2008年7月21日
勝利最優先が生んだ北海のV
<高校野球南北海道大会:北海6-0札幌第一>◇19日◇決勝
「勝ってうれし涙を流したのは初めてです。長い期間、結果が出てなかったので…」。
平川敦監督は号泣した。26歳で母校の監督に就任。2年目の99年に甲子園出場を果たした。しかし、そこから結果が出なくなった。駒大苫小牧全盛の時代が続き、北海は支部予選敗退の年も少なくなかった。伝統校のプレッシャーがチームを襲う。昨秋も期待されながら、まさかの初戦敗退。今大会も優勝候補と呼ばれるなかでの戦いだった。「うれしいというより、ほっとした」との言葉がすべてを物語っている。
実直でとても勉強熱心な監督だ。本州の高校へ練習、指導方法・理論を見学に行くこともある。最近では広陵(広島)・中井哲之監督に感銘を受けたという。また、生徒の進学に関しても、自ら大学の練習や試合に足を運んで雰囲気を確かめる。「力のある選手には積極的に東京の大学で頑張ってほしい」。期待に応えるように、中大の美馬健太内野手(3年)がチーム最高打率で1部昇格の立役者になった。東京で野球を続ける後輩も増えている。
9年ぶりの栄冠に喜びを爆発させる北海の選手たち(撮影・矢島彩)
「決勝戦は子供たちが想像以上の力を出してくれた」。
札幌第一との決勝戦、6得点中4点は2死から走者をためて奪ったものだ。準決勝の北照戦も3回4連打で先制点を挙げている。集中打の秘訣について、どの選手も「後ろにつなぐことしか考えていない」と口をそろえた。
「チャンスでも自分で決めようという意識がないんです」。
5番打者とは思えぬ発言だ。21打数11安打8打点の結果を残した大下翔平(3年)。初回2死一、二塁で打席が回り、きわどいボールを見送って四球を選んだ。直後に庄司智(3年)が先制の2点適時打。指揮官は「大下が打ちたい気持ちを押し殺して、四球を選んでくれたのが大きかった」と分析する。隠れたファインプレーが先制点を導き出した。
7回2死二塁の場面でも、「4番打者ではなく、4番目を打っているだけ」と話す池田大佑(3年)が四球。ここで、大下が勝利を決定付ける2点適時打を放った。つないでくれた仲間の気持ちがわかるからこそ、集中して初球の甘い球を見逃さなかった。
大下(右から2人目)らはスタンドへ勝利を報告する(撮影・矢島彩)
さらに、主将・小林勇登(3年)の存在を忘れてはならない。3番打者として2死からチャンスをつくった立役者だ。1年から遊撃のレギュラー、札幌北シニア時代には全国大会で3位に入りベストナイン受賞の実績を持つ。根っからの野球小僧で、二遊間を組む竹田全(2年)は「野球に対してストイックな人」と話す。
「勇登みたいな勝ち慣れた子が負けをたくさん経験した。そこから勝利への執念みたいなものが生まれた。この貪欲ぶりは過去最強だと思う」(平川監督)。
エース・鍵谷陽平(3年)も「投球内容よりチームが勝てばそれでいいんです」と、口癖のように繰り返していた。一人一人の心に、個人結果よりもチームの勝ちを優先させる強い意志がある。9年という長い年月を経て、北海健児は一つになった。
(ノート)
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白のユニホームに「HOKKAI」左袖の星マークに帽子の「H」
ついに復活ですね。
いつの間にか甲子園最多出場を松商学園(長野)に抜かれ、かつて札幌4強(北海、札幌第一、東海大四、北海道工=尚志学園)と言われた学校以外にもことごとく敗れたり、もう北海は終わったと見る人もいました。
甲子園の勝利からは平成6年以来遠ざかっています。
当時の北海はエース岡崎を中心に、橋本(現千葉ロッテ)を擁する宇和島東を破り、2回戦ではなんと南北の北海道対決で佐藤監督(現鵡川監督)率いる砂川北を10-1で撃破。ベスト8で優勝した佐賀商に敗れたものの、その後の国体で優勝しました。
あ、佐賀商優勝時に臨時コーチしてたのって、あの香田さんですよね
投稿者 ディープコンパクト : 2008年7月22日 04:17
ディープコンパクトさん
ほとんどの新聞が「古豪復活」という見出しでしたね。
北海の試合は年輩のファンが多く、かつての強さを感じることができます。
平成6年のチームは国体も優勝したのですね。
岡崎投手は映像でも見たことがないので、どんな投手だったのか気になります。
投稿者 矢島 : 2008年8月04日 00:56