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新庄カウントダウン
光った!優秀選手賞/オールスター
1回表全パ2死、日本ハム新庄は左越え二塁打を放ちバンザイ(撮影・為田聡史)
<オールスター:全セ3-1全パ>◇第1戦◇7月21日◇神宮
現役引退を表明している日本ハム新庄剛志外野手(34=SHINJO)が、宣言通りに球宴の主役をさらった。電光掲示ベルトで登場すると、7色に塗られたレインボーバットで初回二塁打。7回には顔面を打ち付けながらもダイビングキャッチを見せるなど、お得意のパフォーマンスに加え、攻守の活躍で優秀選手賞をゲットした。球宴第1戦は全セが3-1で全パに快勝し、通算成績は全パの73勝64敗8分け。最優秀選手(MVP)はV弾のヤクルト青木が獲得した。
2度とないような優しい輝きが、神宮を包み込んだ。日本ハム新庄が光って、光って、光っていた。バットでベルトで、プレーで…。祭りの後、最後に光っていたのは自分の瞳だった。優秀選手賞を獲得した試合後の表彰台。確実に潤んでいた。好プレーのたびに沸いた、ファンの声援に低い声で感謝のメッセージを贈った。「(観客席の声援の)ありがとうって、こっちがありがとうだよ」。
最初に光を放ったのはバットだ。初回2死の第1打席。ゆっくりと打席へ「レインボーバットです」と7色に輝くバットを手にして向かう。「きれいだったでしょ」。今回のために特別塗装を施した3本を用意した。さらに盛り上げる仕掛けはここから。全セ先発の中日川上の初球を、尻もちを突くほどのフルスイングで空振りする。続く2球目、もう1つを光らすための仕掛けを用意していた。
英文字が流れた日本ハム新庄のベルト
制球抜群の川上がなぜか、新庄の頭上を通過してバックネットに直接、突き刺す大暴投。すると新庄はニヤニヤしてベルトを締め直す。すると、そのバックルがチッカチッカ…。左から右へ英字が流れる「電光掲示版ベルト」だったのだ。しかも川上に「事前に電話を掛けて打診したら、ああいうことをしてくれてうれしかった」。球宴だから許される“談合”で演出し、最後には川上を裏切って? 左翼線二塁打。協力者にも、観衆にもいきなりサプライズをプレゼントした。
実はその英字の意味は去りゆく球界へ、鋭い光を突き刺した。「NEVER MIND WHATEVER I DO!! FAN IS MY TREASURE!!」。新庄が意味を解説した。「ほっとけオレの人生だ。ファンはオレの宝物」。襟付きアンダーシャツで物議を醸した旧態依然とした球界へのメッセージだ。新庄関係者が知り合いの英語教諭に依頼して刺激が少ない英字にし、今回のために用意した“遺言”だった。
ピカピカに光っていたスパイクのひもカバーはこの日、着脱式。その部分に「ほっとけオレの人生」、「ファンはオレの宝物」、そして爆笑(B)を狙うと宣言していた「MBP」。この3つの言葉をしたため、ラスト球宴を走り抜いた。7回の守備では巨人二岡のライナー性の当たりを前進してダイビングし、顔面を人工芝に打ち付けながら好捕した。8回に岩瀬に「いろんなカラーを持った人間という意味」という7色のバットはへし折られたが、志保夫人も見守る前で見せた最後の光。球界の華・新庄の散り際は、まぶしかった。【高山通史】
2006年07月22日付 紙面から
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