2007年10月24日
王監督の決意をどう受け止めるか
日本シリーズが開幕する10月27日に、ソフトバンクは宮崎で、08年シーズンに向けた秋季キャンプをスタートさせる。4年連続のV逸。04、05年はレギュラーシーズンは1位で通過しながら、プレーオフで敗れた。ただ、昨年、今季は2年連続シーズン3位。明らかに「優勝」から遠のいた。王監督はその現実をしっかりと受け止め、今秋から選手の意識改革を求め、従来のパワーベースボールに得点効率を高めたスモール野球を再導入する。
23日には来季1、2軍コーチングスタッフが発表された。ともに昨年と全く同じ顔触れ。現場の首脳陣、背広組のフロントもだれ1人、責任を取ることなく、5年ぶりのV奪還を目指し、ソフトバンクは動き始めた。昨年と1つ違うのは、王監督が10日のクライマックスシリーズ第1ステージ終了後、選手ミーティングで「来季はラストのつもりでやる」と、自らの退路を断った点だ。
一流選手の複数年契約が定着している現代で、王監督は一環して単年契約主義者だ。複数年による甘え、妥協、気の緩みを嫌う。そんな王監督も孫オーナーからは「永久監督」という言葉を投げ掛けられる。結果が出なければ来季はないという1年契約とは、相反する保証。ミーティング以降、来季限りの勇退を公で認めない王監督は「決意めいたものが必要だった」とオーナー報告で表現した。来季にかける思いを球団、選手たちに明確に示したかったのだろう。
来季の結果、王監督の去就は神のみぞ知る。ただ、王監督の決意を周囲はどう受け止めるのだろう。主砲松中は06年から7年契約を交わした。その06年からチームはシーズン1位を逃し、松中自身も過去の冠がウソのように、打撃は低迷している。ダイエー時代の過去には柴原が複数年契約を自ら解除し、減俸を申し出た例もある。王監督のラストイヤーになるかもしれない来季、美辞麗句はもはや必要ない。甘えや妥協を断つのは、己の決意にほかならない。
(中村泰三)
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- 中村泰三(なかむら・たいぞう)
- 93年(平成6)入社。広告部、レース部競輪担当を経て報道部。94年オフからホークス担当。02年から東京本社野球部に出向し、巨人、横浜、米メジャーなどを取材。04年11月に西部本社復帰。現在ホークス担当。35歳。
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