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<title>虎番ブログ</title>
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<title>狂ったシナリオ</title>
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<![CDATA[<p>　運命が決する１０月８日（巨人戦）を前に書いている。だから結果については、触れられない。独走していた阪神にとってみれば、１０月に入り残り試合が１ケタになってもなお、何も決められないのは大きな誤算だったと言える。</p>]]>
<![CDATA[<p>　ターニングポイントはいくつかあった。今でもひっかかるのは９月１２日の広島戦だ。甲子園でヤクルトに３戦連続サヨナラ勝ちと勢いに乗り、巨人を突き放しにかかろうかという試合で４安打の完封負けを喫した。試合後に広沢打撃コーチがこうコメントした。</p>

<p>　「人間なんだからこういう日もある。残り試合全部勝つのは無理。あと最低１０は負けるよ」</p>

<p>　１面原稿で、現実的な発言の真意は分かるとした上で「それでも無責任に聞こえてしまう」と記した。同コーチとは翌日以降、話し合った。「あんな風に書きやがって。マスコミに全部本当の本音を言うわけないだろう。お前が“無責任”に聞こえたのなら、そう書くのも仕方ないけどな」。こちらの記事に発奮し、見返してやるという意欲まで感じ取って、頼もしく思った。</p>

<p>　だがしかし…。その広沢“予言”の日から、東京ドームで衝撃の３連敗を喫しながら、１０月６日ヤクルト戦での黒星がまだ８敗目だった。それでいて「もう負けられない」状況になった。巨人の猛追など想定を越える事態が重なり、超現実的なシナリオさえ狂った。</p>]]>
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<title>勝負師は少しずつ本来の姿を</title>
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<summary type="text/plain">　世の中には「根拠のない自信」という言葉がある。ライバル巨人と空前のデッドヒート...</summary>
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<![CDATA[<p>　世の中には「根拠のない自信」という言葉がある。ライバル巨人と空前のデッドヒート。目下、１ゲーム差のなかでペナントの行方が揺れ動いている。それでも阪神が抜かれることはない－。あくまで取材する立場だが、なぜだかそう思ってしまう。長く密着している今岡さんの言葉が耳にこびりついて離れないのだ。</p>]]>
<![CDATA[<p>　「上にいる方が強い。下にいるときはバタバタして相手にスキを見せるもの。スポーツは何でも『先手必勝』と言うじゃない。上にいるチームは黙っていてもまとまるもの。いつもと同じように、これまでと同じように普通にやればいい」</p>

<p>　あれは０５年だった。ポイントゲッターは７月下旬、そう強気に言い放つ。２位中日に０・５ゲーム差まで迫られたが、抜かれることなく優勝。驚異の１４７打点を挙げた男のひと言には常識では図れない勝負哲学が宿っているのだとさえ私は感じた。あれから３年…。不振を乗り越え、長い２軍暮らしから復活した背番号７は、グラウンドで力強いスイングを取り戻した。</p>

<p>　９月２９日広島戦の２回。青木高の外角速球を強振すると、バックスクリーン右に、ライナーでオーバーフェンスさせた。球団広報にも「『最高』ですね。いい打撃をできて良かった」と話し、珍しく自画自賛していた。理由がある。３年前にも「理想のバッティングはセンターバックスクリーンに伸びていく打球」と話していたのだ。１球１打席に誠意を込める－。そうやって勝負師は、少しずつ本来の姿を取り戻していく。この手応えを「確信」に変えたとき、かつての打点王は３年前に追いつき、そして追い越してゆく。</p>]]>
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<title>阪神の本拠地にも「別れ」</title>
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<summary type="text/plain">　テレビのスイッチを入れると、ヤンキースの主将ジーターがマイクを握って、スピーチ...</summary>
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<![CDATA[<p>　テレビのスイッチを入れると、ヤンキースの主将ジーターがマイクを握って、スピーチしていた。ヤンキースタジアムのシーズン最終戦。老朽化のため、来年から新球場に移る。日本でも広島市民球場がラストイヤー。何年もの間、ファンに愛された球場が、その役割を終えるのは寂しい。あまり話題にはならないが、阪神の本拠地にも「別れ」はある。</p>]]>
<![CDATA[<p>　リニューアル工事の第２期が１０月から始まる。このオフに、アルプスと外野スタンドが新しく生まれ変わるのだ。ここで立ち上がって応援したファンも多いだろう。記者もすっかり古くなったアルプスに思い出がある。駆け出しのころに、高校野球の取材で毎日のようにアルプスを上った。両親や関係者から、泣ける話を拾うため。「○○くんのお父さんですか？」と片っ端から声をかけたものだ。仕事をサボって、席に座り、焼き鳥をほお張ったこともある。さすがにビールには手を出さなかった。<br />
　虎番になった時は、観客のいない一塁側アルプスが仕事場だった。試合前に外野で練習する投手をじっと見つめる。「よく見てみ。１人１人、違う練習をしているやろ。それぞれに意味があるんや。そこから、いつ先発するか、とか、今の調子とか、いろいろ分かるようになる」と先輩記者に教えられた。時折飛んでくるフリー打撃の打球におびえながら、メモを取った。その横では、足腰を鍛えるために上り下りする選手もいた。<br />
　つい最近、アルプスに腰掛けると、年下の記者に誘われた。「上から見ませんか？　そっちの方が選手の動きがよく見えるので…」。確かに見下ろしたほうがよく見える。風も心地よかった。ここでいろんなことを学んだな、と思った。座り心地は良くないが、愛着のある場所だ。来春にはどんな姿に生まれ変わっているのだろう。ひとまず、お世話になりました。</p>]]>
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<title>「勝負の年」に浮き沈み味わった岩田</title>
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<modified>2008-09-17T05:44:39Z</modified>
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<summary type="text/plain">　人気のある球団でマイペースを貫くことは難しい。少しでも活躍すれば、一気に知名度...</summary>
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<![CDATA[<p>　人気のある球団でマイペースを貫くことは難しい。少しでも活躍すれば、一気に知名度がアップする。スター選手のような扱いも受ける。逆に失敗すればたたかれる。気持ちが強くなければ大きな成功はつかめないだろう。そういう意味で、岩田は強い。</p>]]>
<![CDATA[<p>　３年目、今年で２５歳。同学年ということもあって、キャンプ中から何かとしゃべる機会も多かった。ブレークした今季のここまでを勝手に振り返ってみたが、常に平常心を保ち続けている印象が強い。</p>

<p>　私事で恐縮だが、記者は３月下旬から１カ月、メジャー取材のため阪神取材を離れていた。つまり、開幕からの猛虎快進撃を目の当たりにしていない。その間に岩田は開幕ローテ入りし、すでに３勝を挙げていた。すっかり貫禄（かんろく）も出てきただろうと想像したが、岩田は岩田のままだった。</p>

<p>　帰国後、初めての取材。記者の姿を目にした岩田が近づいてくる。「久しぶりやん。どっか行ってたん？」。全く飾らない姿にホッとした。だいぶ遅くなったが「プロ初勝利、おめでとう。なんかすごいことになってるやん」と声をかけた。左腕は苦笑い。「ほんまに。こっちは全然変わらへんねんけどな…」。大ブレークしたシーズン序盤。周囲が絶賛する中、浮かれる様子はなかった。</p>

<p>　シーズン中盤に入ると、勝ち星に恵まれなくなった。球宴ファン投票でも、リーグ先発部門１位を走りながら最後は落選。辛い時期が長く続いた。少し心配になって声をかけると、逆に笑われてしまった。「オールスター落選？　何言ってんの。予想通りやん。そんなに何もかもうまくいく訳ないもん」。壁にぶち当たることは想定内。過熱する周囲をよそに、冷静に自分を見つめ続けた。だからこそ、落ち込み過ぎることはなかった。</p>

<p>　そして、シーズン終盤。９月１５日中日戦（ナゴヤドーム）で９勝目を挙げ、いよいよ２ケタ勝利に王手をかけた。</p>

<p>　「もう後がない。勝負の年」。</p>

<p>　今年にかける思いは人一倍強かった。１年間ローテを守るため、強い気持ちでマイペースを貫いた。浮き沈みを味わった０８年。最高の瞬間を迎えるまで、岩田の「平常心」は変わらないだろう。</p>]]>
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<title>頼れる左腕ウィリアムスはナイスガイ</title>
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<modified>2008-09-12T08:16:30Z</modified>
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<summary type="text/plain">　頼れる左腕ウィリアムスが１軍に戻ってきた。調子を落とし、ファームでのリフレッシ...</summary>
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<![CDATA[<p>　頼れる左腕ウィリアムスが１軍に戻ってきた。調子を落とし、ファームでのリフレッシュを命じられていたが、やはりこの男抜きに阪神のリリーフ陣は成り立たない。復帰戦となった１１日のヤクルト戦（甲子園）では、９回の１イニングをわずか８球で３人斬り。チームも３日連続のサヨナラ勝ちで、優勝に向けて弾みをつけた。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　中継ぎ陣の最年長として、ブルペンでも自らリーダー役を買って出るナイスガイ。そんな彼を頼りにしているのはチームメートだけではない。助っ人選手たちの奥さま方も、面倒見のいい日本在住６年目の先輩に、何かと支えられている。</p>

<p>　中でも、親切なウィリアムスに感謝しきりなのが、７月中旬に来日したばかりのリーソップの妻、カーラ夫人だ。「彼はクリスに野球のアドバイスをしてくれるだけじゃなくて、私にも日本での生活のことなんかをいろいろと教えてくれるの。スーパーはどこがいいとか、病院はここにあるとか…。最初は分からないことだらけだったから、本当に助かってるわ」</p>

<p>　街のことも教えてもらい、休日には夫婦で三宮でショッピングを満喫しているとか。「おかげで日本での生活にも満足しているわ」。チームメートや家族が住みやすい環境まで自然と作ってしまうウィリアムス。常に笑顔を絶やさない助っ人は、グラウンドを離れてもどこまでもナイスガイだった。<br />
</p>]]>
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<title>王道を走ってテープを切ろう</title>
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<summary type="text/plain">　マジックはついたり消えたりするものだったのだ。歴史的なスピードで点灯した０３年...</summary>
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<![CDATA[<p>　マジックはついたり消えたりするものだったのだ。歴史的なスピードで点灯した０３年や、混戦を抜け出した０５年はついたままゴールにたどり着いたから、今年のもどかしい状況はちょっと不安になる。確実に近づいてはいるが、後ろの足音も気が気でない。</p>]]>
<![CDATA[<p>　９月１日現在で６ゲーム差。通常ならかなりのアドバンテージと感じるところだが、一時１３ゲーム差をつけていたことを思えば「半分以下になってもうた！」。これは逃げる側の心理だろう。追う方は「まだ半分も残っている」と思っている…はずだ…そうであってほしい。</p>

<p>　岡田監督は終始一貫「マジックなんて気にしてないで」と言っていた。今もそう言う。１０円玉が目の前から無くなるテーブルマジックをお得意とする指揮官だが、優勝へのマジックナンバーは眼中にない。「それより、残り３０数試合。阪神らしい野球をやりきることだけ考えているよ」。手品のようなトリッキーな野球は要らない。王道を走ってテープを切ろうではないか。</p>]]>
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<title>勝者と敗者を分けるものは何なのか</title>
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<![CDATA[<p>　あれほど暑かった夏も、いつの間にかどこかに去っていった。北京五輪が終わった。北島の快挙、上野の熱投、そして星野ジャパンの完敗…。勝者と敗者を分けるものは何なのか。改めて勝負の厳しさを思った。</p>]]>
<![CDATA[<p>　２２日の準決勝・韓国戦で同点打を浴びた藤川は神妙だった。「日本で成績を残しているのとはまったく別物です」と振り返った。全試合で４番を務めた新井も「終わったばかりなので、ゆっくり考えてみないと分からない」と話した。メダルなき帰国に誰もが浮かない表情だった。主力を欠いた阪神も５連敗を喫したあと、３連敗。苦しい戦いを繰り返し、五輪組が再合流する。優勝に向けてペナントレースは佳境を迎える。</p>

<p>　それにしても…。「五輪熱」は簡単には消えてくれない。北京へと思いをはせる。最終日の２４日。「鳥の巣」に入ってきた男子マラソン最後のランナーは重い足取りで、しかし確実にゴールへと歩を進めていた。彼はレース前、メダルへの野望ではなく「スタートラインに立てたことを自信にしたい」と話したという。当初の練習プランが狂い、あるいは、不調を悟っていたのかもしれない。それでも逃げなかった。敗因を問われ「力不足です。また精進したい」と言い訳もしなかった。</p>

<p>　先週の広島遠征。私はリニューアルオープンした、つけ麺屋「木のは」に行った。野球選手のサインに並んで、大学時代ともに過ごした彼の色紙も飾られている。何度も見ていたはずなのに『大変なことは大きく変われること』と添えられているのが、なぜか印象に残った。日々３０キロを超えるような走行距離を重ねていくのがマラソンの調整だ。日々鍛錬を重ねて、準備を尽くしてもなお、勝つことの難しさが、勝負には横たわる－。重みのあるフレーズだった。佐藤は前を向いて、初めて五輪の４２・１９５キロを走り抜いた。五輪出場の切符を手中に収めた勝者は、敗者になり、またいつの日か…。</p>]]>
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<title>引退感じさせないベテランの活躍</title>
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<summary type="text/plain">　今年の阪神を引っ張っているベテラン、アラフォートリオ。年齢だけみれば、そろそろ...</summary>
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<![CDATA[<p>　今年の阪神を引っ張っているベテラン、アラフォートリオ。年齢だけみれば、そろそろ引退がささやかれてもおかしくないが、そんなことをまったく感じさせない活躍を続けている。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　先日の東京ドーム。親交のある金本、下柳を激励するためにグラウンドを訪れていた松尾雄治氏（５４＝成城大ラグビー部監督）が、興味深い話を聞かせてくれた。</p>

<p>　「スポーツ選手は、引退する時期を自分で決めるのが一番難しい。決断するのは勇気がいるんだよ。最近は辞めることを逸して、いつやめていいか分からない選手が多いけどね」。</p>

<p>　松尾氏はかつて、新日鉄釜石の日本選手権７連覇に貢献し、３１歳で早々と現役を引退した。「僕はケガも多かったからね。力が落ちてきたらファンの目のごまかしも効かない。でも辞めると、これまで築いてきたものすべてがなくなるって思ってしまうけど、実は引退した後もいろんなかかわり方ができるんだよ」。引退後はスポーツキャスターを務め、ラグビーの普及にも尽力してきただけに説得力がある。</p>

<p>　だが、そんな松尾氏の「引退論」に、金本も下柳も断じて首をタテには振らないそうだ。「『いいかげん辞めないと、下が伸びないぞ』って言ってるんですけどね。たぶん人に譲ることを知らないんじゃないですか…」。</p>

<p>　そしてジョーク交じりに笑う松尾氏は、こう付け加えた。「でも、ベテランが頑張ると、チームにとってもいい相乗効果になるよね」。まさに今の阪神を指し示す言葉。虎のベテランたちの頭の中には、まだまだ引退という言葉は存在しない。</p>]]>
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<title>手を抜かないフォードさん</title>
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<summary type="text/plain">　数日前、炎天下の鳴尾浜でスポーツ新聞を熟読していた。すると、フォードさんが笑顔...</summary>
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<![CDATA[<p>　数日前、炎天下の鳴尾浜でスポーツ新聞を熟読していた。すると、フォードさんが笑顔で近寄ってきた。どうやら記事を読みたいらしい。手渡してみると、とびきりの笑顔が徐々に曇っていった。前日の試合で早期降板したボーグルソンの写真が目に入ったようだ。心配そうに「何て書いてあるんだい？」と通訳に質問。説明を受けて、悲しそうな表情で練習に向かった。同僚を思う気持ちが人一倍強い、優しい一面を見た。</p>]]>
<![CDATA[<p>　気遣う相手は友人、同僚だけではない。これまた鳴尾浜でのこと。練習後、外野芝生で素振りをするフォードさん。その姿を至近距離で眺めていた。しかし、その日はとにかく暑かった。疲れ切っている記者を見て、フォードさんは近づいてきた。バットを記者に渡し「振ってみろ」と言う。数スイングすると、アメリカンジョークで場を和ませた。「君はレッドソックス（現ドジャース）のラミレスみたいだね」とニッコリ。メジャー屈指の強打者に似ていると言われれば、誰だってうれしいもの。すっかり疲れが吹き飛んだ。</p>

<p>　そんなフォードさん、２軍でも必死に頑張っている。先日、ウエスタン広島戦取材のため、自宅から４時間近くかけ、山口県の由宇球場に向かった。山奥にある、のどかな球場。観客が少ない中でも、決して手を抜かなかった。「５番中堅」で先発。守っては左中間のライナーに果敢にダイブを試みた。打っても左翼線にハーフライナーを飛ばし、全力疾走で二塁ベースにスライディングだ。１軍時と変わらない、身上のハッスルプレーを披露。元メジャーリーガーのプライドは捨て去っていた。</p>

<p>　試合後も、その人柄は健在だ。取材に集まった記者を見てビックリ。笑顔で「よく、こんな遠くまで来たね」とねぎらってくれた。そんな男だから、メジャー時代も人気者だった。確かに応援したくなる選手だ。現在の成績は、助っ人として明らかに物足りない。次のチャンスはあるのだろうか。ひたむきな姿勢が、いつか甲子園で身を結ぶ瞬間を見てみたい。</p>]]>
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<title>投球への真摯な取り組み</title>
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<modified>2008-08-04T12:52:36Z</modified>
<issued>2008-08-04T12:49:26Z</issued>
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<summary type="text/plain">　昨年は藤川、久保田の２人だったオールスターに、今年は大量６人が出場した。連続の...</summary>
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<![CDATA[<p>　昨年は藤川、久保田の２人だったオールスターに、今年は大量６人が出場した。連続の２人にアラフォーの３人（金本、下柳、矢野）それと新井だ。</p>]]>
<![CDATA[<p>　初戦の１回表にダルビッシュがビシビシとストレートを投げ込む。それを金本が右翼にホームランするわけだが「やっぱり速い、初球を見てびっくりした」。８回裏の藤川はこれまたオール速球で３者凡退。一方、久保田は速球攻めでピンチを招き、落合監督をマウンドに招き、あわてて変化球をまじえたがサヨナラ打を食らった。</p>

<p>　という一連の流れを見届けて、矢野が警鐘を鳴らした。久保田をかばう意味合いもあったろうが、それ以上に速球至上主義に顔をしかめた。</p>

<p>　「だいたい、ストレートだけ投げるのが真剣勝負でいいみたいな風潮がある。マスコミもいけない。オールスターは本当にバッテリーが不利なんだよ」</p>

<p>　そんな矢野が下柳と見せた味わいのある緩急、制球による攻め。犠飛と失策で２点を失いながら適時打は浴びないしぶとさ。投球への真摯（しんし）な取り組みが、見る者の胸にストレートに届いてほしい。</p>]]>
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<title>20年前を思い出させてくれる藤川のひと言だった</title>
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<summary type="text/plain">　２０年前を思い出させてくれる藤川のひと言だった。夏休みが好きだった。思う存分遊...</summary>
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<![CDATA[<p>　２０年前を思い出させてくれる藤川のひと言だった。夏休みが好きだった。思う存分遊べる。近所の公園で日が暮れるまでボールを追った。草の茂みに飛び込み、１時間近く探したこともある…。感傷に浸りつつ、これが僕と野球との出会いだったのだと気づく。月イチ連載『藤川球児の直球道場』の話しを聞いている時だった。球児は振り返る。</p>]]>
<![CDATA[<p>　「小学３年で野球を始める前は、遊びで毎日野球をやっていました。柔らかいゴムボールを使っていたんです。見た目は野球の球とまったく同じだけど、ふにゃふにゃになっててね…。最近は売ってないんです、あれがね。１００円で、袋に入って、駄菓子屋で売ってました。あれが一番安心して公園で野球ができる」</p>

<p>　そうだった。僕が何げなく使っていた球もゴムボールだった…。なんの変哲もない工場は、近鉄鶴橋駅から１０分ほど歩いた住宅街のなかにあった。銀色の鋳型からボールを造る。いろとりどりのゴムボールがケースに収められている。柴田ゴム工業所（大阪市）は、その業界では国内ＮＯ・１のシェアを誇る。柴田純司社長（６０）は説明する。</p>

<p>　「最近は公園で野球をしたらあかんようになり、１人で遊ぶようになった。あれからボールの出荷も減っていった。ファミコンが出て確実に落ちましたね」</p>

<p>　最盛期には４つの工場で野球型ゴムボールを年間４００万個を製造したが、近年では４０万個に激減。いまは１つの工場が稼働しているだけだ。原材料の天然ゴムも、同社長の説明では「数年前に比べて３倍近く」にコストが高騰。ひっ迫した状況に置かれている。</p>

<p>　５０年近くボールを造っている同社長は言う。「赤字が続いてしんどいと思う。でも、値段を上げると子供たちが買いにくいんです。『安く』で遊んでもらわないと。大事に使えば、１年間は持ちますから」。職人の心意気もまた、野球文化を支えてきた。１個１００円前後のゴムボールは、少年の大きな夢をつないできた。</p>]]>
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<title>マジック点灯待ちわびる虎党</title>
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<![CDATA[<p>　いよいよマジック点灯の時期がやってきた。紙面では連日、「きょう勝てば…」と大きな数字が踊っているが、ナインの間には、マジックを気にしている選手は見当たらない。<br />
　</p>]]>
<![CDATA[<p>　先日、葛城にこの話題を振ってみると「数字いくつ？　どうせすぐ消えるでしょ」と、意外なほどにあっけらかんとした答えが返ってきた。オリックスから移籍し、０４年からタテジマに袖を通している葛城は、前回優勝した０５年は２軍暮らしが長く、優勝の喜びを素直に味わうことはできなかった。つまり、今回が阪神での初の優勝争い。そんな選手ですら浮かれてはいないのが、今年の阪神の強さの秘けつだろう。<br />
　山脇守備走塁コーチに至っては「マジックが１０とかで点灯するんだったら、カウントダウンも意識するけど、数字が大きすぎてマジックなんかないに等しいよ。この時期にマジックが出とるのは尼崎の商店街だけやろ」と笑い飛ばした。<br />
　さて、その尼崎中央商店街では、マジック点灯翌日に、開幕から１ずつ数字を減らしていたマジックボードを実際のマジック数に代えようと、虎党の役員たちが連日、メガホン片手にテレビの前でスタンバイ中。幹部の１人は「もう優勝は間違いない。あとはいつ決めるかだけや！」と、早くも優勝モードだ。<br />
　冷静な選手と、今か今かとマジック点灯を待ちわびるメディアや阪神ファン。マジックに対する感じ方はそれぞれ違う。だが、代わらないことが１つある。阪神がリーグ優勝に一歩ずつ近づいていることだけは、誰が何を言おうと間違いない。</p>]]>
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<title>今岡どうしているんですか？</title>
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<![CDATA[<p>　今岡はどうしているんですか？　とよく聞かれる。首位独走中で話題はたっぷりあるのだが、ファンは最近までチームを支えた主力選手のことが気になるようだ。</p>]]>
<![CDATA[<p>　５月２５日に不振で２軍に降格してから、１カ月半がたった。いつ、どんな条件をクリアすれば昇格するのか。あるコーチに取材したとき、思わぬ厳しい言葉が返ってきた。「他の２軍選手と同じ扱いだ。調子が良ければ検討することになるが、それでも１軍の同じポジションの選手の状態が良ければ、無理に上げることはない」。名前だけで無条件に１軍にいた時期は終わったことを示唆している。</p>

<p>　本人にとっては酷な話だが、裏返せば、今岡の処遇は阪神の戦力の厚さでもある。上位から下位まで、打線がつながり、ソツのない攻撃を展開。関本や平野、バルディリスらが、十分に役割を果たしている。彼らを追い落として、１軍に上がるのは容易ではない。</p>

<p>　ただ新井ら主力の離脱が予想される五輪期間中に、必要な戦力であることは間違いない。今岡はいま、２軍で報道陣に多くを語ることなく黙々と練習に励んでいる。プロ１２年目に課せられた「競争」に勝ったとき、阪神はさらに強くなる気がする。</p>]]>
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<title>「プロのすごみを実感」</title>
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<![CDATA[<p>　６月下旬、秋田遠征に帯同した時のこと。ちょっぴりうれしい出来事があった。選手と同じ飛行機に乗り、秋田の空港に到着した。取材も兼ねているので、移動でお疲れ気味の選手の周りをうろちょろ。その後、バスで宿泊するホテルに向かった。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　すると、隣に座った７０歳前後のおばあさんが話しかけてきた。「あの～、野球選手の方ですよね？　握手して下さい」。選手と同じスーツ姿（値段は大違い）だったので、どうやら勘違いしたらしい。熱狂的な阪神ファンが多い関西では、なかなか考えられない出来事だ。</p>

<p>　それにしても、だ。学生時代に野球で鍛えたはずの肉体は、もうブヨブヨのダルダル状態。１７０センチ、７３キロ。メタボ予備軍の体形を持つプロ野球選手なんて、存在してはいけない。丁重に「すみません。違います。僕はしがないサラリーマンです」と返した。残念そうな女性。ムダに期待を抱かせてしまったな…。何故か反省しつつ、あこがれていたプロ野球選手の気分を味わって満足。一体、誰と間違ったんだろう。ニヤッ。</p>

<p>　うれしかったので、選手に報告したくなった。おっ２年目の清水ではないか。聞いて聞いて！　ボク、野球選手に間違われたで！　失笑。「よ、良かったですね…」。ほんまに選手みたいな体に見える？　「う～ん…。食べる量は同じなんですけどね…。僕と同じぐらい焼き肉食べますもんね…」。少し出てきたおなかをチラリ。見ないで。</p>

<p>　虎番になって１年間で１０キロ増。運動不足が原因だろう。ちなみに清水は１７７センチ、７５キロのビルドアップされた肉体を持つ。「もっと太りたいんですけどね」と清水。同じ量を食べても、これだけ差が出るのだ。野球選手の練習量って、やっぱりすごい。妙なところでプロのすごみを実感した。</p>]]>
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<title>阪神と食品偽装の関係は？</title>
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<![CDATA[<p>　秋田に行ってきたら、あらためて名産品の多さに驚いた。あきたこまち、ハタハタ、キリタンポ、いぶりがっこ…そのひとつ、桧山納豆が桧山選手のもとに差し入れされたのは本紙で報じた通り。代打の神様は「宿舎に届いていたよ」と喜んでいた。</p>]]>
<![CDATA[<p>　第１戦で鳥谷が６号ソロを含む４安打と活躍した。すぐに前夜に堪能した比内地鶏を発想したが、鳥と鶏では強引すぎるか。比内地鶏といえば何かと問題の食品偽装で一時やり玉になったことが…。それだけブランド力があるという証拠でもあるが。</p>

<p>　阪神はこの交流戦明けから、ビジターの帽子のつばをグレーにするツートンカラーにマイナーチェンジした。交流戦用のユニホームからシフトしていたが、黒一色の帽子よりしっくりくる感がある。発案者の岡田監督も「一色より二色の方がええやろ。ホーム用も黒と黄色の二色なんやし」と強調していた。</p>

<p>　そういえば、この遠征に出る前に自宅で食べた鰻は一色産（いっしょく、ではなく、いっしきさん）と表示されていた…別に疑っているわけではないが、なんか気になった。</p>]]>
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