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2009年9月01日

高校野球・アジアAAAレポート~後編

 韓国戦はナイター! テレビ中継もあり、1点を争う好試合になりました。

 ところで、ネット裏にはメジャーのスカウトもたくさん来ています。アジア圏在住の方が多いですが会話はもちろん英語。大会運営側も英語ペラペラです! 私は単語を並べるのが精いっぱい…。最後はだいたい笑みを振りまいてごまかしていました。日本からはソフトバンク、オリックス、横浜が視察に来ていました。

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韓国少年野球チームはカラフルなユニホームばかり!

 試合開始が近づくにつれ、お客さんも増えてきます。三塁側はたくさんの少年野球チームが応援に駆けつけていました。韓国は代表メンバーの7割がプロへ行くというドリームチーム。体型勝負ではないものの、平均身長181センチ、79キロと日本よりひと回り大きく圧倒されました。

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試合前セレモニーでハイタッチする筒香内野手と森監督

 日本はエースのキム・ヨンジュ投手(3年=天安北一)の立ち上がりを攻めます。1番指名打者・高野桂内野手(3年=前橋商)が二塁打で足がかりを作ると、暴投で先制点を挙げます。高野選手はこの日唯一のマルチ安打をマークしました。そしてベンチは大盛り上がり。常に声を張り上げているのは京屋陽内野手(3年=二松学舎大付)と西村祐希捕手(3年=春日部共栄)。さらに三塁コーチャーの日向野久男コーチ(栃木工監督)です。試合前ノックもとても軽快で、キャッチャーフライもほぼ垂直に上げていました。

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先制のホームを踏んで喜ぶ高野選手(右)

 日本の先発は真下貴之投手(3年=東海大望洋)でしたが、毎回走者を背負う苦しいピッチング。試合展開が遅かったため、何度も球審に「早く投げて!」と注意されていました。カーブとこの日最速136キロのストレートとのコンビネーションで要所を締めるピッチングが続きます。あるスカウトは「テークバックが窮屈そうだけど素材はいい」と、印象を話していました。

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先発した真下投手は粘りの投球を見せました

 同点で迎えた5回に5番・神田直芸(なおき)左翼手(3年=真岡工/捕手登録)の適時打で再逆転。ここで韓国はムン・ソンヒョン投手(3年=沖岩)へ投手交代。このムン投手の緩急の前に日本打線は9回途中まで1安打に抑えられてしまいます。なお、ムン投手は後に大会MVPを受賞します。

 2-2の9回。時刻は22時近くになり、気温は20度くらいまで下がり肌寒いです。マウンドには2番手の渡辺貴仁投手(3年=高崎商)。四球の走者を置いて4番のキム・キョンド外野手(3年=徳寿)にサヨナラ打を浴びてしまいました。キム外野手は仲間からタンクに入った飲料水で祝福を浴びていました。

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ムン・サンチョル三塁手(3年=培明)/183センチ、74キロ。右投げ右打ち

 バネのような体で軽快なフットワークを見せていました。三塁からの強肩、確実なスローイング。出塁するとリードを大きくとって揺さぶりをかけてきます。一塁到達4秒14(遊ゴロ)と俊足。韓国代表では3番打者ですが、高校ではチーム事情で4番を打っているそうです。見た目はまるで信号機のよう。赤青黄色の配色通り3拍子そろった好選手でした!
 
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ベンチ前で気合いを入れる日本

 日本は3位に終わり、国際大会の難しさを痛感した大会でした。試合によって変わるストライクゾーン。早く試合を進めたがる日本の高校野球のような球審と、長い間合いをとっても何も言わない球審と、それぞれに対応できず困惑している選手もいました。投手陣はいつものリズムで投げられず、全体的に四死球も多かったです。

 しかし、一番はモチベーションの差。韓国は選手の帽子に手書きで「V3」と書いてあり、大会に対する強い思いを感じました。パンフレットの顔写真名鑑も日本とスリランカだけ代表ユニホームではありませんでした。また、国内では全力疾走でもそれを怠る選手が多かったのも残念でした。

 森士監督は「準備不足、実戦不足。すべてにおいて力不足。ただ、もっと日本の高校野球らしいところを見せないと」と反省点を述べていました。

(ノート)


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コメント:7件

矢島さん、AAAレポートお疲れ様でした。
AAAを取り扱うメディアは少なく、非常に参考になりました。

正直いうと、この結果に憤りを感じています。日本と韓国の違い。それはAAA大会をどういう大会だと位置づけているかでしょう。韓国の高校野球事情は良く分かりませんが、ここ最近の台頭ぶりを見ると、こういう国際大会でも勝利を目指すことと、自国の野球発展のために真剣に取り組んでいる印象が分かります。韓国の高校野球は野球学校になってしまってつまらないと酷評する人もいますが、現状、国際大会になるとこれほど差がついているのですから、理想論もいえる余裕はない。やはりプロ・アマの関係を緩和していかなければならないでしょうね。最近、プロと大学選抜の試合が決まり、緩和する傾向がありますから、今後に期待したいですね。

高野連もAAAに臨む考え方を変えないとダメでしょう。だいたい関東選抜だけというのが疑問に思いました。別に選ばれた選手が悪いというわけではありません。ただ関東だけではなく、全国の球児たちをしっかりと厳選して選んでもらいたかった。少なくとも今回の代表メンバーを上回る球児たちはいるのですから。
国際大会になるわけですから、用意周到に準備しなければなりません。今回の戦いぶりを見ると、寄せ集めという印象しかありません。それでは勝てないでしょう。

今年、日本はWBC二連覇を果たしましたが、数年後は彼らが主役となります。このままでは大きな差をつけられて、負けてしまうのではないかという不安もあります。WBCに負けた後に、韓国と日本の取り組みの違いを述べていては遅い。今からでも、メディアが高野連の取り組みを批判しないといけないのではないでしょうか。私だけではなく、この結果に不満を持っている方は多いと思います。ただ一個人がそのことをいっても何の影響もありません。メディアが主張しなければならないと思います。

投稿者 プライセス : 2009年9月01日 11:43

プライセスさん
韓国は01年から、台湾も04年から木製バットを採用し
いち早く国際大会(当時は五輪)への対応に着手していました。
そして当時の選手たちが、WBCや五輪で主力を担い活躍しています。
両国は世界を意識して国全体で野球を発展させようとしていますよね。
韓国は06年と08年のAAA世界野球大会に続く優勝です。
結果も出し、日本は危うい立場だと思います。

今大会、日本の選手は夏の予選敗退後に代表入りしていることを聞かされています。
8月第3週に初めて顔を合わせ、翌週に千葉で合宿を行い
大学と2試合実戦を組んだそうです。準備時間が短すぎます。
そのため関東中心のメンバーになってしまったと想像します。
このような状態で結果を求められるのも厳しいです。
しかし、韓国も合宿期間中にプロ野球ドラフト会議があり
代表メンバーの明暗はくっきり分かれました。
不安定な精神状態のなかでも4戦全勝と素晴らしい結果を残し
改めて今大会に対する意識の高さを実感しました。
なお、韓国メディアは「青少年野球のアジアナンバーワンを決める大会」と紹介しています。

投稿者 矢島 : 2009年9月01日 21:26

矢島さん、私のコメントにレスしていだたきありがとうございます。
韓国、台湾はそんなに早くから国際大会に向けて、対応を着手していたのですか!?
これは驚きです。

それを考えると、高野連もいち早く木製バットを採用・・・といきたいところですが、そうもいかないようですね。木製バットにすると、金属より打球は飛びませんし、どうしても小技の野球になってしまいます。高校野球は野球をあまり知らない人、純粋に野球が好きな人が多い。ホームランなど打ち合いは素人受けしますから、どうしても小技中心の野球になってしまうと、つまらないわけですからね。だから木製バットにするわけにもいかない。ただ韓国、台湾が国際大会に向けて、早く対応に着手して、そして結果を出しているわけですから、対策を考えなければならない段階に入っていますね。

準備期間が僅か2週間あまりですか。去年の北京五輪と同じようなことをやっていますね。しかもプロと違って、高校生は木製バット、国際大会のルールに慣れていないんだから、もっと早く準備をしなければならないのに、それじゃ負けて当然ですよね。
高野連はこの負けをきっかけに考えて欲しいと思いますね。

投稿者 プライセス : 2009年9月03日 09:59

行ってきましたよ、韓国へ。

私は日本対韓国は、夜ホテルのテレビで観戦。
2-1でリードしていたので、このまま行ければと思っていましたが、
同点にされて、さらに9回裏で逆転。
日本は試合後半のチャンスを物にできなかったのが、痛かったですね。

翌日は日本対台湾を球場へ見に行きました。
あまりにヒットがでないので、「にっぽんがんばれ~」と
声援されている方がいらっしゃいましたね。保護者さんかしら。

矢島さんのを読んで知りましたが、最初の日本対台湾でも、ほとんど打てていなかったのですね。

さらに次の日は日本対中国を見に行きました。
昨日までとはうって変わって、スコアブックが書ききれないくらいのヒット。
気が付くと先発全員安打、全員得点になって28-0で勝っていました。

矢島さんのレポートはこの試合についてはあまり触れられていませんが、ご覧にならなかったのでしょうか?

帰国してから知りましたが、エース白村君は腰を痛めていたのですね。
でも最終回(コールドだから5回)に打者1人を三振に打ち取れたことはよい思い出になったことでしょう。

この大会を、今後日本で開催することがあるといいですね。
世界と戦う姿はWBCのように夢を与えてくれると思います。

PS 矢島さんともお会いしてみたかったです。

投稿者 世代最強 : 2009年9月03日 22:45

プライセスさん
スモール野球も豪快な打ち合いも、ファンにとっては魅力がありますね。
また木製バットは高価なものですので、経済的にも導入は難しそうです。
筒香選手でも芯に当てるのに苦労しているように見えました。
中川選手も上手くカットしながら対応しようとはしていましたが
なかなかとらえることができていませんでしたね。
ライナー性の打球は、1、2本だけでした。
(※予選の韓国、台湾戦での感想です)
今回の結果を踏まえ、次の大会でどんなチームを編成するのか
今からとても気になります。

世代最強さん
日本-韓国はお互いに辛抱のイニングが続きましたね。
決勝リーグの台湾戦も完封負けでしたね…。
予選の台湾戦も1イニングに集中打が出ただけでした。
今大会、台湾には手も足も出なかったということですね。
最初の2日間も日本から応援に来られた方を見かけました。
空港からのアクセスが良いせいか、荷物を持ったままでした。
私は最初の2日間で帰国したのですが、28得点にはびっくりです。
本塁打無しでの記録ですよね?!この打棒を予選でも見たかったです。
金属バットを採用している日本で、木製バットの大会を開催する可能性は低いかもしれません。
しかし、上で野球を続ける選手は、アジア全体のレベルが高くなっていることを
高校生のうちから知っておいて損はないと思います。

投稿者 矢島 : 2009年9月04日 21:47

ああ、やはり中国戦はご覧になっていらっしゃらなかったのですね。

今までに5回コールドという試合を何度か見てきましたが、28点というのは最初で最後でしょう。
確かにホームランは出ていません。
中国側は9人が2回ずつしか打順が回ってこなくて、日本は5~6回まわってきましたからね。

出場した選手から間接的に聞きましたが、「台湾のピッチャーがすごくよかった。」「韓国はメジャーリーグに行く選手もいてレベルが高かった。」という声が聞こえてきました。
世界との違いを肌身で知ることができたのはきっと将来に繋がることでしょう。

またたまに遊びに参ります。これからも素敵な観戦レポートよろしくお願い致します。

投稿者 世代最強 : 2009年9月08日 14:01

世代最強さん
28点というスコアはなかなか見られないかもしれませんね。
韓国にもメジャーへ行く選手がいたのですか?
台湾にはカブスと契約している選手が2人いました。
大学進学の選手は日米や世界大会を経験する機会もあるので
ここでも他国の野球を感じ取ってほしいと思います。

投稿者 矢島 : 2009年9月12日 22:49

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矢島彩「アマ〜い野球ノート」
矢島彩(やじま・あや)
 1984年、神奈川県生まれ。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代からアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。今春、めでたく都内の大学を卒業したが就職はペンディングし、今年も大好きな野球を追いかける。取材先の監督さんたちからは「若いころの(失礼!)薬師丸ひろ子に似てるね」と言われ、かわいがられているようだ。大好物のオムライスをお腹に詰め込んで、今日も球場に行ってきま~す!

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