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2008年10月16日

人気球団を指揮するプレッシャー

 高校野球の複数の監督から聞いた言葉がある。「決勝戦で負けることが1番悔しい。1回戦で負けるよりも」。目の前に見えた頂点がふっと視界から消える。天国から地獄へ。その落差が計り知れない悲しみを生む。

 数字を見れば、岡田阪神の今季は誇れるシーズンだった。82勝59敗3分、勝率は5割8分2厘。チーム打率2割6分8厘はリーグ2位、防御率3・29はトップだ。野球は「数字のスポーツ」という側面があるが、プロ野球は数字だけでは語れない。ファンにいかに喜びを提供するか、という興行的要素が加わるからだ。開幕から首位を独走しながら、2位と最大13ゲーム差を守れなかった。阪神ファンの両親は終盤に「試合を見ると、ストレスがたまる」とぼやいていた。それが代表的な意見とは言わないが、誇れる数字を残しながら、ファンを失望させたことは事実だ。逆に、巨人は開幕当初に大きくつまずいたが、今となっては誰もそんなことは問題にしない。優勝したからだ。

 歴史的V逸が決定した後、週末の球団事務所には、休日返上で多くの職員が働いていた。事後処理に追われていたのだ。ある関係者は「リーグ優勝用に作ったグッズは転用がきかないから、処分するしかない」と苦い表情を浮かべていた。リーグ制覇のために準備していたものは、水の泡となった。これがV逸の厳しい現実だ。そして岡田監督は一身に責任を背負った。現場や周辺の関係者、そしてファン、取り巻く環境すべての失望に「辞任」という形で答えを出した。人気球団を指揮することは想像を絶するプレッシャーとの戦いであることを再認識した。

 監督の後任人事に関する報道合戦は激化している。家に帰っても落ち着かない日々が続く。秋晴れの空が、恨めしい。

(田口真一郎)


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町田達彦(まちだ・たつひこ)
 運動セクション。95年入社。一般スポーツ担当を経て96年から阪神担当。99~01年はオリックス、02年は遊軍で03年から阪神担当復帰。東京都生まれ。
田口真一郎(たぐち・しんいちろう)
 97年入社。四国総局員として高校野球取材を中心に4年勤務。01年から阪神、遊軍、アマ野球担当を経て、07年11月から再び阪神担当に。神戸市出身。
益田一弘(ますだ・かずひろ)
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 03年(平15)西部日刊スポーツ新聞社入社。入社直後はアマチュアスポーツを担当し、04年1月からホークスを担当。08年11月から大阪日刊スポーツ新聞社へ出向となり、阪神タイガース担当に就く。福岡県出身。
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