日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


プレシャス!宝塚のイメージ画像

夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

プレシャス!宝塚は以下のURLに移転しました。
(http://www.nikkansports.com/entertainment/column/takarazuka/)

最新記事はこちらから→

悲願「大恋愛物」成就/蘭寿とむ

13年8月15日 [09:21]

 花組トップスター蘭寿とむが、悲願の「大恋愛物」に臨む。兵庫・宝塚大劇場公演「愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ」「Mr. Swing!」は明日16日に開幕(9月23日まで)する。芝居「愛と-」では、フランス革命の最中、貴族令嬢と愛に燃える革命詩人を演じる。ハンブルクバレエ初の日本人女性ソリスト・大石裕香さんが振り付けを担当するダンス場面もあり、セクシーで熱い蘭寿の本領発揮となりそうだ。東京宝塚大劇場公演は、10月11日~11月17日。

公演へ向け、笑顔で意気込みを語った蘭寿とむ(撮影・田崎高広)
公演へ向け、笑顔で意気込みを語った蘭寿とむ(撮影・田崎高広)

 男役のダンディズムで魅せつつ、少年のように無垢(むく)に笑う。

 「ハンバーグ! すっごくおいしかったです!」

 7月29日に放送されたフジ系「SMAP×SMAP」に、蘭寿の大ファンだという女優北川景子と出演。「お肉、大好き」な2人のオーダーに応え、SMAPがハンバーグを作ってくれた。ハンバーグとは不思議な縁がある。「愛と革命-」は、ハンバーグの名前の由来となったドイツ・ハンブルクのバレエ団で名をはせた大石裕香さんが振り付けた場面もある。

 「念願の、宝塚らしい大恋愛物。(脚本・演出の植田)景子先生が書いてくださいました。大石さんの感性豊かな振り付けも素晴らしくて...。も~う! けいこ中から楽しんでいます」

 大石さんは、ハンブルクバレエ初の日本人女性ソリスト。全編振り付けではないものの「ダンスの花組」にとって、新たな挑戦だ。

 「(大石さんは)作品や場面、役柄を理解してくださって、おけいこ場で流れを見て、振り付けてくださる。デュエット・ダンスでも、本人たちから生まれるものを大切にしてくださる。感性が本当に素晴らしい。ちょっとした指の使い方、ニュアンスなどが」

 蘭寿が演じるのは、フランス革命の中、貴族にこびず、高潔に生きた実在の革命詩人アンドレア・シェニエ。イタリアの作曲家ジョルダーノが手がけたオペラ「アンドレア・シェニエ」をベースにしたミュージカルだ。貴族令嬢マッダレーナ(蘭乃はな)との愛、革命の闘士ジェラール(明日海りお)との三角関係も描かれる。

 「革命詩人ですが、マッダレーナと出会ってからの恋愛も描かれ、最終的には愛に生きる。革命政府の闘士であるジェラールもからんで...。最後はお楽しみ」

 いたずらっぽく笑う。植田氏の作品は11年6月のトップ就任以来、初めて。恋愛物といえば、12年1月の「復活」もそうだが、今回はさらに濃厚だ。

 「追いかけるのではなく、2人の思いが燃え上がるシーンがあるので、それだけでも幸せ。魂で恋をする。愛に生きるという夢の世界。大恋愛物。そりゃあ、宝塚に入ったからにはやりたかった。今回、大きなセットで、LEDのライトを浮かび上がらせて...セットも魅力的なんですよね」

 言葉の端々に喜びがあふれる。蘭寿演じる革命詩人は愛に真摯(しんし)だ。

 「貴族から求められても『詞の女神がおりてこないと私はうたえない』『貴族の奴隷じゃない』って言ってしまう。不器用でも、信念を曲げない強い意志、まっすぐな思いを強く出していきたいな、と思います」

 今回、情景描写のひとつとして黒い天使(柚香光)、白い天使(冴月瑠那)が登場する。この振り付けも大石さんが担当し「この振り付けは、技術的にも高度ですが、うまく心理描写として進んでいくんです」。楽曲は全編オリジナルになるといい「聴いているだけで心が揺さぶられる美しい曲も、力強い曲もあります。曲も大きな力のひとつだと思います」と明かした。

 熱い魂の芝居の後は、クールで情熱的なショーが控える。「幕開けはスーツ姿の男役だけのナンバー。ヤンさん(元花組トップ安寿ミラ)の振り付けです」。瀬戸かずや、芹香斗亜、柚香光が役がわりで女役にふんし、蘭寿と組む。

 「それぞれ表情やニュアンスが違うので面白い。娘役とも全然違う。けいこでは(相手が)間違えて2人で手を出し合って『置く方でしょ』ってこともある」

 組の活性化も感じる。今作は、月組から移籍した明日海りおの本拠地初公演。明日海は、組のいい刺激のひとつだ。「(明日海は)内面からわき上がるものを大事にしてお芝居する。かけあっていて楽しい。下級生も(明日海を)食い入るように見ています」。

 多忙な中、オフはドライブで気分転換。「車を走らせることが好き。高速を最長5時間ぐらい走ることもある」そうだ。蘭寿の役柄は、最後まで愛を貫く。では、蘭寿の愛はどこに? と水を向けると「宝塚!」。即答だ。「今も宝塚に恋しています」と続けた。来年の100周年へ、愛する仲間と愛する舞台を作り続けていく。【村上久美子】

 ◆ミュージカル「愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-」~オペラ「アンドレア・シェニエ」より~(脚本・演出=植田景子氏)イタリアオペラ「アンドレア・シェニエ」をベースにしたミュージカル。実在の革命詩人アンドレア・シェニエ(蘭寿)と貴族令嬢マッダレーナ(蘭乃)との恋、マッダレーナへの思いを胸に革命の闘士として闘うジェラール(明日海)。3人の人間ドラマを軸に描く。

 ◆ショー・オルケスタ「Mr. Swing!」(作・演出=稲葉太地氏)クールで情熱的、躍動感がテーマ。

 ☆蘭寿(らんじゅ)とむ8月12日、兵庫県西宮市生まれ。武庫川学院を経て、96年「CAN-CAN」で初舞台。花組配属。01年「ミケランジェロ」で新人公演初主演。06年4月、宙組へ異動。09年2月「逆転裁判」シリーズ主演。一昨年4月、花組へ戻りトップ就任。同6月「ファントム」でお披露目。昨年はトルストイの名作「復活」、今年は「オーシャンズ11」など大劇場作のほか、6~7月に、東急シアターオーブで「戦国BASARA-真田幸村編-」などに主演。身長170センチ。愛称「とむ」。

このコラム記事には全0件の日記があります。

プレシャス!宝塚の最新記事





日刊スポーツの購読申し込みはこちら