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2006年10月30日

記憶に残る強烈な新庄の記憶

 記録より記憶に残るスターが球界から去った。日本一を決めて引退。何となく予感すらできる、新庄らしいフィナーレだったとは言い過ぎか。中学2年のときに初めて見た新庄の姿は、私にとって強烈だった。広島戦のピンチをダイビングキャッチで防ぎ、その直後に大野からサヨナラ弾…。劇的過ぎる結末に、数十年前に味わった言い知れない興奮は今でも覚えている。

 「新庄」を時間軸に、誰もが何となく思い出を持っている。それとも持たされるほど、強烈なキャラクターなのか。入れ替わりで阪神に入団した赤星もそうだ。こんな裏話を聞いたことがある。「入団会見のときにね『新庄さんの穴を少しでも埋められるよう頑張ります』って言おうと前もって準備してたんだよ。緊張したのか、かんじゃって。ヤバイと思ったときには『新庄さんの穴を埋められるよう…』って言ってしまって。あれでビッグマウスと言われちゃったからね」。

 当時、私は大学4年生だった。「すごく思い切ったこと言うなあ」なんて感じていたものだ。そして、どうしたことか、巡り巡って取材する立場にいる。先輩記者から武勇伝を聞くことはあっても、新庄選手を取材したことは1度もない。それでも、日本シリーズで森本と涙している姿を見たときは、感傷的にさせられた。何だろう、この感覚。少しばかり月日が流れたのは確かだ。

(酒井俊作)


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