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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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フェルゼン凱旋/壮一帆

13年4月04日 [11:33]

 雪組の新トップスター壮一帆が、6度目の「ベルサイユのばら」で、初めてフェルゼンを演じ、主演する。公演は「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」として、兵庫・宝塚大劇場で今月19日に開幕(5月27日まで)。壮と、娘役新トップ愛加あゆの本拠地お披露目公演となる。入団18年目のキャリアを生かし、トップや名作の重圧も自然体で受け入れ、新生雪組をけん引する。東京宝塚劇場は、6月14日~7月21日まで。

「ベルサイユのばら-フェンゼン編」への思いを話す主演の壮一帆(撮影・加藤哉)
「ベルサイユのばら-フェンゼン編」への思いを話す主演の壮一帆(撮影・加藤哉)

 快活、いや、豪快と表現してもいい。「アハハハ」と笑った。「初めて見たあっ! こんなの」。トップ就任後、初の本拠地公演を前にした取材会。集まった大勢の報道陣を見ての第一声だ。すでに、2月に中日劇場公演「若き日の唄は忘れじ」で、トップコンビのお披露目はすませた。

 「(トップ就任後は)集中する時間、気を張っている時間が長くなった。充実して楽しかったし、しっかり食べていましたけど、やせましたから。『トップになったら、やせるよ』とは言われていましたけど、やっぱりそうだなって」

 入団18年目のキャリアでも、想像以上の緊張感だった。もっとも壮のキャラクターは変わらない。いたずら好きな性分も不変だ。

 「いたずら、最近やってない。でも、立場的にやめようとは思ってはいません! むしろ、続けたい。私を分かってくれる子もいるので、ドン引きされないだろうし、公演が始まったら、何かやろうと(笑い)」

 関西出身でお笑い、いたずら好き。トップになっても「いたずらっ子継続宣言」だ。気心の知れた雪組への復帰だからでもある。昨年までは花組で、トップで同期の蘭寿とむを支えてきたが、7年ぶりの古巣へ凱旋(がいせん)。大劇場お披露目が、劇団の代表作ともいえる「ベルばら」だ。

 「けいこに入り、伝統ある作品の重みを感じる毎日です。でも、言い続けていますが、プレッシャーは越えなければいけない壁」

 自身6度目のベルばら。うち3回、貴族の軍人・オスカルを慕う平民のアンドレを演じたが、今回は初めて、マリー・アントワネットと道ならぬ恋に落ちる貴族フェルゼン役に臨む。

 「アンドレとは、平民と貴族という明確な違いがある。その差を、声の質やセリフの言い回しに乗せて表現しないと。歴代フェルゼンを演じてきた方の資料を見て参考にしています」

 コスチュームプレイだけに、外見も重要な要素だ。

 「あの宮廷靴! 窮屈です(笑い)。脚をそろえて立つと、グラグラしてしまう。宮廷服が多いから、けいこ着も、足元がすっきり見えるように気を使っています。立つときも、座るときも、きれいなラインに見えるように。ベルばらは、究極の様式美ですから」

 ベルばらは、74年の初演時、俳優の故長谷川一夫さんが演技指導に入り、歌舞伎流の見えの切り方など、宝塚男役の型の原点を作ったとも言われる。

 「男役の原点のあり方を、自分が後輩に見せていかなきゃいけない。そういうプレッシャーもありますよ。その世界観を経験したか否かで、すごく差がある」

 幸いにも雪組では、06年にも上演。今回、マリー・アントワネットを演じる娘役新トップ愛加の世代までが、ベルばら経験者だ。

 「娘役としての経験を積んでいるとはいえ、やはりマリー・アントワネットは大変な役。でも、たくさんダメ出しをもらっても、的確にこたえていく姿が頼もしい」。2人で、鳳蘭がフェルゼン、初風諄がフランス王妃を演じた公演映像を見た。

 「私はまず、自分がどういう姿勢で舞台に立つ姿を見せるか。みんな、けいこが終わっても帰らない。私を穴が開くほど見ている。それは、心地いい緊張感。『どうだ! 見ろ!』って感じです(笑い)」

 堂々と自分を出す。自然体。私生活でも同じだ。「自分の時間がなくなるので、オン、オフをはっきりさせ、オフを充実させようと、外を歩いてみたり」。オフは、梅田などへ、洋服や雑貨を買いに行く。

 「この間、梅田に(公演の)ポスターがあって、その前を『これ、私で~す』とか言いながら、歩いていた。電車の中づり広告の下で、写真を撮ったことも」

 兵庫・川西生まれで、入団前、電車で劇団員らに会っていた。「それが地域に根付いた劇団の良さ。私は、今も電車に乗るし、声を掛けられたら『そうですよ。見に来てください』と言います。話し掛けてもらう分には、ウエルカム! 1人でも多くの方が見に来てくれたら」。"自遊人"トップ率いる新生雪組が船出する。【村上久美子】

 ◆ベルサイユのばら-フェルゼン編-(原作=池田理代子氏、脚本・演出=植田紳爾氏、演出=鈴木圭氏)74年に初演された劇団史上最大のヒット作。革命に揺れる18世紀のフランスを舞台に、オスカルとアンドレ、フェルゼンとマリー・アントワネットの2組の恋人を中心に描く。プレ100周年の今年、1月には月組がオスカルとアンドレ編を上演、今回は、新トップスター壮一帆率いる新生雪組がフェルゼン編として公演を行い、壮は、王妃と恋に落ちるスウェーデン貴族を演じる。

 ☆壮一帆(そう・かずほ)8月7日、兵庫・川西生まれ。96年3月「CAN-CAN」で初舞台。花組に配属。00年、ベルリン公演に参加。01年に雪組へ異動し、同年「愛燃える」で新人公演初主演。02年「ホップ・スコッチ」でバウ初主演。06年、本拠地公演、全国ツアーのベルばらに出演、同年末に花組復帰。08年10月の全国ツアー、09年9月の本拠地でもベルばらに出演。昨年末、雪組へ戻りトップ就任。今年1月の月組公演にも特別出演し、自身3度目のアンドレを演じた。16年9カ月でのトップ就任は劇団最長記録。身長170センチ。愛称「So」。

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