2008年8月07日
清峰・林が2度目の甲子園で存在感
<全国高校野球選手権:清峰11-3大府>◇6日◇1回戦
「さっき記者の人に言われて初めて気づきました」。
清峰の5番・林誉之内野手(3年)。三塁打が出れば、史上6人目のサイクル安打達成だった。いや、それ以上に強烈な存在感を残した。
第1打席はいきなり2死一、三塁のチャンス。ベンチの吉田洸二監督は「先取点が欲しい場面」と見守っている。初球スライダーを見逃して、すぐにストレート一本に絞った。2球目、バッテリーが高めに外した球をフルスイングすると左中間スタンドに吸い込まれた。第2打席でも右前へ適時打。初戦はどんなチームでも戦いにくい。清峰(長崎)は林が挙げた4打点で主導権を握ることができた。
入学したころからセンス抜群。2年前、センバツ準Vメンバーからレギュラーを奪い一塁手として夏の甲子園を経験している。「初打席がショートゴロだった。それくらいしか記憶にないんです」。安打も放っているが自分のことで精一杯だった。
「だから、今日は一生の宝物にしようと思って試合に臨んだ」。
本当は唯一の甲子園経験者として周りに気を配りながらプレーするつもりだった。しかし、思った以上に選手たちはリラックスしていたという。自分は安心して打席に入れたと感謝を口にしていた。
見せ場はバットだけではない。7回、一塁走者の林は青木亮介外野手(3年)の犠打で一気に三塁を陥れた。犠打エンドランのサインが出ていたとは言え、見事な好判断だった。「あれは青木がいいところに転がしてくれたから(三塁を)狙うことができた」と、謙遜していたのが主将らしい。
試合をしながら、これまでのきつい練習が頭を過ぎったという。4月の九州大会では福岡工から15三振を喫した。「これが現状。とにかく打てないので、もう一度帰って鍛え直します」と、指揮官の目は厳しいものだった。清峰は豊富な練習量で有名だが、吉田監督曰く就任以来一番練習したチームだと話す。甲子園入りしてからも、各校に割り当てられる2時間の練習時間とは別に、朝などにも練習時間を設けている。本番を直前に控えながら紅白戦も行うなど、異例のメニューを組んでいる。
「監督さんに“今までで一番練習が充実している”と言われて、いい形で試合に入ることができました」。
中学3年のときにテレビで初出場・清峰の戦いぶりを見ていた。エース・古川秀一(日本文理大3年)を擁してセンバツVの愛工大名電(愛知)、済美(愛媛)を撃破。甲子園に清峰旋風が巻き起こった。チームは3回戦で大阪桐蔭に1-4で惜敗。
「目標は次も勝って、3回戦で大阪桐蔭にリベンジすることです」。
ちょうどそのときだった。まるでその声を聞いていたかのように、林のいるお立ち台の後ろを大阪桐蔭の選手が室内練習場へ移動していった。次の相手は3本塁打を放った強打・東邦(愛知)。何がなんでも勝ちたいところだ。
(ノート)
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