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2008年5月01日

9年間の下積みを生かす背番号11

 この男がいなかったら、今季のホークスは今よりもさらに厳しい戦いを強いられていたことだろう。今年で節目のプロ10年目を迎えた左腕、小椋だ。

 松坂世代NO・1左腕と評価され、98年ドラフト3巡目でダイエー(現ソフトバンク)に入団したが、昨年までの9年間は未勝利。1軍登板はわずか15試合にとどまるなど、ほとんど仕事ができずに過ごしてきた。03年には左ひじ靱帯(じんたい)再建手術も受け、オフのたびに戦力外通告におびえてきたが、今季は手薄な左の中継ぎ陣の一員として、奮投中だ。

 4月10日に今季1軍初昇格を果たすと、2試合目の登板となった12日の西武戦(福岡ヤフードーム)ではうれしいプロ初勝利をマーク。15日のオリックス戦(京セラドーム大阪)ではプロ初セーブも挙げた。
 小椋 これまでのことを振り返ると当然だけど、今年は今までで一番充実したシーズンを送れています。一番の収穫は、やっぱり1球の持つ「本当の怖さ」というものを、身を持って経験できたことかな。

 4月29日の西武戦(西武ドーム)。5点リードの6回1死満塁のピンチで3番手として登板したが、満塁弾、ソロ本塁打を献上。わずか2球で同点に追い付かれる失態を犯した。「ショックは確かに大きかった。でももう引きずってませんよ。聞こえはよくないけど、こういう気持ち(1球の持つ本当の怖さ)を感じることができたのも、1軍にいるからこそ。この経験を生かすかどうかは、これからの僕次第ですよね」。

 今季はすでにシーズン自己最多の9試合に登板し、1勝1セーブ。防御率2・53の好成績を誇り、守護神ホールトンとともに「勝利の方程式」を形成する活躍を見せる。「今まで働けなかった分を取り戻すつもりで頑張りますよ」。9年間の下積み生活を経て、ようやく「表舞台」へと働き場所を“移した”背番号「11」の巻き返しに、注目したい。

(石田泰隆 )

鷹番日記
中村泰三(なかむら・たいぞう)
 93年(平成6)入社。広告部、レース部競輪担当を経て報道部。94年オフからホークス担当。02年から東京本社野球部に出向し、巨人、横浜、米メジャーなどを取材。04年11月に西部本社復帰。現在ホークス担当。35歳。
石田泰隆(いしだ・やすたか)
 03年(平15)入社。報道部 入社直後は、アマチュアスポーツを担当し、04年2月からホークスを担当。現在に至る。27歳。
進尚幸(しん・なおゆき)
 96年(平成8)入社。報道部写真担当、ホークスを中心に九州のスポーツ全般を取材。全国津々浦々を取材する。スペイン1部リーグのバリャドリードに在籍した城彰二を取材。34歳。
梅根麻紀(うめね・まき)
 97年(平成9)入社。入社してからカメラマン一筋。ダイエーホークス、サッカー、高校野球、柔道など九州関連のスポーツ写真報道に携わる。イタリア・セリエAでヴェネチア在籍時代の名波浩(現磐田)を取材。31歳。
押谷謙爾(おしたに・けんじ)
 96年(平8)入社。総務部、レース部を経て報道部。99年秋からサッカー担当。大分、福岡、鳥栖を中心に九州リーグ、高校サッカーのほか、02W杯、セリエAなどを取材。03年から大分支局。33歳。

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