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原功(はら・いさお) 1959年(昭34)4月7日、埼玉県深谷市生まれ。日大法学部新聞学科卒業。82年、ベースボール・マガジン社入社。以来18年間「ボクシング・マガジン」の編集に携わり、88年から11年間同誌編集長。現在はWOWOW「エキサイトマッチ」の構成などを担当。著書に「タツキ」「ボクシング 名勝負の真実・日本編/海外編」ほか。

内山、粟生のライバル王者...ブローナー

12年2月01日 [10:53]

 130ポンド(約58・9キロ)を体重上限とするスーパーフェザー級は現在、WBAタイトルを内山高志(32=ワタナベ)、WBCタイトルを粟生隆寛(27=帝拳)が保持している。世界戦5連続KO勝ちの内山、2階級制覇の粟生とも充実期にあるが、この2人に勝るとも劣らない高い評価を得ている選手がいる。

 対抗団体WBOのチャンピオン、エイドリアン・ブローナー(22=米)である。この俊英は近い将来、内山や粟生の最大のライバルになる可能性を秘めている。

 米国ミズーリ州セントルイス出身のブローナーはアマチュアで300戦以上の経験を積んだあと、2008年5月に18歳でプロに転向。ここまで22戦全勝(18KO)の快進撃を続けている。元6階級制覇王者オスカー・デラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションズの後押しがあるとはいえ、みごとな戦績である。KO率(約82%)は内山(18戦全勝15KO=約83%)に匹敵する高さだ。左フックを中心としたパンチ力は特筆ものだが、スピードとテクニックも群を抜いている。日本が誇る技巧派の粟生と比較しても遜色ないレベルといえる。

 もともと高い注目を集めていたブローナーだが、一気にブレークしたのは昨年のことだった。3月に元世界王者ダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)を破ってトップ戦線に浮上し、6月には世界ランク上位の常連ジェイソン・リッツォー(米)を衝撃的な初回TKOに屠ったのだ。そして11月には王座決定戦を3回KOで制してWBO王座を獲得し、内山や粟生と肩を並べる地位についた。

 天才的な勘を生かした俊敏な身のこなしから、最近では「フロイド・メイウェザー(米=現WBC世界ウェルター級王者/5階級制覇)の再来」という最大級の形容を授かるほどだ。耐久力や競った戦況でのスタミナなど、まだまだ試されていない部分があるものの、末恐ろしい逸材であることは間違いない。

 WBOは日本ボクシング・コミッション(JBC)非公認団体だが、チャンピオン同士の統一戦に限ってはJBCも認める方針を打ち出している。当の内山、粟生とも他団体チャンピオンとの統一戦だけでなく海外進出も視野に入れている。そうしたことを考え合わせると、近い将来の日米の頂上決戦実現は決して夢ではないのである。日本のファンも「エイドリアン・ブローナー」の名前を覚えておいて損はないだろう。

 ちなみにブローナーの初防衛戦は2月25日(日本時間26日)、出身地セントルイスでWBO1位のエロイ・ペレス(25=米、26戦23勝7KO2分け1無効試合)を相手に行われる予定だ。

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