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新庄カウントダウン

8回お役御免も歴史的1勝に貢献

h-sh-061025-1.jpg1回裏、2点適時打を放ち、みずからも生還した小笠原を笑顔で出迎える新庄(撮影・黒川智章)

<日本シリーズ:日本ハム6-1中日>◇第3戦◇24日◇札幌ドーム

 日本ハムが初開催となった北海道で、歴史的勝利を刻んだ。1勝1敗のタイで迎えた日本シリーズ第3戦、先制された直後の1回裏、「ガッツ」こと小笠原のシリーズ初安打初打点となる2点二塁打で逆転に成功。パ2冠のバットがついに目を覚まし、4万大観衆が埋め尽くした「新庄ラスト劇場in札幌」の開演ベルを鳴らした。稲葉の3ランも飛び出し6-1で快勝。両太もも痛などで出場が危ぶまれた新庄も「6番・中堅」で先発し、8回でお役御免も勝利に貢献した。これで2勝1敗。本拠地3連勝、そして札幌胴上げへ前進した。

 北の大地に、また1つドラマが生まれた。初めて日本シリーズの白星が津軽海峡を越えた。決勝打の小笠原が飛び跳ねるように、記念すべきお立ち台に上がった。「気持ちで打ちました!」。上ずった絶叫調の第一声に続き、4万1798人の大歓声が山びこのように降り注ぐ。主役を譲りベンチで見守った新庄も、頭の上で両手をたたく。北海道初の日本シリーズ初戦。「歴史の1ページに我々がその名を刻めてうれしい」。ヒルマン監督も勝利監督インタビューで声を張り上げた。

 ここまで2戦の主役と脇役の立場が逆転した。先制された直後の1回裏、無死一、二塁。中日朝倉の外角直球を砕くようにシンでとらえ、左翼フェンスを直撃する。逆転打を確信した新庄が、ベンチを飛び出した。両手を交互にグルグル回して2者生還を促す。森本、田中賢が一気にホームイン。小笠原が二塁塁上で小さくガッツポーズ。新庄が応えるように両手を掲げ返す。日本ハムを引っ張ってきた「2大スター」の男と男、こん身の喜びの儀式。スタンドも開始早々、メモリアル白星を確信した。

 苦境を抜ける力になった。ここまでポストシーズン4試合で10打数無安打。この日もチーム練習開始前に1人で約30分間、マシン相手に特打を行った。試合前の野手ミーティング。新庄らと淡口打撃コーチの現役時代のビデオを鑑賞した。代打でバスター安打を放つシーンを一緒に見て爆笑した。「やり直しがきかない。短期決戦は独特の雰囲気がある」。好調なチームに乗れなくても、新庄イズムの“楽しむ”気持ちを忘れなかった。

 04年の北海道移転元年。相手球団の人気によって観客の入りが左右されるような本拠地だった。小笠原は寡黙で職人肌、新庄はユニークな言動や神懸かり的な勝負強さと対極のプレースタイル。小笠原が野球好きの玄人、新庄が子どもや女性と、互いにファンを獲得してきた。北海道初のプロ球団誕生を、先頭に立って開拓してきた。「新庄さんは一緒に戦ってきた人」。犠打は決めたが、シリーズ初の無安打と不完全燃焼に終わった新庄の分も、スタンドを沸かせた。

 今日25日、33歳の誕生日を迎える。目標だったバースデーまでシーズン-を自ら演出した。25年ぶりのリーグVを決めた12日の優勝会見で、今シリーズの目標を掲げた。「ツーさん(新庄の愛称)を胴上げしたい」。小笠原は照れくさそうに言い、新庄も両手で目をこする泣きマネをして照れた。本拠地であと2つ勝てば迎えられる最高のエンディング。一打でその可能性をつないだ。男と男の約束を果たすシーンが、もうはっきり描けるところまできた。【高山通史】

 ▼日本ハムが2試合連続逆転勝ちで2勝1敗と勝ち越し。過去1勝1敗で迎えたシリーズは25回あるが、先に2勝したチームは19回優勝しており、V確率76%。84年広島からは10回続けて優勝と、日本ハムが有利になった。

2006年10月25日付 紙面から

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