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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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芽生えたプロ意識/明日海りお

11年3月21日 [11:23]

 月組トップ霧矢大夢が野獣を演じる「ミュージカル バラの国の王子」(4月11日まで、兵庫・宝塚大劇場)で、期待の男役スター明日海りおは、筆頭家臣の虎を熱演している。さわやかな素顔とは正反対の虎。入団9年。役者として体調管理への意識もより高まり、「温め食材」のしょうがを欠かさない。肉体同様、その心も熱く燃えている。東京公演は4月29日~5月29日まで。

笑顔でインタビューに答える明日海りお(撮影・和賀正仁)
笑顔でインタビューに答える明日海りお(撮影・和賀正仁)

 霧矢演じる野獣王子の筆頭家臣・虎を、さわやか系の明日海が演じている。虎といっても、猛獣の着ぐるみではなく、タキシード姿。手に虎をかたどったパペットのような物を持っているだけだ。

 「ふり(動き)で虎らしく威嚇したり、表現したりしてるんですけどね」

 今作「バラの国の王子」は「美女と野獣」が題材。虎の動きについては、インターネットの動画画像などで生態、特徴を調べて演技に取り入れている。入団9年。これまでにない形で、役作りに励んできた。

 「苦労するのは、人間の時も演じているので、虎になったときの違いを、どう出せるか、ですね。そこがほんと、難しいです」

 口調とは裏腹。ほほ笑んだ表情に、積み上げてきた自信がかいま見える。08年「ミー・アンド・マイ・ガール」では娘役のジャッキーを演じ、昨年の「スカーレット・ピンハーネル」では、2年先輩の龍真咲との役代わりも経験した。

 「ジャッキーで娘役をさせていただいたとき、新人公演ではビルという主人公の青年でした。娘役の難しさを経験したからこそ、男役の楽しさを気付くことができた。意識としては、大きく変わりました」

 違った角度から公演に取り組み、劇団員というより、役者としての視界が開けたという。龍との役代わりもさらなる転機になった。龍は、新人公演時代(入団7年まで)からずっと背中を追ってきた先輩だ。

 「龍さんの進んで行かれるスピードは速すぎるのですが、頑張って追って、すごく勉強させてもらっています。龍さんは、舞台に対してピュアで、ホット。けいこでも、取っかかりから(月組で最も)勢いがあって、見習いたいなって思っています。私はエンジンかかるのが遅いので」

 手本になる先輩が身近にいることは、励みにも、刺激にもなる。研究生(入団7年)を卒業して2年。劇団員として、「役者」という言葉を考えるようにもなった。プロ意識だ。舞台での演技、表現力に磨きをかけることはもちろん、私生活でも意識が変わった。

 「最近は、とくに野菜を多くとるようになりました。ねぎは嫌いだったんですが、のどにいいと聞いたので食べるようにしてます。ほかには、体を冷やさないように、料理にしょうが混ぜてみたりとか。ちょっとしたことの積み重ねがとても大事だと思うようになりました」

 夜、自宅では入浴後、筋肉をほぐすストレッチを欠かさない。

 「肩こりも、声に影響するんですよ。出演前に体温を上げるため、風呂に入ったりとか、朝ご飯、エクササイズも欠かさないように。公演前にそういう時間をとれるようになったことは、ありがたいことなんですよね」

 7年目までの研究生時代は、舞台準備などもあり、開演前に余裕はなかった。いまは手に入れたその時間を有意義に使うことが、責任を果たすことになる。

 「マイしょうがじゃないですけど、丸ごと買ってきて、家だと、しょうが紅茶にして飲んだりもします。すり下ろしして、いろんな料理に入れられるようにもしてますね」。

 体内の温度が上がれば免疫力もアップ。体調管理だけではなく、けが予防にもつながる。最大限のパフォーマンスを見せるため、睡眠は時間だけでなく、質にもこだわる。さわやか王子の心は熱い。【村上久美子】

 ◆ミュージカル バラの国の王子 仏作家ボーモン夫人が18世紀半ばに書き、詩人ジャン・コクトーが映画化した「美女と野獣」をもとに、舞台化。ディズニー映画や、各劇団でも題材として扱われる。魔法で野獣に変えられてしまった王子と、心優しい娘との恋愛物語。宝塚では、55年にも取り上げられている。今作では、原作の古典精神に返り、人間味あふれる物語として「麗しの魔物」を主人公に展開していく。

 ☆明日海(あすみ)りお 6月26日、静岡市生まれ。静岡雙葉中を経て03年「花の宝塚風土記」で初舞台。08年1月「ホフマン物語」でバウホール初主演。同4月「ミー・アンド・マイ・ガール」で新人公演初主演し、本公演では女役ジャッキー。09年3月バウホール公演「二人の貴公子」で龍とダブル主演。身長169センチ。愛称「みりお」。

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