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2008年7月14日

大場、自信を詰め込んで帰ってこい

 2度目の2軍降格となった大場は悔しさと一緒に大きな荷物をタクシーのトランクに放り入れた。7月14日の福岡ヤフードーム。1軍のロッカーからハンガーにつるしたままのユニホーム、紙袋に押し込んだ着替えを持って出てきた。スーツケースも2個ある。あまりの量で歩きにくそうなので、担当記者が「持とうか」と声をかけると、「いいです」。弱々しい声だった。

 振り返ると、大場はいつも大荷物を持ってバタバタしている感じがする。印象的なのは8月の仙台遠征だった。移動日の朝、大あわてでTシャツの上に球団のスーツを羽織った姿でロビーに登場した。右手にはなぜか目覚まし時計が握られていた。いったんバスに荷物を置くと、ホテルの外でいそいそとシャツを着ていた。

 東京遠征では王監督らをバスに待たせて、フロントで精算する姿もあった。6月30日から14泊15日の長期ロードの初日もそうだった。タクシーから降り立つと、博多駅でスニーカーを急いで紙袋に詰め込んでいた。なぜか慌てる大場が目につく。

 その姿がマウンドでダブってしまうことがある。最近はランナーが出てピンチになると、周りが見えず、慌ててしまう。春先に2完封した大場はもっと堂々として、力強かったはずだ。2軍での再調整を告げた王監督も「一番大きいのは自信がないというか、こちらが求めている、はつらつとしたピッチングができていない」と心配していた。ルーキー特有の緊張、重圧は本人にしか分からない。再起をかけた1軍復帰はわずか3試合で終わった。傷ついているはずの鉄腕はドームを離れる直前、口を開いた。「思い詰めるわけじゃないけど、悪いのは理由があるので、どうしたらいいか考えたい。同じ失敗をすると自分が一番苦労する」。この時だけは言葉に力があった。

 着替えを詰め込んだ、大場の青い紙袋はひもがちぎれ、ビリビリと破れていた。どこか弱々しかった。今度は頑丈な袋に自信を詰め込んで、1軍に戻ってきてもらいたい。

(押谷謙爾)


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 72年(昭47)7月9日、北九州市生まれ。98年からホークス担当。05年から3年間の東京整理勤務を経て、今季から再び鷹番。
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