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2011年2月08日

“ポスト・イーストウッド”の挑戦は続く

 監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」が高い評価を受けたベン・アフレックが、2作品目となる「ザ・タウン」の日本公開を前にインタビューに応じてくれました。全米で最も犯罪率の高い街として知られるボストンのチャールズタウンを舞台に、銀行強盗犯たちの生きざまを描いた同作は、ドラマ、アクション、ロマンスと盛りだくさんの重厚な作品です。

 ベン自らが演じる銀行強盗のリーダーは、犯罪から抜け出そうと思いながらも仲間を裏切れず苦悩の日々を過ごしていた矢先、人質の女性と予期せず出会い、そして恋に落ちてしまうことで人生が変わり始めます。「表面的に強盗を描いたストーリーでありながら、その核心にあるのは人間の葛藤という点が興味深い。犯罪都市で暮らす主人公の苦悩、とりわけ、人生を変えたいと願いながらも育った環境によってそこを抜け出せない点は、観客も共感できるはず」と、ベンは語っています。

 今作も前作同様に故郷ボストンへのこだわりが随所に表れています。チャールズタウンはもちろんのこと、ほぼ全編がボストン近郊で撮影され、松坂大輔が所属するボストン・レッドソックスの本拠地で大リーグ最古の球場として知られるフェンウェイ・パークなど名所も多数登場しています。「やっぱり育った街ボストンには深い思い入れがあるんだ。よく知っている場所だから撮影もやりやすいしね。僕は全然飽きないけど、そろそろ観客は飽きてしまうかもしれないから、次回作は羽を伸ばしてどこか別の場所にしようと思っているけどね(笑い)」。

 監督、主演を同時にこなすのは今作が初めて。「監督は予算や時間のことなど全体の流れを常に考えてコントロールしなければならないけど、自分が演じる時はそういったことを全て忘れて役者として演技に集中しなければならない。そこが難しかった」と振り返ります。一方で、まだ監督2作品目ながら、派手さはなくてもリアリティーにこだわった演出や人間模様を丹念に描く手腕は高い評価を受けています。そんなベンを、同じく俳優出身のクリント・イーストウッドと比較し、“ポスト・イーストウッド”と評するメディアもあるほど。

 同作を観たというクリントは、あるインタビューで「彼は素晴らしい仕事をしている」と語っており、後継者としての活躍が期待されています。「クリントは僕のことは知っていると思うけど、恐縮してしまう。クリントはレジェンドで、素晴らしい作品をたくさん作っている雲の上の人。僕はまだこれが2作品目で、そんな偉大な人と比べられるのは恥ずかしいよ。もう少し自分に近い世代の人と比べて欲しいな」と、あくまで謙虚です。

 オスカーのノミネート発表直前のインタビューということで、話題は自然にオスカーにも及びました。「僕自身や作品がノミネートされるかどうかは正直どうでもいいけど、ジェレミー(ジェレミー・レナー)はとても素晴らしい演技だったから、オスカーにノミネートされたらと願っているよ。ぜひ日本の賞にもノミネートしてよ(笑い)」。その言葉通り、先月25日に発表されたアカデミー賞で、強盗犯の1人を演じたジェレミーは昨年の「ハート・ロッカー」に続いて2年連続での助演男優賞ノミネートとなりました。

 これからも俳優、監督業を続けていきたいというベンは現在、親友マット・デイモンの初監督作品での脚本執筆や、主演作の準備などにも取り掛かっているそうで、今後さらなる活躍が期待できます。

 「ザ・タウン」は5日から日本全国で公開中です。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)


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ハリウッド直送便
千歳香奈子(ちとせ・かなこ)
 1972年、札幌生まれ。92年に渡米しシアトル大学付属語学学校に入学。93年サンタモニカ大学に入学し、写真を専攻。95年に同大学を卒業後、ロサンゼルスでテレビのコーディネーターなどを経験。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月から、ロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。2008年1月末に学研より新書「ハリウッド・セレブ」を出版。
公式HPはこちら

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