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2006年4月10日

出てこいポスト城島

 もがき、苦しむソフトバンクとは対照的に、西武が快調だ。新生チームの象徴として高校生ルーキーの炭谷が、よく取り上げられる。高卒1年目の開幕スタメンだけでも驚きだが、経験が重要とされる捕手だから余計に周囲も反応する。「伊東監督ならではの起用。自分の通ってきた道だからね。われわれではできない」と王監督も驚きを隠せなかった。3月29日の北九州市民球場での試合では、この炭谷にプロ初本塁打を満塁で許し、さらにもう1本、打たれた。

 こうなると比較される。ソフトバンクの高校生ドラフト1位、荒川だ。「炭谷の方が良かった」「炭谷は取れなかったのか」とか外野では論議が活発になる。結果がすべてのプロ野球。1軍で結果を残している炭谷が現時点では確かに上だが、現時点がすべてでないことも確かだと思う。

 今年の宮崎キャンプ。B組の練習を見ていた1軍の簑原マネージャーが、ふと漏らした。「肩と守りに関しては、荒川は城島が入ったときより上。これははっきり言える」。簑原マネージャーは城島が入団した当時、2軍マネージャーとしてそのプレーを毎日、見ていた。高校生はその素材を獲得する。チーム事情により、1軍で起用しながら育てる、という方針もあるだろうが、基本的には育てて、使うだ。

 今ではメジャー初の日本人捕手という代名詞を得た城島だが、ホークスでレギュラーをつかむまで3年を要した。王監督が中途半端な考えは捨て、2軍の指定強化選手として、徹底的に育てることを決断したからだ。入団前には将来的に三塁手に転向させるという考えも一部にあった。2軍での下積みがなければ、たとえメジャーに移籍したとしても、違う形だったかもしれない。

 王監督は「将来的に井手や松田、荒川がクリーンアップを打ち、その前後を城所が打つ」という構想も持っている。荒川が順調に育つか、炭谷との差が開く一方か、今はだれも判断できない。雁の巣で汗を流す選手たちをときには長く、ときには厳しく見守りたい。

(中村泰三)


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鷹番日記
中村泰三(なかむら・たいぞう)
 93年(平成6)入社。広告部、レース部競輪担当を経て報道部。94年オフからホークス担当。02年から東京本社野球部に出向し、巨人、横浜、米メジャーなどを取材。04年11月に西部本社復帰。現在ホークス担当。35歳。
石田泰隆(いしだ・やすたか)
 03年(平15)入社。報道部 入社直後は、アマチュアスポーツを担当し、04年2月からホークスを担当。現在に至る。27歳。
進尚幸(しん・なおゆき)
 96年(平成8)入社。報道部写真担当、ホークスを中心に九州のスポーツ全般を取材。全国津々浦々を取材する。スペイン1部リーグのバリャドリードに在籍した城彰二を取材。34歳。
梅根麻紀(うめね・まき)
 97年(平成9)入社。入社してからカメラマン一筋。ダイエーホークス、サッカー、高校野球、柔道など九州関連のスポーツ写真報道に携わる。イタリア・セリエAでヴェネチア在籍時代の名波浩(現磐田)を取材。31歳。
押谷謙爾(おしたに・けんじ)
 96年(平8)入社。総務部、レース部を経て報道部。99年秋からサッカー担当。大分、福岡、鳥栖を中心に九州リーグ、高校サッカーのほか、02W杯、セリエAなどを取材。03年から大分支局。33歳。
太田尚樹(おおた・なおき)
 02年(平14)大阪本社入社。中央競馬や大相撲などを担当後、アマチュアスポーツ担当として北京五輪を取材。08年11月に西部本社へ出向してホークス担当に。28歳。

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