日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2010年6月07日

立正大・南昌輝/ドラフトリポート

 「ハンカチおやじのドラフトリポート」。第6回は立正大・南昌輝投手です。

 「ヨッコラショ」と言わんばかりのかつぎ投げ。中学2年までは捕手だったというのもうなずける。コンパクトなテークバックから繰り出される速球は最速151キロ。今春、立正大は東都リーグの最下位。入れ替え戦で青学大に敗れ秋から2部転落も、南がドラフト1位候補であることは間違いない。

minami-rissyou-0607.jpg

 初めて見たのは2年春のリーグ戦。「立正大に西口2世がいる」。そんな声を耳にしてハンカチおやじはワクワクしながら神宮に出かけた。ところが、タイプはまったく違った。西口が柔なら南は剛。先輩は細い体をムチのようにしならせてキレ味鋭い直球、スライダーを投げる。一方、後輩はガッチリした体格から力強いボールをビシビシ投げ込む。高校(県和歌山商)、大学の先輩後輩だから「西口2世」…。(まだ南を見たことがない人へ。西口のイメージで南を見るとビックリするので念のため)

 4年春までの通算成績は37試合に登板して15勝14敗、防御率2・15。シーズンごとの成績は以下の通り。

    試 勝-敗  回   安  振 四死 責  防御率
1年秋 2 1-0  2・1   2  3  1  0   0・00
2年春 7 4-2  38・1  26  28 15  6   1・41
2年秋 7 2-2  35    27  36 18  9   2・31
3年春 7 2-5  47・2  29  44 22  15   2・83
3年秋 5 3-0  31・2  18  27  7  3   0・85
4年春 9 3-5  63    50  49 28  19   2・71
  計 37 15-14  218  152 187 91  52   2・15

 これを見て分かることがある。15勝14敗という数字が物語るように好不調の波があることだ。一番良かったのは3年秋。シーズン序盤は調整不足からか登板機会が少なかったが、途中から大車輪の活躍。3勝、防御率0・85でチームを初優勝に導きMVP、最優秀投手に。神宮大会でも好投し日本一に輝いた。

 一方、今春はシーズン通してフル回転したが、試合によって好不調がはっきりした。1安打完封したかと思えば4回持たずKOされたりと、プロのスカウト陣も頭が痛かったに違いない。

 この原因をあるスカウトはこう分析してくれた。
 「体が大きくなりすぎた。それが一番の原因。それとチームに頼りになるピッチャーが1人しかいないので慎重になりすぎた。目も前の試合に全力投球すればいいのだが、1回戦に登板して勝っても2回戦を落とせば3回戦でまた投げなければならない。チームのことや先のことを考えすぎて本来のピッチングができなかったのでは」。

 このスカウトが一番に挙げた南の体だが、3年時までは77キロ。それが今春の「神宮球場ガイドブック」では85キロまで増えている。もちろん太ったという感じではなく、たくましくなった印象なのだが、投手というのはデリケートな生き物。もちろん体重が増えればスピードや球威は増すのだろうが、制球やキレに微妙に影響が出てもおかしくはない。元巨人の桑田投手が若かりしころ、上半身を鍛えマッチョになった。しかしバランスが崩れたのか調子を落とした。元の体に戻して復調した例もある。絶好調だった昨年秋のイメージで投げても結果が出ない。南にとっても苦しいシーズンだったはずだ。

 またスカウトによって評価が違う。これも南の特徴だ。ドラフト1位候補だけに、ほとんどのスカウトが高い評価を与えているのだが、中には疑問符を付けるスカウトもいる。投手出身のあるスカウトによれば、かつぐようにして投げる独特の投球フォームが気になるという。「左足が着地した時点で右腕が腰より上に来てしまっている。これでは下半身の力を生かせない。上半身に頼ったフォームだから良い時、悪い時の差が激しいのでは。故障の原因にもなる」。

 日刊スポーツ出版社から出ている「アマチュア野球・斎藤世代始動!」に南のフォームの連続写真が掲載されている。確かに左足が着地するかなり前から右腕はトップの位置まで上がってしまっている。踊るような、よく言えば躍動感あふれるフォームだが、バラつきも出やすい。そんな印象を受けた。

 じゃあ、ハンカチおやじの評価はどうなのだ? う~ん。いろんなスカウトの話を聞けば聞くほど、南というピッチャーが分からなくなってしまう。これが現時点での本音。ただ、ハマった時のピッチングは確かにすごい。4月27日の国士舘大戦では変化球が決まらず四苦八苦も、ツーシームとフォーシームを巧みに投げ分け1安打完封してしまった。馬力、スタミナも中大・沢村と甲乙つけがたい。大当たりか、それとも…。1年後、プロで投げる姿を見るのが楽しみでならない。

 ◆南昌輝(みなみ・まさき)1989年(平元)1月18日生まれ、和歌山県出身。県和歌山商時代は甲子園出場なし。3年夏は3回戦で海南に0-1で敗れた。立正大法学部に進学し1年秋のリーグ戦でデビュー。2年春からエースとして活躍し3年秋には立正大を創部60年目で初のリーグ優勝に導く原動力となった。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆ハンカチおやじ 1985年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在はニッカンスポーツ・コムの編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ハンカチおやじ」は一人息子が佑ちゃんと同じ1988年生まれということから。177センチ、70キロ、右投げ右打ち(関係ないよ~)。
※皆さんからのご意見、注目選手情報などをお待ちしております!

(おまけ)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

コメントする



公開されません



コメントを書くには日刊スポーツIDでログインしてください。日刊スポーツIDについてはこちら

矢島彩「アマ〜い野球ノート」
矢島彩(やじま・あや)
 1984年、神奈川県生まれ。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代からアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。今春、めでたく都内の大学を卒業したが就職はペンディングし、今年も大好きな野球を追いかける。取材先の監督さんたちからは「若いころの(失礼!)薬師丸ひろ子に似てるね」と言われ、かわいがられているようだ。大好物のオムライスをお腹に詰め込んで、今日も球場に行ってきま~す!

最近のエントリー





野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. 矢島彩「アマ〜い野球ノート」

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです