒットしたが、３作目はキング本領のスリラーだ。</p>

<p>　霧に包まれた町で、主人公デヴィッドと息子はスーパーマーケットに閉じこめられてしまう。真っ白い闇も不気味だが、そこにシルエットのように映し出されるさまざまな怪物たちもおぞましい。公開中の「クローバーフィールド」はハンディカメラの視点から“恐怖の正体”が徐々に明らかになるが、こちらは霧の中から突然飛び出してきて驚かせる。前半は衝撃的な音で何度もドキッとさせる正統派恐怖映画でもある。</p>

<p>　だが、本当に怖いのは実はそこから。狂信集団を率いた中年女が神を説いて人々の信頼を勝ち得ていき、脱出をもくろむデヴィッドたちの障害になる。神を背負った人間が敵になる皮肉。そして最も恐るべき事態は最後に訪れる。絶望の果てに取った人間の行動。絶望こそが一番怖い…という充実コンビの結論にはうならせられた。【安永五郎】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>単純に「楽しかった」と言わせぬ構成の妙</title>
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<modified>2008-05-04T03:50:27Z</modified>
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<summary type="text/plain">「相棒??劇場版??」（日） 　００年の土曜ワイド劇場で相棒になってから９年。０...</summary>
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<![CDATA[<h4>「相棒－劇場版－」（日）</h4>

<p>　００年の土曜ワイド劇場で相棒になってから９年。０２年に昇格した連ドラは第６弾を数え、すっかり茶の間になじんだ杉下右京（水谷豊）と亀山薫（寺脇康文）が、銀幕に舞台を移して難解なヤマ（事件）を解決する。頭脳派の右京が爆発シーンに身を委ね、肉体自慢の薫はスタントなしで橋から川に飛び込み、不審なボートと水上バトル！　数年前からドラマと映画の境界線がなくなったと嘆かれているが、映画らしいスケールアップは頼もしい。</p>]]>
<![CDATA[<p>　物語はチェスの棋譜に沿って流れるように展開する。何重もの伏線が張られ、犯人にたどり着いたかに見せて、実はその手から真相がすり抜ける。このスリル感がたまらない。いつもなら「この先は？」と自分に置き換えて推理するが、今回は右京に任せっきり。「右京さん！」と指示を仰ぐ薫と同じ気持ちで前のめりになっていた。</p>

<p>　ドラマ版は時事ネタを丹念に盛り込むことで鮮度を保ってきた。今回の劇場版も、ネット犯罪や東京マラソン、数年前に「自己責任」の流行語を生んだ海外の拉致事件を取り入れた。それらが絡み合い、クライマックスで真犯人が動機をぶちまける場面につながると、現実に呼び戻される。いつもは傍観者を決め込むくせに「悪」と断定したら徹底的にたたく現代社会、マスコミ、国家に批判の矛先を向けている。スリリングな展開に目を奪われていたら、実は誰もが持つ「無言の悪意」に気付かされる仕組み。単純に「楽しかった」と言わせない構成が心憎かった。【木下淳】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）<br />
</p>]]>
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<title>父に思いをぶつけたシーンにやられた</title>
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<modified>2008-04-27T00:37:01Z</modified>
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<summary type="text/plain">「あの空をおぼえてる」（日） 　色彩が童話みたいにカラフルなこと、外国の小説が原...</summary>
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<![CDATA[<h4>「あの空をおぼえてる」（日）</h4>

<p>　色彩が童話みたいにカラフルなこと、外国の小説が原作になっていること、舞台になる家もアメリカンな感じなこと…。見た目は、どれもこれもまさに絵本の中みたいです。ただし、物語は、単なる絶望から再生へなんていう「絵に描いたようなお話」ではありませんでした。</p>]]>
<![CDATA[<p>　子供を亡くした父と母（竹野内豊、水野美紀）に、妹を亡くした兄英治（広田亮平）。表し方に違いはあるけど、３人ともが、家族の中で天使のようだった絵里奈（吉田里琴）が死んだことを認められなくて、本当に痛々しいのです。幸せだった時の思い出を差し挟みながら進んでいくので、童話のようなカラフルな家が、色を失う前と失った後がはっきり伝わってきます。この対比を出したくて、あんなにかわいくてカラフルな舞台にしたんじゃないんだろうけど。気持ち１つで、風景は華やぎもし、色あせるというのを見られたような…。</p>

<p>　とはいえ、再生物語ですから、希望を取り戻すんだろうという刷り込みがあって見たわけです。それでも終盤、英治が父に思いをぶつけたシーンにはやられました。１０歳の少年が吐露した気持ちは、物語を追ってきた私の疑問でもあり、気になって気になってしょうがなかったこと。一瞬、終わると見せて、大きな疑問をぶつけてくれたこと、そして、ボロボロだった父がまっすぐに受け止めたこと。この物語で感じた最大のカタルシスでした。【小林千穂】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>Ｍ・ケイン36年後は老作家役に“昇格”</title>
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<modified>2008-04-20T03:44:41Z</modified>
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<summary type="text/plain">「スルース」（米） 　俳優の変化や熟成を見るのはオールドファンには実に興味深い。...</summary>
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<![CDATA[<h4>「スルース」（米）</h4>

<p>　俳優の変化や熟成を見るのはオールドファンには実に興味深い。この映画は登場人物がマイケル・ケインとジュード・ロウのたった２人。老作家と若く魅力的な男のだましあい、先の読めないスリルが楽しい。アンソニー・シェーファーの原作は７２年に「探偵スルース」として映画化され、老作家に英国代表の名優ローレンス・オリビエ、若者をケインが演じて、だまされる快感を味わった。名匠ジョセフ・Ｌ・マンキウィッツ監督の傑作だった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　当時、若者だったケインが、今度は老作家として美形のジュード・ロウに脅かされるというのだから、時の流れは残酷というか、俳優の生命は長いというか。前作でオリビエはドシッと腰が据わって貫禄（かんろく）を見せたものだが、アブない青年だったケインは、老いてもどこかアブなさを感じさせるところが頼もしい。</p>

<p>　舞台となる一軒家は、前作の田舎の邸宅からハイテクで装われた豪邸に。青年の職業は美容師から俳優に変わっているが、ストーリーはほぼ同じ。作家の妻と通じているロウが家に乗り込んで「なぜ別れないのか」と迫り、ケインは「ぜいたく好みの妻を満足させることができるのか」と反撃。２人の虚々実々、火花を散らすような会話が深い。名優同士の芸、工夫が凝らされたセリフ、俳優の演技による映画は大人の味わいだ。中盤、２人合作の狂言泥棒から次々と状況が変わり、驚かせ、前作とは異なる予期せぬ結末へとなだれ込む。上出来の会話劇は、３６年を経て装いを変えても、やはり上質なサスペンスだった。【安永五郎】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>武勇伝排除、英雄の苦悩描く</title>
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<modified>2008-04-13T01:03:22Z</modified>
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<summary type="text/plain">「モンゴル」（ドイツ＝カザフスタン＝ロシア＝モンゴル） 　３週間前に映画担当とな...</summary>
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<![CDATA[<h4>「モンゴル」（ドイツ＝カザフスタン＝ロシア＝モンゴル）</h4>

<p>　３週間前に映画担当となったばかり。劇場に足を運んだのは何年ぶりだろうか。しかも、１人で映画館を訪れたのも初めて。でも、記念すべき初挑戦の映画評なので、せっかくならばとアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた世界的作品を選んだ。私事だが「モンゴル系の顔立ち」と言われることも選択理由の１つではあった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　浅野忠信ふんするテムジン（即位前のチンギスハン）がモンゴル帝国の英雄に上り詰める姿を描く。物語の９割以上がテムジン時代の話。即位後、東は中国、西はヨーロッパの地中海に至る世界史上最大の帝国を築いた武勇伝は語らない。描くは、馬に引きずられ、矢で射られて気絶し、愛する妻の強奪まで許した末に奴隷として異国に売り飛ばされる半生だ。テムジンの精神修行が延々と続く。</p>

<p>　前日、同じ題材の映画「蒼き狼」のＤＶＤを借りた。より「モンゴル」の観賞がドラマチックになったようだ。日本人キャストが日本語で表現する姿が、全編モンゴル語に挑んだ浅野をよりモンゴルの草原に溶け込ませた。そして、脇役の生きざまにはほとんど触れず、テムジンの苦行のみを徹底的にクローズアップした点に、八方美人的な構成が目立つ邦画とは違った、制作サイドの一貫性を強く感じた。</p>

<p>　とはいえ「蒼き狼」のアシストを受けても、他国の歴史への感情移入はなかなか難しい。それだけに、中国内モンゴル自治区で敢行されたロケに単身乗り込んだ、浅野の苦労が伝わってくる。【木下淳】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>大パニックの最後に残る消化不良感</title>
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<modified>2008-04-06T02:00:28Z</modified>
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<summary type="text/plain">「クローバーフィールド　ＨＡＫＡＩＳＨＡ」（米） 　すきっ腹、満腹での観賞は厳禁...</summary>
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<![CDATA[<h4>「クローバーフィールド　ＨＡＫＡＩＳＨＡ」（米）</h4>

<p>　すきっ腹、満腹での観賞は厳禁です。程よい具合で劇場に行きましょう。全編手持ちカメラなので揺れ通しです。大音量で座席もビリビリ、目線も胃袋もぐらんぐらん。「いやあ、酔ったな」と見終えると、もらったチラシにも「特殊な手法での映像なので、車酔いに似た症状を起こすかも」って警告が。最初に読んどけばよかった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　始まりは、ある青年（マイケル・スタール・デビッド）が日本へ転勤になるため、友人たちに開いてもらった送別会。パーティーの様子を撮る映像は、何の前触れもなく、唐突に、怒とうのように、謎の巨大生物に破壊されるマンハッタンの惨状に突入していくのです。</p>

<p>　で、その巨大生物は何、ってことになるのですが、そこが素人さんのカメラ（あくまでも作品上ね）。視線はあっちこっち、定まらなくて大変。「そこ写して～」ってなもどかしさが募ります。でも、こんなパニックが起こったら、実際の視界はこのカメラの視界と同じくとても狭くて、情報も限られるのだろうと想像すると、恐怖も倍増といったところでしょうか。</p>

<p>　感心したのは、カメラを持ち続けた執念。偶然「みんなのメッセージを撮って」と託された人物が、楽しさに目覚めてしまったのか、手離さないことといったら。ただ、興味本位なのぞき見趣味を発揮した時に、この人物への感情移入は微妙に。その後も「そこはカメラは置くだろう」と思う場面が多々。ジェットコースターみたいにあっという間にすべてが終わるんだけど、何だか消化不良な感じも否定できない、そんな作品でした。【小林千穂】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>旅と恋つなぐ手紙の妙</title>
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<modified>2008-03-30T01:33:37Z</modified>
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<summary type="text/plain">「マイ・ブルーベリー・ナイツ」（仏＝香港） 　ブルーベリー・パイにクリームが溶け...</summary>
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<![CDATA[<h4>「マイ・ブルーベリー・ナイツ」（仏＝香港）</h4>

<p>　ブルーベリー・パイにクリームが溶け出すＣＭにだまされてはいけない。甘いモノがＯＫな私でも「やり過ぎかな」と一瞬敬遠したくなるが、食べないと分からないのは映画も同じ。意外な甘酸っぱさやサクサクとした心地よい歯ごたえのような展開。一口ずつしっかりかみしめると、思わぬ深い味わいに驚かされた。</p>]]>
<![CDATA[<p>　物語はシンプル。失恋した女性（ノラ・ジョーンズ）が旅をして、カフェのオーナー（ジュード・ロウ）との恋に踏みだそうとしていく。テーマは「距離」。終始、距離の意味をしみじみと意識させられる。</p>

<p>　ニューヨークからメンフィス、ラスベガスと旅していく。女性は旅先で直面する出来事や素直な気持ちをオーナーに送り続ける。距離はどんどん遠ざかるのに、手紙というローテクな手段でオーナーとの距離をどんどん縮めていく。距離を立体的に見せる詩的な演出の数々は、センスとしかいいようがない。</p>

<p>　演出は「恋する惑星」「２０４６」のウォン・カーウァイ監督。香港出身で英語作品は初めて。スタイリッシュな映像と音楽で見せる才能は本作でももちろん、楽しめる。米国の象徴的な街が舞台の今回も、これまで多用してきたアメリカンミュージック。映像、音楽はやはりしっくりくる。感情を主張する今までの音楽も好きだが、物語を補完するような心地よさも悪くなかった。</p>

<p>　分かりやすい展開だけに、せっかちな人は旅の途中で寝てしまう危険も。旅は１時間３５分と短い。急がず、たまには素直に、センチメンタルな気分に身を委ねるのもいいかもしれない。【近藤由美子】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>不思議な存在感、金城だから出せた説得力</title>
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<modified>2008-03-23T00:11:32Z</modified>
<issued>2008-03-23T00:08:16Z</issued>
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<summary type="text/plain">「Ｓｗｅｅｔ　Ｒａｉｎ　死神の精度」（日） 　俳優金城武につかみどころがなく、生...</summary>
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<email>webmast@nikkansports.co.jp</email>
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<![CDATA[<h4>「Ｓｗｅｅｔ　Ｒａｉｎ　死神の精度」（日）</h4>

<p>　俳優金城武につかみどころがなく、生きた死神ぶりを楽しみました。金城演じる主人公の死神は、外見は人間そのもの。どこからともなく人間界に現れ、不慮の死を迎えるはずの人間を１週間観察します。「実行」すなわち「そのまま死ぬ」か、「見送り」つまり「死ぬ予定を変更して生きていく」のどちらかを判定します。観察といっても実際は対象者に接触し、心情を探っていきます。このまま死んでしまってもいいのだろうかと。ファンタジーとはいえ、普通に考えたらあり得ないキャラクター。ところが金城が演じると、もしかしたらどこかにいるかも知れないと思わせるから不思議です。</p>]]>
<![CDATA[<p>　もともと不思議な存在感を持つ俳優です。日本人の父と台湾人の母の間に生まれ、台北では日本人学校とアメリカンスクールで学びました。本格的な映画デビューは香港。日本では連続ドラマで人気を獲得。中国の巨匠とも仕事をして、ハリウッドでも認められました。金城は「一体自分がどこの国の人間か分からなくなることがあります」と冗談をよく言います。その無国籍ぶりが頭に残っていたせいか、この死神役が見ていて実にしっくりとなじむのです。</p>

<p>　突然、目の前に現れた不思議な男に、対象者たちは心を開いていきます。みな「何だか面白い人ですね」と変わった雰囲気に引きつけられて。生活感がなく、実体がつかみにくい。つかみどころのない金城の印象そのままが、この展開に説得力を与えているのです。</p>

<p>　正体不明の金城にはこれからも、架空のヒーローや特殊キャラをどんどん演じてほしいと思いました。【松田秀彦】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>コーエン兄弟のド直球作品</title>
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<modified>2008-03-16T00:38:35Z</modified>
<issued>2008-03-16T00:28:24Z</issued>
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<summary type="text/plain">「ノーカントリー」（米） 　コーエン兄弟といえば、悪夢と不思議世界がめまぐるしく...</summary>
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<email>webmast@nikkansports.co.jp</email>
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<![CDATA[<h4>「ノーカントリー」（米）</h4>

<p>　コーエン兄弟といえば、悪夢と不思議世界がめまぐるしく展開する「バートン・フィンク」とか、極限状態に陥った人間の本性や欲に泣き笑いしてしまった「ファーゴ」なんかが代表作。不条理なんて言葉がよく似合う。</p>]]>
<![CDATA[<p>　今作も確かに不条理という言葉が、頭に点灯した。ハビエル・バルデム演じる殺し屋シガーは、姿かたちからして不条理だ。髪形はきのこ、手には空気銃、背中には暗闇。シルエットだけで判別できる悪役キャラクターは、ダース・ベイダーとプレデターぐらい（もっといるか）。シガーは瞳も動かさないでどんどん殺していく。前をふさぐ者を殺し、手間をかけられれば殺し、コインの裏表にゆだねることも。殺される側からしたら、これ以上の不条理はない。</p>

<p>　しかし、見終わったあとの脳みそからは、点灯していた不条理という言葉はどこかに消えていて、何だか茫々（ぼうぼう）とした不安とやりきれなさが残り、乾いた風がぴゅーっと吹いた後のようだった。</p>

<p>　８０年代のテキサスが舞台で、トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官が、犯罪なんかについて「時代の流れは止められない」と言う。８０年代にテキサスのいち保安官が感じていた不安は本当に止まらず、東京の小さな映画館にまで流れ出てているのを感じた。</p>

<p>　場所を変え時代を移しながら起きる理解しがたい事件を見聞きし、それに慣れている自分を振り返ってみた。これって、ひとくせもふたくせもある作品をたくさん作ってきたコーエン兄弟のド直球作品だったんだ。【小林千穂】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>そうだ、インド行こう</title>
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<modified>2008-03-09T00:51:39Z</modified>
<issued>2008-03-09T00:10:48Z</issued>
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<summary type="text/plain">「ダージリン急行」（米） 　題名を見た時、ふと「オリエント急行殺人事件」を思い出...</summary>
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<![CDATA[<h4>「ダージリン急行」（米）</h4>

<p>　題名を見た時、ふと「オリエント急行殺人事件」を思い出し、殺人がらみのミステリーかと恥ずかしい勘違いをしてしまった。３兄弟がインドを列車で旅し、心の傷を癒やしていく再生のロードムービー。インドに思い入れはないのに、３兄弟とともに癒やされていく不思議な力に驚いた。</p>]]>
<![CDATA[<p>　旅を通して映る映像すべてがダイナミック。すべてを包み込んでくれるようなスケール感が心地よい。</p>

<p>　タージマハルなど壮観な観光名所は出てこない。靴磨きの少年に靴を持ち逃げされたり、幼い兄弟が川に流され死んでいく姿を目の当たりにする。３兄妹の体験を丁寧に描くことで、日常と非日常が入り交じる旅の醍醐味（だいごみ）がリアルに描き出されていた。</p>

<p>　エメラルドグリーンの車掌の征服、オレンジ色やコバルトブルーの列車の内装。あざやかな色彩が映像を彩る。音楽も然り。インド音楽はもちろん、ロックや「オー・シャンゼリゼ」までと幅広い。何でもありに見えるが、長旅で感じる感傷やウキウキ感を絶妙に演出。ダイナミックさだけの大味な映画に終わらない。</p>

<p>　３兄弟の個性が悠久の大地に負けていないから、さらに物語を面白くさせる。仕切りたがりの長男、寡黙な二男、長男にも二男にもいい顔をする要領の良い三男。車内で取っ組み合いのけんかもするが、やはり３人とも似た者同士。兄弟の大げんかが原因で列車を降ろされたのに、結束して石を投げつけるなど、切っても切れない兄弟の特性をうまくちりばめている。</p>

<p>　映画だけでもヒーリング効果が絶大だっただけに、３兄弟同様、次の「傷心旅行」はインドにしよう。と心に決めた。【近藤由美子】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>少女の“ダークサイド”も描写</title>
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<modified>2008-03-03T03:26:16Z</modified>
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<summary type="text/plain">「ライラの冒険」（日） 　「子供」は無邪気で天真爛漫（らんまん）で無垢（むく）。...</summary>
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<email>webmast@nikkansports.co.jp</email>
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<![CDATA[<h4>「ライラの冒険」（日）</h4>

<p>　「子供」は無邪気で天真爛漫（らんまん）で無垢（むく）。大人は決まりきったように言いますが、少し疑問です。自分を振り返ると、果たしてそうだったのでしょうか。今ほど「打算」を人間関係に持ち込んでいなかったと思いますが、子供なりの計算もあっただろうし、ウソもつけば、人をからかったり、イジメもした。ズル賢い面も絶対にあったはずです。</p>]]>
<![CDATA[<p>　この作品の面白さの１つは、子供が持つ“ダークサイド”も描いているところ。ヒロインの少女ライラはおてんばで、ウソをつくことが大好き。決していい子ちゃんでないところがいい。次々と訪れる危機を勇敢さで切り抜ける時もありますが、持ち前の“ウソ”に救われる場面もあります。ステレオタイプではなく等身大で描かれる子供が、友だちを救うために世界の果てまで乗り込んでいく展開に引き込まれます。</p>

<p>　私たちが生きる今の世界と違う、もう１つのパラレルワールド（並行世界）が舞台。冒頭から「教権」「真理計」「ダイモン（分身のような動物守護精霊）」など、なじみのない言葉や設定が当たり前のことのように進行していきます。考えてみれば、あの「スター・ウォーズ」だって、「フォース（理力）」やら「ジェダイ」など、独特の世界観をそのまま受け入れて楽しみました。こちらの作品も、取っ掛かりにくいと思わず、流れに身を任せれば自然に冒険に引き込まれていきます。</p>

<p>　もう１つ。主人公にとってダースベイダー的ポジションの悪女を演じるニコール・キッドマン。これ以上ない、はまり役です。【松田秀彦】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>上野樹里の表情にきゅいーん</title>
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<summary type="text/plain">「奈緒子」（日） 　はためく旗に海からの風、セミの声に波の音、フェリーの汽笛…。...</summary>
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<![CDATA[<h4>「奈緒子」（日）</h4>

<p>　はためく旗に海からの風、セミの声に波の音、フェリーの汽笛…。高校駅伝を描いた作品と聞いていたので、ちょっと苦手な「スポ根、青春」ものを想像していたのですが、いい意味で裏切られました。登場人物たちの心情に沿うような自然の音が心地よくて、かなり切なくて。</p>]]>
<![CDATA[<p>　陸上部のマネジャー奈緒子役の上野樹里、ランナーを演じた三浦春馬のセリフも少なく、その分、表情で見せています。口をとんがらせて「ぶ～」「うきゅきゅ～」と擬音語を連発していた「のだめカンタービレ」のイメージが強かった上野ですが、新境地と言ってもいいくらい。コメディエンヌの称号に加え、勝手に演技派を進呈したいです。台本にはきっと「…」が多かったんでしょうが、いろんな表情の「…」が。きゅいーんとします。</p>

<p>　途中の長回しも必見。奈緒子が東京から、小さな島へ来た日。笑福亭鶴瓶演じる陸上部監督の自宅裏にごみを捨てに行くシーンです。歩いて来る奈緒子。木々を見て、風を感じるように空を見上げる奈緒子をカメラがずーっと追っていきます。こういう感じ分かるなあ、分かる、分かるよってな感じ。奈緒子が子供のころに負った心の傷を知っているので、このシーンもまたツボなのです。ここでも、そよそよと吹く風の音が優しげに聞こえてきます。</p>

<p>　静かで切ない青春映画。青春まっただ中の人にも、かなり昔に青春を終えた大人の方にもおすすめです。【小林千穂】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>走るＬ自転車のＬ、ウ～ン…</title>
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<summary type="text/plain">「Ｌ　ｃｈａｎｇｅ　ｔｈｅ　ＷｏｒＬｄ」（日） 　女子中高生の間で「松ケン」と言...</summary>
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<![CDATA[<h4>「Ｌ　ｃｈａｎｇｅ　ｔｈｅ　ＷｏｒＬｄ」（日）</h4>

<p>　女子中高生の間で「松ケン」と言えば、松平健ではなく、松山ケンイチを指すらしい。「デスノート」は若き松ケンの名前を浸透させた出世作の１つ。熱い支持からスピンオフ企画が生まれて主役に出世したが、いろいろな意味で孤軍奮闘が光っていた。</p>]]>
<![CDATA[<p>　天才探偵Ｌ役は３作目。猫背やひざを抱えるようにして座る独特なしぐさ。「原作に似ている」と激賞される丁寧なキャラクター作りは、相変わらずホレボレする職人芸だった。</p>

<p>　今回は引きこもりの天才が外に出て全力疾走したり必死で自転車をこぐなど、隠れざる人間性に焦点を当てた。だが、孤高の天才ぶりがＬというキャラクターの最大の魅力。意図は分かるが、キャラを薄めることに納得できる展開にはあと１歩だった気がする。</p>

<p>　「デスノート」の見どころは、Ｌとキラ（藤原竜也）の息詰まる頭脳戦。一方、本作の敵はバイオテロ集団。菌力で瞬時に人が殺され、生死をかけたスリリングな駆け引きも少ない。</p>

<p>　「リング」の中田秀夫監督が３作目にして初めてメガホンを執った。人が叫びながら死ぬシーンでは、「リング」をほうふつとさせる場面も。スリリングな展開が持ち味の作品に微妙なホラー…。ハリウッドも認めるホラーの巨匠に中途半端な演出はもったいない。</p>

<p>　ベテランを多用したがキャラクターが濃すぎる感も。たとえば南原清隆のＦＢＩ捜査官役。お笑いのイメージが離れず、捜査官は仮の姿で実は悪役なのではと、最後まで勘ぐっていたほど。突っ込みどころは満載。そういった面から楽しむという手もある。【近藤由美子】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>小説とは違い味付けあっさり</title>
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<summary type="text/plain">「チーム・バチスタの栄光」（日） 　“手術”の成果に注目して見ました。原作はとに...</summary>
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<![CDATA[<h4>「チーム・バチスタの栄光」（日）</h4>

<p>　“手術”の成果に注目して見ました。原作はとにかくキャラクターが立ち、味付けは濃く徹底していました。主人公は、難易度の高い心臓手術の専門集団「チーム・バチスタ」を襲う、不可解な術中死の解明を命じられる医師。出世欲もなく病院内の人間模様をシニカルに見つめています。そして真相究明のため厚生労働省から派遣された役人に対する目線は、原作の大きな魅力でした。</p>]]>
<![CDATA[<p>　この役人はＫＹ（空気を読めない）なんて言い方はなまぬるい。目的達成のためには時に人の心を傷つけても構わないという怪物。あっけにとられ戸惑う主人公がとにかく面白い。</p>

<p>　映画は主人公の味付けを薄味にしました。設定を中年男から若い女性に変えました。竹内結子演じる医師は、おっとりとしたお人よし。だらしなく内またでふらふら歩き、話し口調もしまりがない。頼りない印象ですが、周囲を見つめる目線はあくまでやさしく繊細です。小説同様、阿部寛演じる破天荒な役人に振り回されます。ところがどうにもあっさりとした印象なのです。</p>

<p>　原作は主人公が「こいつだけは理解できない」「いいかげんにしろ」と感情的になっていきます。相手はそんな気持ちをことごとく踏みにじり、暴れ回ります。時折ユーモアも交えた葛藤（かっとう）が魅力でしたから、流されるままの印象が強かった映画に少し物足りなさを感じてしまいました。</p>

<p>　のめり込んで読んだ小説だけに、比べても仕方ないという意見もあるでしょうが、厳しい目で見てしまいました。【松田秀彦】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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<title>全世代に響く拓郎ソング</title>
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<summary type="text/plain">「結婚しようよ」（日） 　映画にはＲ１５とかＲ１８とか、年齢制限がある作品もある...</summary>
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<name>motai</name>


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<![CDATA[<h4>「結婚しようよ」（日）</h4>

<p>　映画にはＲ１５とかＲ１８とか、年齢制限がある作品もあることはご存じの通り。今作のチラシには小さく「Ｒ４５？　４５歳以上の人におすすめ」と書いてあります。というのは全編通して吉田拓郎の曲で満載だからでして。確かにタイトルになっている「結婚しようよ」をはじめ、７０年代前半の曲が多く、私だって「懐かしのあの名曲」です。でもＲ４５とは言わずＲ３５、いや、このさいＲは取っ払ちゃいましょう。全世代、全方向ＯＫです。</p>]]>
<![CDATA[<p>　主役の会社員香取（三宅裕司）は学生時代に歌手になる夢を持っていたが、今は家族をこよなく愛する父親。そんなキャラクター設定もあり、全編を途切れることなく拓郎ソングが流れます。ざっと２２曲。でもしつこくはまーったくなく、古さもぜーんぜん感じません。いい歌はいつの時代もいいってことなんだとしか言えないんですが、まあそういうこと。</p>

<p>　あとは、物語が今とこれからに焦点を当てているからでしょう。夢破れた会社員が主人公と聞くと「歌に再挑戦→頑張りすぎた歌唱シーン」という、こっちが恥ずかしくなる図式が思い浮かぶのですが、これは違います。長女（藤沢恵麻）と青年（金井勇太）の恋に、田舎暮らしを始める老夫婦、二女（中ノ森ＢＡＮＤのＡＹＡＫＯ）のバンド活動と、全部が前を向いているのです。押しつけがましい汗や涙、「昔は良かった」と言うだけのノスタルジックさはありません。</p>

<p>　名曲の数々が「結婚しようよ」の大団円へ収束していく感じもすてきです。【小林千穂】</p>

<p>（このコラムの更新は毎週日曜日です）</p>]]>
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