2008年8月05日
パパラッチ規制論噴出だが…道のりは遠い?
パリス・ヒルトン、ブリトニー・スピアーズ、リンジー・ローハンらお騒がせセレブを追いかけるパパラッチ。彼らの過熱報道ぶりは年々増すばかり。90年代前半にはハリウッドを拠点にするパパラッチは20人程度でしたが、今や300人とも400人とも言われるパパラッチが日々、ハリウッドセレブを追いかけています。
そんなパパラッチの過熱報道は、数々のトラブルも引き起こしています。パパラッチに追いかけられたセレブが、交通事故を起こしたり、パパラッチと乱闘騒ぎになったり…。そのため、セレブが多く暮らすロサンゼルスではパパラッチを規制しようという声があがりはじめています。
ロサンゼルス市議会は、パパラッチに年中追い回されているブリトニーの名前をとった通称「ブリトニー法」を提案し、パパラッチを規制しようと動き出しました。先月末には、警察、芸能関係者、地元当局らを集めて意見交換会も開かれ、規制に向けた動きも活発化しています。
会合を主催したデニス・ザイン市議は、「パパラッチは獲物を狙う狼。(ロサンゼルスに)大混乱を引き起こし、罪のない一般市民にも危害を加えている」とコメント。この発言の裏には、パパラッチに追われるセレブを護衛するためにロサンゼルス市警察官が動員され、その警護に多額の税金が使われていることがあげられます。例えば、ブリトニーが自宅で問題を起こし、病院に運ばれた際は、多くのパパラッチが自宅や病院に集まったため、ブリトニーを病院に同行するための警護に2万5000ドルものお金が使われたといわれています。
一方で、合衆国憲法の定める「言論の自由」があるため、パパラッチを規制する法律の立案は困難なのも事実。現時点では、セレブの自宅や私有地などに不法進入して撮影しない限り、歩道や道路、ビーチ、公園など公の場での撮影は罪に問われることはありません。そのため、パパラッチがセレブの写真を撮る行為そのものは、なんら問題はないのです。
規制を叫ぶ声が高まる中、ロサンゼルス市警察のウィリアム・ブラットン本部長は、規制に反対を唱えている人物の一人。「セレブがお行儀を良くすれば問題の9割は解決する」と発言。最近はお騒がせセレブの面々がおとなしく、メディアを騒がす奇行から遠ざかっていることに対して、「ブリトニーもちゃんと服を着るようになり、パリスは旅行でロスを離れているし、リンジーはレズビアンになったらしいから、あまり問題がないようだ」などと発言し、物議を醸しています。この発言に最初に噛み付いたのはリンジー。「レズなんていわれる筋合いはない」と激怒。場外バトルに発展しそうな勢いです。
パパラッチとは、もともとはイタリア映画「甘い生活」(60年)に登場するゴシップ専門カメラマンの名前パパラッツォが語源と言われています。イタリアでは50年代後半から、街に有名人の写真を撮るゴシップカメラマンが出没しはじめており、後に彼らをパパラッチと総称するようになったのです。
1枚のスクープ写真に数千万ドルの値がつくといわれる現代、多くのパパラッチが一獲千金を狙い、セレブをつけ回しています。また、スクープ写真でなくても、1枚の写真を複数のメディアに売ることで大金を稼げる仕組みができているため、パパラッチは増え続ける一方の昨今。
インタビューしたあるパパラッチは、「1枚の写真で5000ドルを稼ぐのは簡単。でも、経費も自分持ちだし、噂や信憑性のないネタに踊らされて何も撮れなければ時間もお金も損する。世間が思っているよりもずっと稼ぎは低い」と説明。また、パパラッチ=ハイエナのイメージが強いですが、「私は至近距離からやみくもに撮影したりはしない。彼らの行動を制限しないように、ある程度の距離を置いて撮影している。そうすることで、相手も敬意を払ってくれて、おいしい写真を撮らせてくれるんだ」と話していました。
パパラッチとセレブはある意味、持ちつ持たれつの関係であるこも事実。パパ
ラッチ規制法立案までは、まだまだ遠い道のりのようです。
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- 千歳香奈子(ちとせ・かなこ)
- 1972年、札幌生まれ。92年に渡米しシアトル大学付属語学学校に入学。93年サンタモニカ大学に入学し、写真を専攻。95年に同大学を卒業後、ロサンゼルスでテレビのコーディネーターなどを経験。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月から、ロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。2008年1月末に学研より新書「ハリウッド・セレブ」を出版。
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