日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの芸能ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2009年10月27日

大人気「リアリティー番組」の背景にあの大事件が…

 「気球少年」として一躍日米メディアの注目を集めた事件は、意外な結末を迎えたことは周知の通り。ことの発端は、15日にコロラド州に住むヒーニー家から、「6歳の息子が手製の気球に乗ったまま飛ばされてしまった」と通報があったこと。その後は全米のメディアを巻き込んだ大捜索の末に、少年は実際には気球に乗っていなかったことが判明。後に少年が、「ショーのためにやった」とテレビの取材で語ったことから、両親によるヤラセだったことが判明したのです。

 近年の米国では、素人がテレビ番組に出演して私生活をさらす「リアリティー番組」が大人気。この背景が、この事件を引き起こしたのです。少年の両親は、妻を2週間交換して生活する「ワイフ・スワップ」なるリアリティ番組に出演した経歴を持っており、今回の騒動も、家族のプライベートを新たにリアリティー番組に売り込むための自作自演の狂言だったのです。

 数年前には無人島で共同生活を送る「サバイバー」という番組が大ヒットしましたが、今では夫婦交換に、甘やかされて育った子供を再教育するナニー(乳母)の奮闘を描く「ナニー911」や、双子と六つ子の8人の子供を抱える夫婦の私生活に密着した「ジョン・アンド・ケイト・プラス・エイト」など、素人が出演する様々な趣向のリアリティ番組が製作され、人気を博しています。その内容も年々過激になるばかりで、最近では今年1月に体外受精で8つ子を出産したシングルマザーのナディア・スールマンが、子育てに奮闘する様子を放送するリアリティー番組もスタート。今年6月に急死したマイケル・ジャクソンの子供たちが父親の死を乗り越える過程に密着する番組の製作も噂されるなど、リアリティー番組の需要は尽きないようです。

 セレブではない一般人が、一夜にしてセレブになれてしまうのが、テレビの怖いところ。まさに今回の「気球少年」の両親がそうだったように、自分達がテレビに出て有名になり、大金を稼ぐためには何でもする人が増えていることに警鐘を鳴らす人も出ています。エンターテインメント誌のインタビューで、あるリアリティー番組のプロデューサーは、「まさにこの事件は私が恐れていたことが現実になった」とコメントしています。ハリウッドセレブ並みの名声や世間の注目を集める代わりに、何も知らない幼い子供たちが犠牲になることへの警告ともいえるでしょう。実際に「ジョン・アンド・ケイト」では、夫婦のプライベートのみならず、8人の幼い子供たちをもカメラが追いまわし、「虐待」との批判の声もあがっているほどです。

 今回の事件の両親は、ハリウッドの学校で演劇を学んでいたことも判明し、当初は見事に被害者になりきっていましたが、ついにはその化けの皮がはがれてしまいました。しかし、自分たちの売名行為のために、幼い子供を利用する今回のような事件はまだまだ起きる可能性があるでしょう。

 子供の母親が日本人だったこともあり、日本でも大々的に報じられたこの事件。両親は共同謀議、未成年の非行ほう助、虚偽の通報などの罪など何らかの刑事責任が問われることは間違いありません。しかし今後は、米国のテレビ番組のモラルも問われることになるでしょう。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

ハリウッド直送便
千歳香奈子(ちとせ・かなこ)
 1972年、札幌生まれ。92年に渡米しシアトル大学付属語学学校に入学。93年サンタモニカ大学に入学し、写真を専攻。95年に同大学を卒業後、ロサンゼルスでテレビのコーディネーターなどを経験。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月から、ロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。2008年1月末に学研より新書「ハリウッド・セレブ」を出版。
公式HPはこちら

最近のエントリー






日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 芸能
  3. コラム
  4. ハリウッド直送便

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/PA SportsTicker Inc

ここからフッターナビゲーションです