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2010年12月06日

東洋大・藤岡は負けず嫌いの塊だ

 東洋大の藤岡貴裕投手(3年=桐生一)は、今年の大活躍で来年のドラフト目玉候補に急浮上した。まるで負けず嫌いの塊りのような左腕だ。

 世界大学野球のテレビインタビューのとき、緊張して質問に答えることができなかった。リーグ戦の囲み取材でもボソボソっと話す。「しゃべるのが苦手」と、今でも慣れない。おとなしく控えめなイメージがあった。

 しかし、か細い声とは逆に、内に秘めるものは強くて熱いものがあった。「変わり者って言われます。ピッチャーっぽいんです。負けず嫌いなんで」と自分を分析する。

 今年1年はリーグ戦12勝、8完封の抜群の成績を残した。飛躍の原動力はチームメイトの存在。

 「東洋には藤岡っていうピッチャーもいるんだぞ、と一度は知ってもらいたかったんです」。

 入学直後、藤岡は部内で最も評価の高い即戦力ルーキーだった。オープン戦で社会人チーム相手に勝ち星を重ねていたからだ。だが、リーグ戦で先に脚光を浴びたのは内山拓哉投手(3年=浦和学院)だった。1学年先輩の乾真大投手(4年=日本ハム3位)も絶好調で「どんどん僕の影が薄れていった。目立つところがなかった」と悔やんでいた。2年までは中継ぎやリリーフが多かった。

 ふと2010年の戦力構成を想像したとき、乾が1戦目で自分は2戦目だろうと思った。それでも藤岡は納得がいかなかった。

 「1戦目のほうが1つの勝ちの大きさが違う。相手のエース級とも投げ合える。自分が1戦目を投げたい」。

 当時から乾と一緒に練習する機会が多かった。熱心な練習姿勢を尊敬していたが、自分も乾に負けていないことを高橋昭雄監督に見てもらいたかった。2年から3年にかけての冬は、人一倍走りこんだという。下半身が鍛えられたことでスムーズな体重移動になり、今まで以上に力のあるストレートを投げられるようになった。

 今年の春、完投を目標に掲げた。これまで1度しか完投経験がなかったからだ。案の定、藤岡が任されたのは2戦目。

 しかし、開幕の立正大戦で4安打完封し「お!」とびっくりした。続く亜大戦でも6安打完封。「おや・・・まさか・・・」。自分でも信じられない。「3完封したら、周りに知ってもらえるかな?がむしゃらにやるだけだ」。すると国学大も4安打に封じ込めた。

 「このころからエースの自覚が出てきた。周りは乾さんがエースだと思っていたかもしれないけど、自分の中では負けられない気持ちが強かった」。
 
 リーグ優勝に貢献し、MVPを獲得した。続く大学選手権でもMVPの活躍を見せて日本一に輝く。秋季リーグは2位に甘んじたとはいえ、6勝を挙げて最優秀投手賞とベストナインを受賞。「色々なことがありすぎて、だけどとても充実していた」。超がつくほど負けず嫌いな男が、ついに主役としてスポットライトを浴びた。
 
 左腕からの最速150キロとキレのあるスライダーが注目を浴びているが、フィールディング能力も高い。高橋監督も守備範囲の広い藤岡に「おい!そこまで守らなくていい!」と、よく叱る。思いきり腕を伸ばしてしまったせいでグラブに打球が当たり内野安打になったこともある。

 「ピッチャーが捕らなくてもいい打球にも、体が反応して手が出てしまうんです。グイっと自分の手を引ければいいのですが・・・。来年は引けるかなあ(苦笑)」。

 高校時代は野手を兼任していた。フィールディングには自信がある。密かにバッティングも大好きだ。1年時の明治神宮大会で2打席凡退し、そのリベンジを狙っている。藤岡にとって神宮大会は「打席に立てる喜びを味わえる」大会として特別な思いを持つ。

 「来年は選手権も神宮にも出たい。たくさん投げたいと思います!」。

(ノート)


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矢島彩「アマ〜い野球ノート」
矢島彩(やじま・あや)
 1984年、神奈川県生まれ。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代からアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。今春、めでたく都内の大学を卒業したが就職はペンディングし、今年も大好きな野球を追いかける。取材先の監督さんたちからは「若いころの(失礼!)薬師丸ひろ子に似てるね」と言われ、かわいがられているようだ。大好物のオムライスをお腹に詰め込んで、今日も球場に行ってきま~す!

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