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2011年2月14日

総合技術…創部6年目で甲子園切符

 総合技術(広島)は、創部6年目で甲子園切符を手に入れた。野球どころの広島で、普通の県立高校が強豪入りしていく道のりを紹介する。

 広島県三原市、広島空港から車で20分ののどかな町並み。05年、本郷工(広島)の閉校後に、同地に総合技術が開校した。賀茂(広島)の生活科学科など近隣の高校や学科が吸収・集約され、現在は工業系、商業系、家庭系の3系から成る。グラウンドはサッカー部などと共用で照明設備もない。済美(愛媛)、遊学館(石川)など近年、短期間で甲子園出場を決めたのは私立ばかり。総合技術は、いたって普通の県立高校だ。

 小田浩監督が同校への異動を知ったのは、開校直前の3月下旬だった。小田監督は広島商時代に内野手として82年夏の甲子園で準優勝。順天堂大を経て、西条農(広島)でコーチ、監督として3度の甲子園出場を果たした。そのあと進学校の海田(広島)へ赴任し、7年目の04年秋には秋季県大会でベスト4入り。さあ、これからという矢先の出来事だった。

 「新しい学校(総合技術)に野球部はあるんですか?、と校長先生に聞いたら、わからないです、でした(笑)。とにかく冷静にならなきゃと自分に言い聞かせていました」。

 1期生は入部当初21人いた。ジャージ姿の部員、休みはいつかと聞いてくる部員、さらにグラウンドの土もほとんど整備されていない状態で連日草抜きだった。「つらかったときもありました…」と、当時を思い出す。

 「本来であれば野球の技術以外の形、礼儀などから作っていくべきかもしれませんが、もう結果を残すことしか浮かばれる道がなかったんです。創部1年目だからとか気にしていられませんでしたね」。

 これまでと同じ練習メニューを課した。中学時代の硬式野球経験者は1人もいない。フリーバッティングで球拾いもした。練習試合では審判にバットをベンチへ引くのが遅いと何度も注意を受けた。8月、海田の引退した3年生を相手に「ようやくゲームになるようになってきた」。

 「初めて気がついたんです。ああ、結果が出ると自然と形もできるようになるんだと」。

 西条農時代は形からチーム作りをしていたという。意識して逆を突いたわけではないが「いろいろなアプローチの仕方があるんだ」と指導を見直すいいきっかけになった。

 練習はいたってシンプルだ。負けるときは凡ミスが多い。それならば平凡なミスをしないよう基礎を繰り返すのみだ。主将の重舎塁捕手(2年)も「特別な練習とかオリジナルなものもありません」と話す。

 「勝つために選択し、集中してやっているだけです。高校野球は2年半しかありません。リスクマネジメントを考えながら短い期間でやるべき優先順位をつけて選んでいく」。

 なお、コーチの高柿健さんは野球部を指導する傍ら、中小企業診断士としても活躍している。高校野球で勝てるチームを作るために、どうチーム運営していくべきか。技術以外にも経営学の視点でサポートする。まるで“もしドラ野球部”だ。

 小田監督は野球部の指導者になりたくて教員採用試験を受けたのではない。先生(体育)になれればいいと思っていたそうだ。それがまさか農業高校、進学校、新設校と、あらゆる環境を渡り歩き結果を残すことになろうとは…。

 「負けず嫌いではあるけど、こうであるべきとかこだわりがないからどんなところでも対応できるのかもしれませんね。僕にはこれといった指導モットーがないですからね」。

 この日の練習は内野・外野ノック、走塁練習、フリーバッティング、タイム走だった。小田監督が大きな声を出す場面はほとんどなかった。(つづく)

(ノート)


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矢島彩「アマ〜い野球ノート」
矢島彩(やじま・あや)
 1984年、神奈川県生まれ。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代からアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。今春、めでたく都内の大学を卒業したが就職はペンディングし、今年も大好きな野球を追いかける。取材先の監督さんたちからは「若いころの(失礼!)薬師丸ひろ子に似てるね」と言われ、かわいがられているようだ。大好物のオムライスをお腹に詰め込んで、今日も球場に行ってきま~す!

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