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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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ツンデレ王子/十碧れいや

12年11月29日 [10:57]

 星組6年目の若手男役、十碧れいやが、ミュージカル「めぐり会いは再び2nd~Star Bride~」新人公演(12月4日=兵庫・宝塚大劇場)で初主演する。今回の星組公演は同ミュージカルと、和物ショー「宝塚ジャポニズム~序破急~」、レビュー「エトワール・ド・タカラヅカ」の3本立てで、新人公演ではミュージカルとレビューを上演する。十碧はレビューでも、星組トップ柚希礼音のパートを踊る場面もある。東京宝塚劇場は、来年1月24日に行われる。

入団6年目で新人公演初主演のチャンスをつかんだ十碧れいやは表情をコロコロ変えながら抱負を語った(撮影・築山幸雄)
入団6年目で新人公演初主演のチャンスをつかんだ十碧れいやは表情をコロコロ変えながら抱負を語った(撮影・築山幸雄)

 初めての新人公演主演。吉報を受けると、喜びの涙が止まらなかった。

 「うれしすぎて、やっぱり泣いちゃいましたね。はい、涙もろいと思います。でも同時に不安も出てきて。どうしよう? ちゃんとしなくちゃいけないって」

 話しながら、表情がよく変わる。素直な人だ。幼稚園からバレエを習い、バレリーナ志望だった。だが、高校1年のとき、宝塚を初観劇して、夢が一変した。

 「名古屋から、おばが大劇場へ連れてきてくれたんです。2階席から前のめりになって見ていました。すぐに(宝塚音楽学校を)受験しようと決めました」

 自分を「不器用」と分析するが、集中力と粘り強さには自信がある。「要領がよくないので、これ! と決めたら、コツコツと集中してやっていくタイプです」。バレエの素養はある。歌を基礎から1年間学び、宝塚音楽学校に合格した。

 「それでも当初、歌に苦手意識があって。お芝居は、音楽学校の2年間で初めて本格的に学んだのですが、すごく好きでした。違う自分になれるし、役を考えているとワクワクします」

 6年目で得た大役。今回は、ささいな言い争いから結婚破棄の危機に陥る青年貴族と、領主の娘の恋を描く。演じるのは貴族役だ。

 「私、今までは落ち着いた役が多かったんです。今回は、今どきの言葉でいうと『ツンデレ』。お客さまがキュンとされるキャラクターだと思うので、そのあたりを表現できたら」

 初体験のキャラクターで、役者としての幅が広がることを自身に期す。おりしも上級生が抜けた星組は、若手の抜てきが続く。十碧より1学年上の真風涼帆は、本公演でトップ柚希、2番手の紅ゆずるとからむ場面も多い役柄を得ている。

 「私も1年ほど前までは、群舞でも後ろの方だったのに、今回は前の方で! いつの間に? って...。みんな活気づいています」

 後輩も増え、先輩としての自覚が芽生え、周囲への目配りにも努める。けいこ場で、居残りで練習する下級生を見つけると、アドバイスもする。「逆に、私が気づかされることも。まっすぐに与えられたことに向かっていく姿勢とか」。若さゆえの勢いから、星組のパワフル度が増しているように感じる。「下級生たちはやる気満々。舞台にも余興にも、何にもやる気満々ですもん」と笑う。余興は、公演合間の息抜きでもある。

 「公演にちなんだミニ芝居を作って楽しんでいます。終演後、みんなで集まって。体力ですか? あはは! 楽しいからできるんでしょうね」

 星組は、トップ柚希からも若さ、勢いがあふれる。

 「(柚希は)存在感がすごい。下級生だけで自主げいこをしていて、ちえさん(柚希)が入ると、もう! 真ん中の方のエネルギーってすごい...と。一瞬で空間を埋めてしまう。ちえさんの踊りの場面など、体の動きはもちろん、集中力、目ヂカラに圧倒されます」

 新人公演のレビューでは、本公演での柚希のパートを担当する場面もある。けいこに集中し、心地よい疲れに包まれる日々。心身のケアにも余念がない。

 「グリーン・スムージー(緑黄色野菜のシャーベット状のジュース)にはまって毎朝飲んでいます。少しでも体に良さそうな物をできる限り」。精神的には、映画でリフレッシュする。

 「お休みがあれば、映画を見ます。最近は(シリーズ最終作の)『踊る大捜査線』を。しっとりした映画も、洋画も韓流も好き。おけいこが早く終わったり、ちょっとでも暇があれば行っちゃいます」

 そしてもうひとつ。十碧を癒やす物がある。星組だから、というわけではないが「星」を見ることだ。

 「全国ツアーの移動日、みんなで新潟の山に遊びに行ったときに、初めて流れ星を見たんですよ。感動してしまって。あれって、いつか宝塚でも見られるんじゃないかなって。あのときは、願い事する間もなかったので、多分私は、今日も、明日も、歩きながら、空を見ています(笑い)」

 未来のスターが、星に願いを-。見上げるその先には、満点の星空のような輝きがある。【村上久美子】

 ◆ロマンティック・ミュージカル「めぐり会いは再び2nd~Star Bride~」(作・演出=小柳奈穂子氏) 昨年、同じ星組で上演された「めぐり会いは再び」の続編。紆余(うよ)曲折を経て婚約した貴族の息子ドラント(十碧)、領主の娘シルヴィア(妃海風)は、結婚式前夜に再び、言い争いからけんか別れ。結婚式はどうなるのか...。恋の騒動をコミカルに描く。

 ☆十碧(とあ)れいや 4月14日、名古屋市生まれ。子どものころからバレエを習い、07年の星組公演「さくら/シークレット・ハンター」で初舞台。同年、星組に配属。昨年4月、アシックス社のシューズCMに、星組選抜メンバー(真風涼帆ら)とともに出演。今作「めぐり会いは再び2nd」で新人公演初主演。身長175センチ。愛称「れな」「ポコちゃん」。

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