2008年3月27日
センバツ出場校訪問記・中京大中京(愛知)その3
大藤監督がチームのキーマンを紹介してくれました。
【大藤監督推薦】 田中勇次捕手(2年)
二塁送球のベストタイムは1秒93。「去年は捕手として全然自信がなかったけど、だいぶ安定してきました」。人懐っこい笑顔とは対照的に、いかにも捕手というようなパンパンに張った太ももがたくましい。田中君の仕事は重大だ。細川貴紀投手(3年=写真右)、竹内大助投手(3年)、対照的な性格の人を上手くリードしていかなければならない。「2人ともコントロールが良くて、自分のリードで試合が決まる」。東海大会決勝では常葉学園菊川高(静岡)に盗塁を決められた。投手を乗せられなかったのは自分のせいだと責任を感じている。
今年2月の熊野キャンプ。「吐きそうなくらい食べた。練習より食べるほうがきつかった(苦笑)」と、自分を追い込んだ。打倒常葉菊川に変わりはないが、本音は違う。「優勝狙っているから、いつ対戦しようが関係ないという気持ちです」。
◆推薦理由「矢澤、井藤以外ならキーマンは田中。しっかりしてる子。投手中心の守りのチームだから田中の役割は大きい」。
あのスマイルマークは東海大会2回戦での出来事だった。実は、同日もう1つ意外なことが起きた。前の試合で惜敗した中京高(岐阜)ナインが帰らずにスタンドで応援してくれていたのだ。ベンチは驚きを隠せなかったが、中京関係者がしみじみと話してくれた。
「1年前、うちが中京大中京に勝って甲子園に行くことができました。僕が大藤君の立場だったら、あの負け方はものすごいショックだと思う。でも、彼は試合が終わった後に“勉強になりました。甲子園にむけて頑張ってください”とわざわざ電話をかけてきたんです。感激しましたよ。自分ならできない。今度は僕たちが応援する番です」。
大藤監督の人柄を物語るエピソードだ。
「野球という点ではなくて大きな円のような、トータルでものを考えられるような人間になってほしい」(監督)。
技術ではなく人間面の大切さ。これを毎日部員と食べる昼食の時間に説いている。
「目標と目的は違うんだ。甲子園は高校野球やっている間の目標。人生の目的が甲子園なんて寂しいこと考えるな。もちろん野球で勝つことも大事だけど、食物連鎖みたいに勝利から人生を大きくしていってほしい」。
卒業生が大学や社会人で中心選手になったり主将に就任するケースが多いのも、こういった指導が影響しているからだろう。
(つづく)
(ノート)
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