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新庄カウントダウン

野球人生初スクイズ、小技で口火13点

h-sh-060403-1.jpg3回表日本ハム1死一、三塁、新庄は一塁前にセーフティースクイズを決める(撮影・岡本肇)

<日本ハム13-6オリックス>◇4月2日◇大阪ドーム

 野球人生初のビッグプレー? いや小技が飛び出した。日本ハム新庄剛志外野手(34=SHINJO)が日米プロ17年目で初のスクイズを成功させ、大勝へ導いた。同点の3回1死一、三塁で、サインを受けて勝ち越しのセーフティースクイズ(記録は犠打野選)を決めた。これが呼び水になり打線が15安打と爆発。新庄も2二塁打と今季初のマルチ(複数)安打と沈黙していたバットが火を噴いた。今季最多13点、初の2ケタ得点でオリックスに3連勝を飾った。

 きっと、心の中で小さくつぶやいたに違いない。え、本当に-。新庄が目を疑った。3回1死一、三塁。初球だった。白井ヘッド兼内野守備コーチからのサインはセーフティースクイズ。三塁コーチスボックスを見てもう1度、出すように促した。「新庄が聞き直したので」と同コーチ。再度、確認しても指示は同じ。小さくうなずくと覚悟を決めて打席へ入った。

 オリックス・セラフィニの初球、高めスライダーをコツンと当てる。プッシュ気味に転がした打球を捕球した一塁手・北川がファンブル。きちんと処理されていればタイミングはアウトだった。三塁走者セギノールが勝ち越しのホームへ滑り込んだ。日米通算プロ17年目、1595試合目のこの日。新庄の輝かしい球史に、初めて記録として「スクイズ」が刻まれた。

 勝負に徹し、献身的な役割を受け入れた。直後の一塁塁上での様子を、北川が明かした。「新庄さんは怒っていましたよ。『だって打たせてくれないんだもん』って」。その後の3打席は2二塁打に1敬遠。この日まで打率1割8分2厘と低迷していた。初回には2死満塁のチャンスで凡退した。状況判断した上でヒルマン監督は「効果的な1点だった」と非情なタクトをふるい、新庄が応えた。

 同点とはいえまだ試合序盤。メジャーでは「クラッチヒッター(勝負強い打者)」と最高の称号も得ているだけに、新庄のプライドを傷つけかねない場面だった。チーム側も「リスクが高いということは相手も予想していないということ」(白井コーチ)という賭けだった。スクイズは阪神時代の00年に1度試み、ファウルになり失敗している。球団関係者によれば「(新庄は)今までにないというようなことを言っていました」と、野球人生初と思われる“大技”だった。

 今年1年間の方向性を示すような1プレーだった。オフの去就が注目される移籍3年目の今季。キャンプ中から「フォア・ザ・チーム」で動いてきた。練習前の時間などを使い連日、北海道内の民放テレビ局のスポットCMの撮影に臨んだ。ほぼ満員4万2000超の観衆が詰めかけた3月25日開幕戦。告知し、観戦を呼び掛けるものだった。通常はCM1本で数千万円とも言われるがノーギャラで仕事を受けた。グラウンド外でも身を削ってきた。

 エープリルフールから一夜明けたこの日、グラウンドでも衝撃的な姿を見せた。打線は刺激されて直後に勝ち越すと、その後に11得点、今季初の2ケタ得点と爆発した。新庄も出場7試合目で初のマルチ安打を記録。ただ試合後は無言で、厳しい表情のままバスへ乗り込んだ。新庄の築き上げてきたプライドと引き換えに、今季初の同一カード3連勝を飾った。その「代償」はどう出るのか。1年間を占うような、大きなギャンブルだった。【高山通史】

2006年04月03日付 紙面から

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