日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2009年8月12日

常葉橘、1通の手紙から始まった初勝利物語

<全国高校野球選手権:常葉学園橘2-0旭川大高>◇11日◇1回戦 
 常葉学園橘(静岡)が悲願の初出場初勝利を手に入れた。

 『一度は歓喜の渦に酔いしれ、握手を交わした時は“幻”となりましたが、甲子園というあこがれは更に強くなりました。橘というチームが本物になった時、野球の神が甲子園という聖地で“常葉橘”旋風を巻き起こせと言われたような気がします。この試練を力に変え、甲子園に認められるチームになるよう頑張ります』(一部抜粋)

 08年1月28日に届いた1通の手紙。常葉学園橘はセンバツ出場のボーダーライン上にいた。同25日の出場校選考、インターネット速報には同校の出場を知らせる一報が流れた。しかし、すぐに訂正されてお詫び文へ変わっていた。誤報とわかり頭を抱えて座り込んでしまう選手たち。わずか一瞬で天国と地獄を見た。

 エース・庄司隼人投手(3年)は当時1年生。1年春の県大会で144キロを出し、スーパールーキーと呼ばれた。衝撃的な高校デビュー。周囲から注目され、庄司本人も甲子園と最速更新を待ちわびていた。しかし、投げても投げても144キロを上回ることができず。その間に打者としての評価が高くなっていった。

 「庄司は気持ちが強すぎるあまりに苦しみました。ですが、橘中学3年のときに全国大会に初めて出た。歴史の扉を開ける代だと思っていました」。

 手紙を書いたのは野球部事務局の下山秀樹さん。中学時代から庄司たちを見守っている。

 今年6月初旬。横浜(神奈川)との練習試合で先発した。横浜は前日に花巻東(岩手)の菊池雄星投手(3年)と対戦している。菊池は筒香嘉智三塁手(3年)に被弾。それを聞いた庄司は徹底的にインコースを攻めた。そのうちの1球が147キロだった。2年ぶりの最速更新。数字がすべてではないとは言え、殻を破れて気持ちが楽になった。

 「気持ちが強すぎても甲子園で150キロという目標はずっとありました。目標の度合いで目的が変わります。彼らは最後まで信じてやれば叶うことを見せてくれました」。

 旭川大高(北海道)戦、庄司は146キロをマークし打たせて取る投球に徹した。6安打を浴びたが要所を締めて完封。初回には先制適時打も放った。

 今春、遠征中に甲子園へ立ち寄り近くのスサノオ神社へ参拝した。女房役の牛場友哉捕手(2年)と絵馬に「甲子園出場」と書いた。今回出場が決まり再び全員で参拝へ。「あの絵馬、あるかな?」と、たまたま手に取った束の中に牛場の絵馬が入っていた。「ええ!すごくない?こんなにいっぱいあるのに!」。偶然ではなく、野球の神様が見てくれているような思いがしたという。

 幻の甲子園から1年半、あの手紙通りの夏が始まろうとしている。

(ノート)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

コメントする



公開されません



コメントを書くには日刊スポーツIDでログインしてください。日刊スポーツIDについてはこちら

矢島彩「アマ〜い野球ノート」
矢島彩(やじま・あや)
 1984年、神奈川県生まれ。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代からアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。今春、めでたく都内の大学を卒業したが就職はペンディングし、今年も大好きな野球を追いかける。取材先の監督さんたちからは「若いころの(失礼!)薬師丸ひろ子に似てるね」と言われ、かわいがられているようだ。大好物のオムライスをお腹に詰め込んで、今日も球場に行ってきま~す!

最近のエントリー





野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. 矢島彩「アマ〜い野球ノート」

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/PA SportsTicker Inc

ここからフッターナビゲーションです