2008年9月30日
勝負師は少しずつ本来の姿を
世の中には「根拠のない自信」という言葉がある。ライバル巨人と空前のデッドヒート。目下、1ゲーム差のなかでペナントの行方が揺れ動いている。それでも阪神が抜かれることはない-。あくまで取材する立場だが、なぜだかそう思ってしまう。長く密着している今岡さんの言葉が耳にこびりついて離れないのだ。
「上にいる方が強い。下にいるときはバタバタして相手にスキを見せるもの。スポーツは何でも『先手必勝』と言うじゃない。上にいるチームは黙っていてもまとまるもの。いつもと同じように、これまでと同じように普通にやればいい」
あれは05年だった。ポイントゲッターは7月下旬、そう強気に言い放つ。2位中日に0・5ゲーム差まで迫られたが、抜かれることなく優勝。驚異の147打点を挙げた男のひと言には常識では図れない勝負哲学が宿っているのだとさえ私は感じた。あれから3年…。不振を乗り越え、長い2軍暮らしから復活した背番号7は、グラウンドで力強いスイングを取り戻した。
9月29日広島戦の2回。青木高の外角速球を強振すると、バックスクリーン右に、ライナーでオーバーフェンスさせた。球団広報にも「『最高』ですね。いい打撃をできて良かった」と話し、珍しく自画自賛していた。理由がある。3年前にも「理想のバッティングはセンターバックスクリーンに伸びていく打球」と話していたのだ。1球1打席に誠意を込める-。そうやって勝負師は、少しずつ本来の姿を取り戻していく。この手応えを「確信」に変えたとき、かつての打点王は3年前に追いつき、そして追い越してゆく。
(酒井俊作)
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- 町田達彦(まちだ・たつひこ)
- 運動セクション。95年入社。一般スポーツ担当を経て96年から阪神担当。99~01年はオリックス、02年は遊軍で03年から阪神担当復帰。東京都生まれ。
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- 田口真一郎(たぐち・しんいちろう)
- 97年入社。四国総局員として高校野球取材を中心に4年勤務。01年から阪神、遊軍、アマ野球担当を経て、07年11月から再び阪神担当に。神戸市出身。
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- 益田一弘(ますだ・かずひろ)
- 00年に入社してボクシング、相撲、サッカーなどを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当になり、07年に53年ぶりの日本一に遭遇。08年11月から阪神担当。広島市生まれの32歳。
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- 石田泰隆(いしだ・やすたか)
- 03年(平15)西部日刊スポーツ新聞社入社。入社直後はアマチュアスポーツを担当し、04年1月からホークスを担当。08年11月から大阪日刊スポーツ新聞社へ出向となり、阪神タイガース担当に就く。福岡県出身。
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- 佐井陽介(さい・ようすけ)
- 運動セクション。06年入社。同年夏は研修を兼ねて高校野球担当に。整理部を経て07年6月から阪神担当。学生時代は野球ひと筋。生まれも育ちも兵庫県。
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