日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2008年8月11日

手を抜かないフォードさん

 数日前、炎天下の鳴尾浜でスポーツ新聞を熟読していた。すると、フォードさんが笑顔で近寄ってきた。どうやら記事を読みたいらしい。手渡してみると、とびきりの笑顔が徐々に曇っていった。前日の試合で早期降板したボーグルソンの写真が目に入ったようだ。心配そうに「何て書いてあるんだい?」と通訳に質問。説明を受けて、悲しそうな表情で練習に向かった。同僚を思う気持ちが人一倍強い、優しい一面を見た。

 気遣う相手は友人、同僚だけではない。これまた鳴尾浜でのこと。練習後、外野芝生で素振りをするフォードさん。その姿を至近距離で眺めていた。しかし、その日はとにかく暑かった。疲れ切っている記者を見て、フォードさんは近づいてきた。バットを記者に渡し「振ってみろ」と言う。数スイングすると、アメリカンジョークで場を和ませた。「君はレッドソックス(現ドジャース)のラミレスみたいだね」とニッコリ。メジャー屈指の強打者に似ていると言われれば、誰だってうれしいもの。すっかり疲れが吹き飛んだ。

 そんなフォードさん、2軍でも必死に頑張っている。先日、ウエスタン広島戦取材のため、自宅から4時間近くかけ、山口県の由宇球場に向かった。山奥にある、のどかな球場。観客が少ない中でも、決して手を抜かなかった。「5番中堅」で先発。守っては左中間のライナーに果敢にダイブを試みた。打っても左翼線にハーフライナーを飛ばし、全力疾走で二塁ベースにスライディングだ。1軍時と変わらない、身上のハッスルプレーを披露。元メジャーリーガーのプライドは捨て去っていた。

 試合後も、その人柄は健在だ。取材に集まった記者を見てビックリ。笑顔で「よく、こんな遠くまで来たね」とねぎらってくれた。そんな男だから、メジャー時代も人気者だった。確かに応援したくなる選手だ。現在の成績は、助っ人として明らかに物足りない。次のチャンスはあるのだろうか。ひたむきな姿勢が、いつか甲子園で身を結ぶ瞬間を見てみたい。

(佐井陽介)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

虎番ブログ
町田達彦(まちだ・たつひこ)
 運動セクション。95年入社。一般スポーツ担当を経て96年から阪神担当。99~01年はオリックス、02年は遊軍で03年から阪神担当復帰。東京都生まれ。
田口真一郎(たぐち・しんいちろう)
 97年入社。四国総局員として高校野球取材を中心に4年勤務。01年から阪神、遊軍、アマ野球担当を経て、07年11月から再び阪神担当に。神戸市出身。
益田一弘(ますだ・かずひろ)
 00年に入社してボクシング、相撲、サッカーなどを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当になり、07年に53年ぶりの日本一に遭遇。08年11月から阪神担当。広島市生まれの32歳。
石田泰隆(いしだ・やすたか)
 03年(平15)西部日刊スポーツ新聞社入社。入社直後はアマチュアスポーツを担当し、04年1月からホークスを担当。08年11月から大阪日刊スポーツ新聞社へ出向となり、阪神タイガース担当に就く。福岡県出身。
佐井陽介(さい・ようすけ)
 運動セクション。06年入社。同年夏は研修を兼ねて高校野球担当に。整理部を経て07年6月から阪神担当。学生時代は野球ひと筋。生まれも育ちも兵庫県。

最近のエントリー




野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

便利ツール

Windows Vista用ガジェット
球団別最新情報、写真ニュース、スコアが表示されます。阪神、ソフトバンク、日本ハム、オリックス、広島に加え、レッドソックス松坂大輔専用ガジェットも。
  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. 虎番ブログ

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/PA SportsTicker Inc

ここからフッターナビゲーションです