2008年7月28日
北神奈川大会決勝、2人のキャプテン<その1>
<高校野球北神奈川大会:慶応9-6東海大相模>◇27日◇決勝
勝利の女神が、どちらにも微笑みたくて悩んでいた。夏の甲子園から30年以上遠ざかった2校による決勝戦。延長13回、4時間20分に及ぶ死闘だった。
東海大相模の主将・大田泰示内野手(3年)。プロ12球団が熱い視線を注ぐ右の大砲だ。18打数11安打11打点、4本塁打と圧巻の数字を残して決勝まで勝ち上がってきた。
「自分がホームランを打てば盛り上がるけど本数は興味ないです。頭の中はいつもチームのことばかりなんです」。
練習でも試合でも、よく動く。試合中は門馬敬治監督のとなりで声を張り上げ、タイムがかかると積極的に打者のもとへ走りアドバイスや激励の言葉を伝える。話しかけられたほうはリラックスできているのか白い歯を見せていることが多い。
「身を削ってチームのために頑張っている。自分のことよりもチームのことを優先させてきた。このチームは大田がつくり上げたものです」(門馬監督)。
決勝戦は大田の大会新記録となる5本目の本塁打で均衡が破れた。狙っていたわけではないが、何とかしたい気持ちはあったという。
「試合後半、勝負どころでは敬遠してくると思っていた。だから、最初の何もない(走者のいない)状態で点を取れればいいなと思っていました」。
続く第3打席は2死二塁の場面。中直に倒れたが、次の打者につなげたいというチームバッティングの打球だった。そのあと、大田は2度あったサヨナラのチャンスで敬遠された。「高校生で敬遠なんて滅多にないのでうれしいこと。もちろん勝負してほしかったけど、次の角(晃多=3年)ならやってくれると思っていました」。いつ、どんな場面でもフォア・ザ・チームの精神を忘れなかった。その姿勢を貫きつつ、高校通算65本塁打を量産しているところが大田のすごさだ。
試合は6-6のまま延長戦へ突入。凌ぎ合いの攻防が続く。東海大相模ベンチが動いたのは、13回2死二塁のピンチだった。「球威にかけた」という門馬監督は、大田をマウンドに送ったのだ。投手としても非凡な才能があり、この日も147キロをマークするほど。今大会大田に登板はなく、この起用も予定外のことだったが、「自分が勢いをつけるためにもストレートでどんどん押そう」と気持ちを切らさなかった。
このとき、慶応の3番・山崎錬内野手(3年)は投球練習を見て、あまりの速さに驚いたという。ただ、山崎にも同じ主将、主軸としての意地があった。(つづく)
(ノート)
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コメント:2件
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矢島さん、こんばんは。
> 勝利の女神が、どちらにも微笑みたくて悩んでいた。夏の甲子園から30年以上遠ざかった2校による決勝戦。延長13回、4時間20分に及ぶ死闘だった。
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仰る通り、どちらにも勝たせたいぐらいの将に好試合でしたね。
軍配は慶應に上がりましたが、東海大相模も本当に素晴らしいチームでした。
大田選手。
ドラフト指名必至の長距離砲ということで、正直に申しますと、実際に観る前は、お山の大将タイプなのかなと、勝手な想像をしていました。
しかし。
いざ間近にグラウンドでプレイする彼の姿を観ると、矢島さんが記事で述べられている通りのプレイヤーで、ピンチの場面で先発の大城投手の肩を抱きながら励ましたり、守備位置の指示をこまめに出したり、敬遠された打席でも決して気を抜かず、しっかりとタイミングをとっていたり(もしもの時の準備ができている)と、
「プロ注目の選手である前に、東海大相模の主将・大田泰示選手」
こちらの形容が、本当にピッタリでした。
残念ながら甲子園には届きませんでしたが、チームを引っ張ってきたこの経験はきっと今後の人生に活きると思います。
大田選手、これからも注目していきたいです。
また。
山崎主将の意地、試合後、球場でなされたインタビューで語っていた内容にヒントが隠されていそうですね。
慶應の考える野球を、(2番の福富選手と)3番の彼のあの打席に観ました。
続きを、楽しみにしています(^-^)
投稿者 Eff : 2008年7月28日 22:36
Effさん
試合後にカメラマンさんが撮った大田選手の写真を見ていたら
仲間を鼓舞するときは常に笑顔。ご指摘の大城投手のシーンも同じでした。
指示やベンチでの立ち位置など細部まで気を配っていましたね。
技術もさることながら、人間的にもレベルの高い好選手、
さらにスターになれる要素も持ち合わせていると思います。
最後の夏に本塁打記録を更新するのですから大したものです。
大田選手を甲子園で見たかったという気持ちも正直ありますね…。
投稿者 矢島 : 2008年8月04日 00:32