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新庄カウントダウン

オールスターで2度目のMVP獲得

h-sh-040712-1.jpg3回裏全パ2死三塁、打者小笠原のとき新庄は先制となる本塁盗塁を決める

<全パ2-1全セ>◇11◇◇長野

 予想もつかない事が起きるから野球は楽しい。日本ハム新庄剛志外野手(32=SHINJO)が、球宴史上初の単独ホームスチールをやってのけた。3回裏に二塁打で出塁し三塁に進んだあと、阪神福原-矢野のバッテリーの意表を突いて成功させた。次の打席でも二塁打を放って生還し、全得点を挙げて阪神時代の99年以来2度目のMVPを獲得。落合、清原に次いで史上3人目の両リーグでの受賞者となった。ファンを楽しませ、勝利に貢献する。再編に揺れる球界に、プロの「原点」を思い起こさせた。

 こんなに幸せな野球があっていいの。新庄なら、すべての夢をかなえてしまう。マンガにもないような、驚がくのプレーをやってのけた。三塁走者だった3回2死。打者・小笠原の時のカウント2-1からの6球目だった。よそ見をしていた人は何人いるだろう。捕手の阪神矢野が、マウンドの阪神福原に返球した瞬間、54年目を迎えた球宴の歴史が変わった。

 新庄が突然、走り出す。ホームベースへ1歩ずつ近づくたびに、異変に気づいた球場が少しずつ騒然としていく。ホームに頭から滑り込む。矢野のタッチをかいくぐる。球宴史上初の単独でのホームスチール成功。「球宴初? 初じゃなかったら、やらないでしょ」。ベース上で大の字にうつぶしたまま、子どものように両腕をバタバタと地面にたたきつけた。こんな喜び方を見たのも初めてのファンから歓声が爆発した。

 なんと敵側に予告していた。三塁上からひそかに「(本盗)やっていいですか」と全セのベンチにわざわざ許可? を求めた。中日山本昌とヤクルト古田が頭の上で両手で○をつくりOKが出た。「最初から(機会を)はかっていた。(捕手が)投手に投げて走った方が、絵になるかな」。初球からチャンスを狙っていた。恩師の阪神岡田監督の「いくな、いくな」という忠告は無視したが、律義に、したたかに決めた。

 消滅の危機にあるパ・リーグファンのために突っ走った。「パ・リーグを盛り上げたかった。セ・リーグだったら(本盗を)やっていなかった」。通常は捕手とクロスプレー時は、まわりこむように右手でベースをタッチする。左肩に捕手に乗られることを嫌う。思わず出たヘッドスライディングは「13年ぶりくらいかな」の全身全霊のプレーだった。本盗も小5で野球を始めて以来、初めて試みたという。「自分が一番似合わないでしょ」と泥まみれになって、パに尽くした。

 1回裏の最初の打席。独特の打撃フォームをデザインした1センチ四方の刺しゅうを施した手袋で、左翼席を指さした。ホームラン予告でスタンドの視線を十分に引きつけたあと、一転セーフティーバント。投手正面に転がり大失敗もファンは大喜びだ。「一塁の前でコケてアウトになろうと思ってた」。ファンの視線を、期待を意識してプレーする。プロの原点を思い出させた。

 22歳だった10年前、阪神時代に初出場した球宴から10年たった。最後となるかもしれない球宴を、全パの最年長として迎えた。予告していた史上3人目となる両リーグMVPを本当に本盗で、取ってしまった。お立ち台で絶叫して、笑わせる。「北海道を出てくる前にMVPをとってくると言っていたんですが本当にとれるとは…。思ってました」。続けて叫んだ言葉は重かった。「これからはパ・リーグです」。パフォーマンスでもメッセージでも、新庄としてやるべきことは、すべてやった。【高山通史】

2004年07月12日付 紙面から

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